森沢明夫のレビュー一覧
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今回の主人公は女性三人となっている。
三人の共通点として、過去に何らかの傷を抱えながら生きてきた。
舞台は小さな港町である風波町に暖簾を張る「江戸前夕凪寿司」。
若い女大将の「さやか」が腕を振るう地元民に人気のある寿司屋さんだ。
常連客たちとのやりとりが賑やかに繰り広げられる物語となっている。
⚫︎女大将の「さやか」
「江戸前夕凪寿司」の大将は、寿司職人として研鑽を続ける努力家、言い換えれば極端な寿司オタクだった。
⚫︎住み込みで働く「未來」
テキパキと動き、常連客にもズバズバと思いの丈を言葉にし、客あしらいに長けたおかっぱ頭の女性だ。
高校時代に柔道で鍛え上げたこともあり、絶えず強気の性 -
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プロローグでの鶏舎小屋の中の出来事は、なにを意味するのだろうかと思いつつ、読み進めていった。題名から卵の意味も興味深い。
自称・ツイてる養鶏農家のムーさんこと村田二郎が、村おこしに立ち上がった。限界集落の森の中で、卵かけご飯専門店を開くという。食事代は無料、あまりにも無謀で村人からは大反対にあう。しかしムーさんは大勝負に出る。果たして・・・。
ステキなフレーズが散りばめられている作品だった。最も印象に残ったのは、「人の心は決して傷つかない。人生いろいろは全てヤスリだ。擦ると痛い。でもずっと擦り続けると磨かれてピカピカになる」という内容のフレーズだ。気持ちの持ち方によってポジティブな思考にな -
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恋人だと思っていた相手が既婚者だった。
職場の同僚に悪い噂をばらまかれ、自分を見失ってしまったエミリ。
龍浦漁港の大三おじいちゃんの所へ半ば逃げ込むように訪れ、おじいちゃんとの生活が始まる。
おじいちゃんに教えてもらいながら作る新鮮な魚料理。
大自然の中、風や雨や太陽や海を全身で受け止めながら自分自身を取り戻していく。
おじいちゃんの
「自分の存在価値と、自分の人生の価値は他人に判断させちゃだめだよ」の言葉に私も思わず涙がこぼれてしまった。
「心=裏=浦=美しいもの」にも納得。
龍浦漁港や、直斗がサーフィンをしている海の近くの喫茶店、心平と乗ったブランコ、他の森沢作品で出て