森沢明夫のレビュー一覧
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題名を見て、北杜夫さんの船乗りクプクプを思い出した。全然違うけど。不思議な題名だ。読み始めてすぐに理解した。
語り部はボクだが、イズミの視点でも描かれている。ボクはイズミが名付けたユキという名で、少し太った金魚。飼い主はイズミで、金魚鉢を通してお互いに観察できる。イズミの親友のチーコ、イズミが恋する前田、イズミの上司の白土、そして黒猫が、主な登場人物。
ユキとイズミは共通している点がある。孤独である。そしてアザがある。
人は対人距離で見えない空間の中に閉じこもることがある。ユキは金魚鉢という物理的空間で遮られ、言葉にしたくても言葉にできないもどかしさがある。イズミの葛藤をユキに投影しているように感じる。
他の人に言いたくても言えないもどかしさ、触れたくても触れられない状況、ユキとイズミを交互に表現することで同化してくる。相手に金魚というのが一層それを強調している。
人は誰しも欠点があり、コンプレックスがある。文中で「心は傷つかない、磨かれる」というチーコの表現(チーコのお母さんの言葉)がはっとさせられる。森沢明夫さんは、きっと優しい人なんだろう。これまで読んだ本の中で、文の構成や表現からそう思わせられた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小説指南書、半分以上が初心者向けの内容。
ネタ作り
設定を考える
キャラの作り方、注意点
プロットの作り方、プロットつくりの困りごと対策
ここから急に技術的になります(笑)
原稿を書く
動作のバリエーションを書く「引き出し」を増やす
情景描写を五感で書く
短い一つの文に複数の必要な情報を盛り込む
情景は広い範囲所から近く狭いところへ書く
等など
アマチュアの「説明」ト書きになりがちな地の文をどのように「小説」へと昇華するか
結局は沢山小説を読み、パターンを会得して、類語辞典を必携し地道に自分の畑を耕しながら書く。
取材している様子なども面白い。
軽く書かれた実践が意外と難しいプロからの指南書。
これを読んで書けるようになる、ではなく、これを読んで何に気をつけて多読したらいいか&小説を書くなら何に気をつけるべきか?
が、分かる本ですね。
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久しぶりの森沢明夫さん♪
これは温かくて優しい気持ちの大渋滞。笑
時折ニヤニヤしたり目頭が熱くなったりで、
まさに森沢ワールド全開の作品!
霊能者であるが故に幼い頃から苦労してきた主人公の翔平。漫画家志望で努力を続ける彼が、同じ能力を持つ寿々と不思議なご縁で巡り合う設定はラブストーリーの要素が強くて、読んでいて妙に小っ恥ずかしかった。いやぁ・・・森沢さんロマンチストなんだなぁ。
戦地で生まれた友情秘話や、余命宣告を受けた母に、お互いを思い合う母娘、亡くなった妹夫婦の子を養子として育てる父子の関係性などなど、どこを切り取っても温かくて優しい巡り合わせがてんこ盛り。
なかでもタイトル『キッチン風見鶏』の由来となる第四章にはやられた〜!!
エピローグまでサービス満点で羽毛布団にくるまれたような柔らかい気持ちになれる作品だった。
最後に絵里さんが手島さんとの交際に出した二つ目の条件も分かって、ふぅ・・・満足満足。
「こんなに相手の気持ちを慮れる人ばかり集まった
世界なんてあるか〜い!!」
「偶然の繋がりにもほどがあるよね〜。」
という心の叫びを封印しつつ、
フィクション感がとても強い作品なので、そこを割り切って楽しめる方にはオススメの作品。
さらに森沢作品あるある笑で、今回は『きらきら眼鏡』のあの人が登場したり♪
ただこれも毎度されると人によっては番宣みたいに感じるかな。
丁寧な描写に、温かい人々、
心に響くフレーズの数々、
今回も森沢ワールドをしっかり堪能出来ました♪
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散歩に外に出たくなりました。
ほんわかするような温かい1冊だなとおもいました。
あまねってぃさんの本棚にお邪魔した際に見つけました。あまねってぃさん、ありがとうございます。
祖父と散歩した道や子ども達と散歩した道。
犬との散歩道、思い出しました。その時の空や風や空気感、そこに咲いている草花やすれ違った方々・・・。
天気が良くスッキリとした日は、今過ごしている地域から、実家からは青々と見える山が小さく見える道が好きです。(故郷は遠きにみて想うもの状態) 条件が揃えば見えるので、両親に応援してもらってるような気持ちになれます。
読んでいて一緒に散歩しているような感覚になれて楽しかったです。時にクスッと笑ったりしました。
私が好きなページは、p111の虹のおすそわけ
p143のメメント・モリサワ p153の水色の小さな自転車 です。
これから暑さもやわらぎ、吹く風に外に出るように誘われそうです。その前に1度読んでみてはいかがかなと思います。 -
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いじめられていた中学生の宏海が、カーリングと出会って、学校以外の居場所を見つけられた時、本当にホッとした。
やはり自分の居場所を複数持っていた方が、人は強くなれるし、幸せになれるんだなと思った。
ひとつの場所の水が合わなくても、別の場所がある。それだけで心が軽くなる。
宏海の強さは、自分で新しい場所を探そうとしたところ。
そしてそれをずっと見ていた雄大も、実は心の優しい子なんだと分かる。
偶然だが、ちょうど原田マハさんの『板上に咲く』を読んだばかりで、棟方志功の人生を追った記憶が新しく、本書でも棟方志功の遺した言葉が印象的な場面で出てきたので、なんだか巡り合わせを感じてしまった。
『津軽百年食堂』のお姉ちゃん・桃子が再登場。カーリング選手の柚果を支える明るいお姉さんというとても良い立場で出てくるので、嬉しくなった。
主人公カップルもちらっと出てきて懐かしい再会でした! -
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ネタバレ倉島英二
刑務作業をする受刑者たちに木工を教える指導員。定年後に嘱託として再雇用される。洋子の散骨のため、キャンピングカーで長崎へ向かう。
倉島洋子
英二の妻。悪性リンパ腫。余命六ヶ月を宣言され、亡くなる。元歌手で、刑務所慰問をしていた時に英二と知り合う。
杉野輝夫
キャンピング仕様に改造した紺色のハイエースワゴンに乗る車上荒らし。元女子高の国語教師。
田宮裕司
北海道の物産展で「イカめし」を出店するため日本を回っている。自宅で妻が浮気をしているのを目撃する。
美和
田宮の妻。
南原慎一
年齢は上だが田宮の部下。過去に何かを抱えている。倉島に船が見つからなかったら、大浦吾郎に相談しろと伝える。
大浦卓也
薄香の若い漁師。奈緒子と来月結婚の予定。
濱崎奈緒子
卓也の婚約者。父を海で亡くした。
濱崎多恵子
奈緒子の母。薄香で唯一の食堂を営む。夫が海で遭難して行方不明になって以来、奈緒子を一人で育てている。
大浦吾郎
卓也の祖父。散骨のために船を出す薄香の漁師。
塚本和夫
富山刑務所の総務部長。階級は矯正副長。英二の後輩。
塚本久美子
和夫の妻。
笹岡紀子
NPO法人遺言サポートの会のスタッフ。洋子から託された手紙を英二に渡す。一通は直接、もう一通は薄香郵便局の局留め。
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Posted by ブクログ
ずっと趣味で小説を書いているものの完全に自己流なので勉強してみようと手に取った一冊。
意外に思ったのは、小説を書くにあたって作家自身の情動的な部分も重視しているのだなーと(あくまでも森沢さんの書き方の場合だが)。
読むための時間は、読者にとっては限られた寿命の一部、つまり「命の一部」と同じ。
読者からお金こそとらないけれどそれはアマチュアだって同じ。
はっとさせられた。
貴重な時間をいただくのだから一筆入魂、全力で書かなきゃだめだよなーと考えさせられた。
内容自体も、もちろん参考になるが読んでいて創作に対するモチベーションが上がったのが何より良かった。