森沢明夫のレビュー一覧
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青森三部作、ついに完結。
青森出身者としては、青森市、弘前市、八戸市と馴染み深い地名と、地元なのに知らなかったことなどもあり楽しく読めた。
今回の「ライアの祈り」を読んで、初めて八戸に縄文時代の遺跡があることを知った。三内丸山遺跡とも繋がっていることにも驚いた。
縄文時代は歴史の授業で何度も何度も習うのに、土器くらいの知識しかなくて、その当時の生活様式や暮らし、食文化などそこまで発展していたことに驚き。弥生時代になって、なぜ縄文時代の時のように生きられなかったのか、それは現代を生きる私達の課題でもあるのではと考えさせられた。
今回の主人公桃子さんもクマゴロウさんというかけがえのない人に出会え -
Posted by ブクログ
なんか、読み終わった後、えもいわれぬ優しさに満たされる本です。
作者誰だっけなー?と(ジャケ買いに近かったのですぃません 笑)見たら、森沢明夫さん。なんか納得しました。
心がデトックスされました。
あとがきで、本当に青森には、百年食堂を認定する制度があるんだと知り...当たり前だけどいろいろあるはずの人情ドラマに今さら想いを馳せ。少しそういう食堂に行きたくなるという。
あまり普段気に留めてこなかったな、と気づかされます。
青森ドロップキッカーズと、それを含めた第三作目がその2冊をつなぐ1冊になっている、という文庫版解説があったので...読んでみたいかも~。 -
Posted by ブクログ
森沢さんが散歩をしながら思い感じたことが綴られています。その道中、スマートフォンで撮影した写真も一緒に。
散歩をしながら、こんなに色んな事を感じたり考えたりできるなんて、いいなって思います。毎日ウォーキングはしていても、脇目も振らず歩いているだけ。森沢さんのように、楽しみながら、のんびり散歩をして、いろんないいことを見つけたくなりました。
本の中で、「脳」の世界的な権威の先生が「生まれてから3歳ぐらいまでに自然とたくさんふれあわせると、その後の脳の発達がよくなる」というようなことをおっしゃったと書かれていました。このくだりを読んで、この本をそういう年代のお子さんを育てているお母さん達に -
Posted by ブクログ
物語を通して優しさと愛が溢れた作品でした。
特に心に響いた言葉はこちらの2つ。
①人生の小さな冒険に出られない人は「勇気」が足りないんじゃなくて「遊び心」がちょっぴり足りない」だけなんだって。
②愛している人の死を「背負う」ってことは、その人が味わうはずだった「楽しいことや幸せを丸ごと背負う」ってこと。だから残された人は、太く、長く、人生を楽しまなきゃいけないってこと。
主大学を中退して故郷に戻り、なかなか買い物にいけない高齢者のために移動販売をはじめた主人公のたまちゃん、父親の正太郎、亡き母の後妻となった正太郎の妻でフィリピン人のシャーリーン。
この家族とそれに関わる素敵な人たちの物語 -
Posted by ブクログ
「どの作品が一番好き?」そう聞かれたとき
森沢さんほど返答に困る作家さんはいない。
この作品も、またすぐに読み返したいほど
大切な一冊になった。
村人たちをはじめ、関わるみんなの視点で交互に描かれているから
それぞれが抱える思いや諦め、希望がわかるだけに
やきもきしたり、一緒に悩んだりしながら
これがどんな風につながっていくんだろう
どうなっていくんだろう…って思わず先を急いで読んでしまう。
同じ経験はしてなくても、人知れず不安や悲しみを抱えていた直子にはとっても共感したし
母、富美子との関係性や2人の雰囲気は
いまのわたしには眩しすぎて、羨ましい。
そして