あらすじ
出版社に勤める川合淳は、中学生の娘・春香がいじめをきっかけに不登校になったことに悩んでいた。さらに、妻・杏子がこの現状を打破しようと怪しげな霊能者に心酔。淳は近所の釣り好きな心理学者の千太郎に相談するが……。暗雲垂れ込める一家に「当たり前の日々」は戻るのか? 誰かの幸せを願い切に生きる人々を描いた、家族の再生物語。
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Posted by ブクログ
今まで読んだ森沢作品とはなんとなくひと味違う印象を受けました。
途中、ん?謎?なんだか微かなミステリー?みたいな…ネタバレになってしまうのでこれ以上言えませんが…
でもそれはそれで先が気になり470ページあっという間の読書時間でした。
コールドリーディング…難しくて自分には使えないなぁ
てか、自分の一言一言をこんなふうに分析されていると思うとコールドリーディング…恐るべし^^;
いちいち考えていたら何も喋れなくなりそう。
Posted by ブクログ
母は「娘の不登校を治したい」と強く願うあまり、怪しい霊能者に心酔していく。その過程は一見、大袈裟にも思えるが、妙にリアルで、どこか切なさを感じさせる。不登校児の親の苦悩や迷走が、生々しく描かれていた。
本の最後には、お笑い芸人・髭男爵の山田ルイ53世さんによる解説がある。自身の引きこもり経験をもとに語られた言葉の中で、特に「主人公の春香が最後に『転校』という選択をとったことに納得感があった」という一文が心に残った。
私自身、高校生のときに不登校になり、うつ病になり、山田さんと同様に引きこもり、逃げるように転校した。そのため、周囲から「甘え」や「今後も同じように現実から逃げる」と言われ、自分を責めてきた過去がある。だからこそ、この言葉には特別な重みを感じた。「納得感があった」という表現は、決して直接的な励ましの言葉ではない。しかし、不登校を経験した山田さんだからこそ持ち得る深い共感がにじんでいて、どんな慰めの言葉よりもじんわりと胸に沁みた。
春香の選択は単なる「逃げ」ではなく、彼女なりの生きるための一歩だった。
Posted by ブクログ
読み終えて 森沢さんの作品で 初めての
感じの読後感でした。
物語は 川合淳さんが 三階のベランダから見える
景色 見上げると空 見下ろす空
からはじまります。
この始まりの景色の描写が淡く優しく包まれていて
直ぐに物語の中に深く入りました。
娘の春香さんは いじめ が原因で不登校に
なってしまいます。
父親の淳さんは 学校へ抗議に行きますが
最悪の対応でした。
家庭では むしろ家に居てくれた方が
安心との思いでした。
娘を心配して 思い悩み日々葛藤する両親。
そんな日々を過ごしていく中 母親の杏子さん
の様子に違和感を感じる淳さんと春香さん。
そんな両親の姿を見て 春香さんが懸命に
頑張ります。
淳さんも もちろん頑張りますが、、、、
解決には 沢山の偶然や必然 ひたむきな努力や
近くで支えてくれる人がいて
無事に 家族が立ちなおり 前を向いて
歩いていけるお話でした。
読んでいく中で この物語 感想書けないかも?
と思っていましたが やはり駄目でした。
何故だか わかりませんが無理な心の感じです。
素敵な 言葉も 沢山あったのに、、、、。
でも一つだけ
感想として
良かったなぁと思ったのは
春香さんが 紫音さんを 穏やかな声で
好きだから
と言ってくれた事
それでも、わたしのね、、、、、、、
お友達、だから、、、、、、
愛すべきたれ目から、
しずくがぼろぼろこぼれ落ちた
ことです。
Posted by ブクログ
見出しを見たら、うーんどんなもんかな深刻なイジメの立ち直るまでの道のりかな、新興宗教も絡んでる、盤根錯節の話かとためらいがあった。読み出したら止まらないので、3日でした。春香の春の字が意味があるのがまた良い、元々明るく表情のある娘だった、最後の種明かしではそんな表情が浮かんで、余計安心出来たよ。謎解きの様だけど、種明かしを痛快にするのではなくて、森沢明夫さんらしい人間味がある、とてもいい物語です。出だしの暗鬱な場面から家族が戻って安心する淳よかったじゃん。千太郎と孫の物語も出来ると思う見たい
Posted by ブクログ
読み終わった後、心が清々しくなる物語でした。
終盤に近付くにつれ、伏線が回収されていくのがとても気持ち良かったです。
物語の構成、そして読みやすさがとても秀逸だったと思います。
是非、気になった方は読んでもらいたいです。
Posted by ブクログ
3章のうち1章が読むのがつらくって、、、
その分3章、特にラストは圧巻。
読後感はすばらしい。
苦手な霊能者、詐欺。
家族がバラバラに。
この時点で読むのを止めようかと思ったけれど。
キーワードはコールドリーディング。
森沢さんらしいキャスティングで、登場人物にまったく無駄がない。
その収まり方も面白い。
読んでよかった、人に優しくなれる1冊でした。
Posted by ブクログ
お互いに支えられる家族の絆や、人と人との繋がりがほのぼのと書かれていて、こんな関わりが持てたら平和な世の中になるのだろうと思いました。
ホッコリとした気持ちになりました。
沢山の人に読んでほしいですね!
Posted by ブクログ
子供の不登校をきっかけにどんどん家庭が壊れていくのはなんだかわかる。当事者になってみないとわからない感覚。第三者の目で見るとそんなのに騙されるなんてあり得ないと思うのだが、それがそうでもない。
常に自分を客観的に見る目がないと誰でも陥る罠がそこにはある。さすが森沢さん、最後まで読みごたえがありました。
Posted by ブクログ
編集者をしている川井淳は奥さんと、中学生の娘春香の3人家族。
春香のひきこもりをきっかけに、奥さんは怪しい霊能者にのめり込み、家族はおかしな方向へ迷走し始める。
自称霊能者の紫音、ネタを提供していた瑠美、春香をいじめていた人達。
「人を傷つけた」「人を騙していた」と言ってしまえばそれまでだけど、裏に隠された純粋な気持ちまでは裁けない。
もちろん、傷つけた事を許すことはできない。
春香の賢さや寛容さによって、家族も周りの人も救われたのではないかな。
千太郎先生の
「人は誰でもそれぞれ事情を抱えているもので、そういう事情を抱えながら右往左往して生きてきた結果、いまのその人がある」
この言葉で、人は人を受け止める気持ちになれるのかも知れない。
Posted by ブクログ
やられた。
最後の最後まで読まないと、しかも起承転大転のタイプの本。
このくらいならネタバレにならないよね。
「森沢文学」。
また味わってみたい。
一読をお勧めします。
Posted by ブクログ
森沢明夫さんの本、初めましてです。
娘がいじめにあい不登校になる。
そのせいで不安定になる妻が次第に怪しい者に洗脳されていく。
誰しも自分には当てはまらないと思ってしまうけれど、そこに救いがあると思い込むのは実は自然なことなのではないか。
春香とのセッションで紫音の洗脳の仕方が描かれているが、とても自然なやり方で、それぞれが取り込まれていく過程も頷ける。
最後に春香が全てのネタバラシをするのは非常に痛快で、且つ納得できる流れだったのが見事だと思った。
千太郎が心理学の講師であるのもまたみんなにとっては良い出会いであったし、登場人物全てが優しく思いやりのある人たちばかりなのも、読んでいてとても暖かい気持ちになった。
Posted by ブクログ
騙されてる!早く気付け!と思いながら夢中で読む。宗教や詐欺って、やっぱり心が弱っている時に引っ掛かるんだよね。。最後は丸く収まり、本当に良かった。
Posted by ブクログ
不登校の中学生とその家族の話…。
我が家も不登校の息子おり、気になって手に取った一冊だった。
不登校に陥ってしまった娘に対して苦悩する父親の淳の思いが、自分のそれとリンクして、辛くなってしまうほど。
序盤こそ不穏な展開ではあったが、人との関わりを通して家族がひとつになっていく様がとてもあたたかい気持ちにさせてくれた。
山田ルイ53世さんの解説もよかった。
Posted by ブクログ
☆4
森沢明夫さんの作品と言えば、ぽかぽか心が温まる優しい世界観という印象があったのですが…今作では序盤から不穏な空気が漂っており、いつもの森沢作品とはまた違った印象を受けました。
家族の崩壊と再生が描かれた物語ということで、いつもと違った森沢作品を読んでみたいという方には是非手に取って頂きたいと思いました!
Posted by ブクログ
不登校、霊能者とあるのでドロドロした物語かと思いきや、読後感のとてもいい物語でした。
途中からこの人は誰?と謎が増えてきて、謎解きも素晴らしかったので、とても楽しめました。
「夏美のホタル」とチラッとリンクしていたのも嬉しかったです。
Posted by ブクログ
不登校、いじめ、家族、母娘、居酒屋で知り合った知人、洗脳する人される人、いろんな人たちの心の動きがうまい具合に混ざり合って、最後はホワっと温かくなります。でも今まで読んだ森沢明夫さんの本よりも、少し怖さを感じました。コールドリーディングの怖さでしょうか。
「人は誰でもそれぞれ事情を抱えているもので、そういう事情を抱えながら右往左往して生きてきた結果、今のその人があるんだよ」
「人を傷つける人は、自分の心が傷ついている可哀想な人。人を騙す人は、人に騙されて世界を信頼できなくなった淋しい人」
印象に残ったことばです。
Posted by ブクログ
作者さん大好きですが今まで読んだ作品とはちょっと違っていてびっくりしました。
結末はやっぱり優しいのですけどね。
コールドリーディング、怖いな。
人の優しさや柔らかい部分に触れて信じ込ませるって辛いな。
この本のお話は良い形で再出発出来るけれども、現実には同じような体験をして深く傷ついたままの人もいるのだろうな、、、と。
ヒヤリとする作品でした。
Posted by ブクログ
ミステリーやちょっと重い本に疲れたら、定期的に森沢さんの本を読みます。
家族崩壊、霊能者、不登校…と何やら不穏なキーワードが並びますが、それらを軽やかに扱いながらいつものほんわかな結末になるのはさすがの手腕。
『人にはそれぞれ事情がある』。そんな風に思えれば人生も好転しそうだけど、なかなか難しいんですよね。
Posted by ブクログ
ほぼハッピーエンド、春香ちゃんが新たな道へ進みたいという前向きな気持ちになってよかった。
人はだれでもそれぞれ事情を抱えているもので、そのうえで右往左往しながら生きている
千太郎先生のこの教え。
本を読むたびに毎度思う。ほんとそれ、って。
春香ちゃんも、パパさんも、この人生の先輩に出会えてよかった。
しおんさんは詐欺働いていたけど、その優しい理由を知れてよかった。
温かい気持ちで読み終えられました。
面白かった。
Posted by ブクログ
マンションの前に川が流れている。川面にも映る2つの空を幼い娘も気に入って、ここに住むことに決めたのだ。川面に映る空は、人の心に宿る逆さの気持ちの表れか‥。
しかし彼女が中学2年の時、陰鬱ないじめを受ける。ありふれた日常が少しずつ壊れていく。それから近隣に住む人たちの、それぞれの物語が語られる。
その登場人物はひょんなところで繋がっていて、推理小説のようにどうなるのだろうと先の展開が気になる。
舞台は梅雨の陰鬱な天気の中で、読み進める私も心配になる。
しかし、事態は一気に解決へと導かれる。恨みはなし。なんとも爽快な終わりかたをする。
Posted by ブクログ
虐め、不登校、洗脳、心理学、
日常に起こりうる問題を家族がそれぞれに
問題に向き合う。その向き合い方に
ついて考えさせてくれて
最後は、清々しい終わり方をする。
家族の問題に向き合っているだけ救われる。
現実には、毒親から逃げるより方法が
ない場合もある。
この本では心理学の知識がキーパーソンに
なる。
読書から現実の生き方のヒントになる人が
いると良いなと思った。
Posted by ブクログ
かなりハードな状況だけど、
この作者さんだったら、重くなりすぎないんだろうなと思って読んでみたら、確かにそうだった。
なにか酷いことをした人にも、そうせざるを得ない事情や誰かへの愛情があったというふうに捉える平和な世界。
世界への信頼感がベースにあるんだろうなと思った。
Posted by ブクログ
かなり前に購入して、積読にしてしまっていた本。
結構厚みもあるし、持ち歩くには重いし、、と読んでいなかったけど、今日読み終わって、どうしてこんなに面白い本を積読にしていたんだ!!と後悔しました
最初の展開が、不安な気持ちになった分、後半の面白さが増すような展開です!
Posted by ブクログ
少しサスペンス的要素の入ったストーリーで、ドンドンとページが進みました。が、読み終えて、特に無くてもいいようなエピソードが結構あったと感じてしまいました。
ま、サスペンス要素があるということは、そういうことなのでしょうか・・
私は「嘘」というのが、必ずしも「悪」「いけないこと」とは思っていなくて、相手のことを想ってこその嘘だったり、また自身も心傷つきながらの思いやりだったりすることもあるのではと思っています。
千恵子さん(紫音さん)の人物像だったら、嘘が暴かれなかったとしても、きっと春香ちゃんが良い方向への進むよう導いてくれていたのではないかと思ったりします。
いっそのこと金もうけ主義の人を騙すことを何とも思っていないどうしようもない人物像の方が、面白かったような気がします。森沢明夫氏の本は、あまり悪者が出てきませんが、今回はそうして欲しかった。
千恵子さんとお母さまが、ちょっと不憫に感じました。
ただ春香ちゃんは、騙されるカラクリと、上手に騙される優しさ・・を学んだのかもしれません。
Posted by ブクログ
不登校の娘、霊能者に嵌っていく母親、家族の再生の物語。
これは、ほんわか、すっきり、そして最後は優しくなれる物語でした。
中学生の娘の春香はいじめをきっかけに不登校に..
父親の川合は学校に乗りこむも、学校はいじめを認めず..
転校させようと考えていた矢先、妻の杏子は霊能者に嵌っていきます。
全てを言い当てる霊能者。
洗脳から妻を解き放つことができるのか?
近所の釣り好きの心理学者に相談するも、状況は変わらず、さらに悪化..
そんな中、娘の春香も霊能者のもとに通い始めます。
家族はどうなる?
という展開ですが、おおよそ展開が読めてしまいます(笑)
父親、母親、娘、霊能者、心理学者、それぞれが語り口となって、物語が進行していきます。
そして、クライマックスへ
キーワードはコールドリーディング
一時期、はやりましたね。
こうやって人は騙されていくのだと思います。
最後、すっきりしながらも、優しさにあふれる物語でした。
この手の物語は好きです。
ドラマになったらいいなぁ!
Posted by ブクログ
我が家の娘がこのところ登校できない日があるため、他人事ではなく読み始めたが、ん?霊能者の話?と想像したストーリーと全然違う方向へ。
春香と千太郎、淳のそれぞれの関わり方が面白かった。
Posted by ブクログ
12月-01。3.5点。
中2の娘がいじめで不登校に。更に妻は新興宗教のような怪しげなものにはまり。娘も新興宗教に通うようになり。。。
面白い。家族の再生物語、途中ドキドキさせられるが、良かった。
Posted by ブクログ
珍しく推理小説的な要素を持たせたお話。
いじめをきっかけに歯車が狂っていく家族が、霊能者にすがる。
はたから見ると洗脳されつつある。
本人たちは、幸せになりたい一心であるのに、そこに付け入る詐欺ビジネスは、どこにでもあるのかもしれない。
この本では家族が取り上げられていた。
世の中には多くの宗教があり、詐欺ビジネスがある。
本人がどのように捉えるか、ではあるが、はたからみると詐欺である。
でも、抜け出すことは容易ではないのだろう。
統一教会と政治家の癒着がうやむやになってきている。
うやむやにしようとしているのはマスコミであるが、これは腐っているから仕方がないとしてもだ。自分たちだけでやってほしい。国民を巻き込まないでほしい。
昨今の世界情勢を見て、自分が信じてきたものがことごとく揺らいでいることに驚く。歴史はもちろん、大きな事件やニュース、天候(気象)までが偽りであるかもしれない。PCRやマスクは洗脳だと感じている。日本人は目覚めてほしい。すでに日本だけになってきていることに。
本書では、霊的なものを詐欺としています。
一般的にはそうだと思います。
でもいちど、ロズウェル事件の本を読んでみてほしいです。
私達は洗脳されているかもしれない、すべてのことに対して。