【感想・ネタバレ】あなたへのレビュー

あらすじ

富山の刑務所で作業技官として働く倉島英二。ある日、亡き妻から一通の手紙が届く。そこには遺骨を故郷の海に撤いてほしいと書かれており、長崎の郵便局留めでもう一通手紙があることを知る。手紙の受け取り期限は十二日間。妻の気持ちを知るため、自家製キャンピングカーで旅に出た倉島を待っていたのは。夫婦の愛と絆を綴った感涙の長編小説。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

優しい森沢さんワールドに包まれましたが、この本は情景の表現も素敵でした。

世界を透明なパイナップル色に染め上げていた

密集した樹々の向こうに熟したマンゴー色の夕空が広がっていた

集落の奥には、ピンク色の絵の具を流したような小さな海がとろりと横たわっていた

しばらくぼ〜っと思い浮かべて余韻に浸りました。いつか見てみたい景色です。

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2025年11月11日

Posted by ブクログ

 亡き妻の遺骨とともに、富山から妻の故郷・長崎の漁師町まで、キャンピングカーでの旅…この4日間に出会った人々が、不思議に繋がり合っていて、驚きと感動の連続でした。一気に読み終えてしまいました。
 妻の遺した手紙に泣けて泣けて・・・
 そして、随所に残る名言に心が揺さぶられました。自分自身の人生の糧としたいと思いました。
「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」
「人生には賞味期限がない」
「偶然のいい出会いっていうのは素敵なことが起きる予兆で、それが三つ続いたときに、驚くような奇跡が起きる」

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2025年09月21日

Posted by ブクログ

森沢明夫さんの作品を続けて読みたくて、探していたところ表紙が高倉健さんって事だけで手にした本。本作には無い台詞だけど、脳内では所々で「不器用な男ですからー」が、こだましていました。

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

森沢明夫氏の本は、読書後ホッコリするとともに、自己肯定感が高くなりますね・・。
改めて、好きな作家さんです。

ひとりになったあなたにお勧めの一冊。

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2025年08月10日

Posted by ブクログ

読みやすい。話の流れ、テンポ良く進む。それぞれの人が抱えるエピソード、表現がすっとはいってくる。終わり方、後味も良く、生きることに前向きになれる。とても良い作品。

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2025年07月17日

Posted by ブクログ

 青島武脚本の映画「あなたへ」を原案に創作された作品。
 こういう小説の書き方もあるんだと新たな発見だった。

 亡くなった妻の遺言で、妻の故郷の郵便局留めになっている手紙を受け取りに、キャンピングカーで旅に出る倉島英二。
 その道中に偶然とも奇跡ともいえる出会いを重ねる。
 英二と洋子さんの深い愛に心を打たれた。

 海、空、風、雨
すべてがドラマチックでもあり厳かでもあり作品の世界にすっかりのめり込んでしまった。
 宮沢賢治や山頭火の作品にも触れてみたくなった。

そしてなにより、
「凛」
このワードで、小説「あなたへ」が輝く。

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2025年01月24日

Posted by ブクログ

物語の始めも最後も涙。でも、悲しみだけの涙ではなくて、美しいものに対する涙も。

「ありがとう」
この話を読み終わって、この言葉が特に心に響いています。

「ありがとう」
感謝を伝える言葉だけど、時には哀しみを含むこともある。でも、本当に美しい言葉で。

 そして、それは奇跡に繋がりもする。そんなことをこの本を読んで思いました。

 妻の洋子を病で失った倉島。その洋子の遺書にあるとおり、彼女の故郷へと向かう。その道中での出会いを通して、倉島自身が変えられていく。
 
 「もしかすると、この世のすべての事象は『自分がソレのどこを見るか』だけで、がらりと変わってしまうのかも知れない。」と倉島の言葉にそれは表れている。

 どこを見るか、何を見るか。見ようとする時に、見落としていることにも気づくだろう。そこに至るのには、哀しみの道を通ることもあるだろう。向き合っていくしかないんです。でも、一人じゃない。そこに至る道に、きっと誰かいる。 

森沢明夫さんの小説は本当に読後感がいいですね。そして、読み始めたら止まらない。

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2024年10月20日

Posted by ブクログ

たまたまかかっていた
KOKIAさんの名曲
『ありがとう』♫

聴きながら洋子さんの
二通目の手紙を読んで
いたら思い出した。

先日書類の整理をして
いたら父からの手紙が
ポロッと。

生前ときどき送られて
きていたうちの一通。

当時ほとんど流し読み
していたので、

なにが書かれていたか
思い出せず。

そそくさ開いてみれば
朴訥とした筆跡で、

センスも捻りもなにも
ない、

「体に気をつけろ」と
ただそれだけの手紙。

なんだか急に目の前が
曇った。

うん、体に気をつけて
頑張るよ、父さん。

今ごろは見晴しのいい
遥かな海辺でポツンと、

大好きだった釣りでも
しているのかしら。

どうせなにも釣れずに
ぼんやり空でも眺めて
いるんでしょ?

母さんや私もそのうち
そっちに行くから。

たかだか数十年ほんと
あっという間だから。

そして最期は私も海に
散骨してほしいな。

海を見たら思い出して
ほしいから。

洋子さんの可愛らしい
悪戯に敬意を込めて、

ささやかだけど星五つ
捧げます。

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2024年09月07日

Posted by ブクログ

亡くなった妻の洋子さんの遺言を求めて自家製のキャンピングカーで旅に出た夫の英ニさんに待っていた偶然と呼ばれる数々の人との素敵な出会いによる様々な出来事やその時々の心境等も鮮明に描かれております。
終盤の洋子さんの散骨、門司港での南原さんへの報告、洋子さんから英ニさんへの3枚の手紙のシーン「あなたへ」のたった4文字に込められた想いも考えると感慨深く、涙が溢れました。
「他人と過去は変えられないけど、自分と未来は変えられる」「人生には賞味期限はない」
洋子さんのこの言葉が心に刻まれました。二人の夫婦愛も素敵であり、感動作です。

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2023年12月03日

Posted by ブクログ

再読。映画の脚本を森沢さんが小説にした作品。亡くなった奥さんの遺言で奥さんの故郷の海へキャンピングカーで散骨しに行く途中に出会った人々とのつながりや夫婦の絆が丁寧に描かれている。高倉健さん主演の映画も感動したが、小説の方も心を揺さぶられるステキな作品だった。登場人物一人一人が何かしらの問題を抱えながらも前向きにあたたかく描かれているのもよかった。奥さんの2通目の遺言を読んでいて涙があふれてきてしまった。短い言葉だが「あなた」という3文字の言葉がとてもステキな言葉に思えた。倉島と奈緒子の「他人の厚意は?」(奈緒子)「受け取るべき、でしたね」(倉島)「正解です」(奈緒子)のやり取りもおもしろかった。小説の中に出て来る風鈴の音、シャボン玉、種田山頭火の句も印象的。小説の中に出て来る宮沢賢治作詞作曲の「星めぐりの歌」をYouTubeで高畑充希さんが歌っているのを聴いてみたら、とても優しい歌で心があたたかくなる心に沁みる曲だった。

心に残った言葉
・「一瞬」と「永遠」は、時計で計れば大きな差が出るが、人の想いで計ればイコールで結ばれることもあるのではないだろうか。(倉島)
・「我々も蔓草になっちゃ駄目なんですよね。蔓草ってのは、絡む木がないと枯れてしまう存在ですから。我々はしっかりとした木になって、根を張って、自分ひとりの足で立って、周囲に蔓草がいたら幹も枝も貸してやり、生かしてやる。そういう人間じゃないとね」(杉野)
・「他人と過去は変えられないけれど、自分と未来は変えられる」(洋子)
・「人生には賞味期限がない」(洋子)
・「偶然のいい出会いっていうのは素敵なことが起きる予兆で、それが三つ続いたときに、驚くような奇跡が起きるー」(洋子)
・もしかすると、この世のすべての事象は
「自分がソレのどこを見るか」だけで、がらりと変わってしまうのかもしれない」(倉島)
・ただ裸足になってドアの外に一歩出るだけで、世界はこんなにも違う。こんな小さな一歩で、世界も、自分も、変えられるチャンスは生じるのだ。たったの一歩。ゼロではなくて、一歩。その差は、無限に等しいくらいに大きいのかもしれない。(倉島)
・命とは、時間のことだと。だから私は、残された時間を大切にする。時間を大切にするとは、命を大切にすることなのだ。(倉島)

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2023年10月19日

Posted by ブクログ

とても面白かった。というかとても良かった。洋子とのこれ以上ない深くて押し付けない二人の思い。それまでに出会う様々な人どの出会い。自然に入り込んで余韻を感じることができました。おすすめです。

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2023年10月02日

Posted by ブクログ

生き方は人それぞれ。でも一歩踏み出すことで拡がる世界はきっとあると思います。作中に出てくる「人生には賞味期限がない」とは良い言葉ですね♪私も悔いのない人生を送りたいものです。

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2023年09月16日

Posted by ブクログ

積読していた森沢さん。ごめんなさい。
本って自分が読むべき時があると感じた。
大切なものを見失いそうな時とか。。

特に心にとめた言葉は、
●他人と過去は変えられないけど、自分と未来は変えれる。
●人生には賞味期限がない。
●旅は二面性。淋しさと自由。この世の全ての事象は自分がそれのどこを見るかだけで、がらりと変わる。
●ただ裸足になってドアの外に一歩出るだけで、世界はこんなにも違う。こんな小さな一歩で、世界も自分も、変えられるチャンスは生じる。

私にとって大切な一冊となりました。

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2023年08月31日

Posted by ブクログ

亡き妻 洋子からの遺言を求めて、妻のために作ったキャンピングカーでの一人旅をスタートした主人公の倉島英二。
旅の道中での出会いを通して、次第にみえてくる夫婦の絆、生きることの意味…

病床で夫にあてた洋子からの遺言が、一人残される英二のことを想い、包み込むような大きく深い愛に溢れ、涙が溢れてきた。

また英二と出会ったそれぞれの人生が、その出会いを機に少しずつ趣きを変えていく…

同じ日の同じ時間、登場人物それぞれの目線に変えることで、其々が歩んできた人生が物語をより立体的でリアルなものに感じさせてくれた。

生前の洋子がよく口にしていた台詞
「他人と過去は変えられないけれど、自分と未来は変えられる」
「人生には賞味期限がない」

自分の命を愛おしくおもい、時間を大切にすることに気づくことが、生き方すらも変えるキッカケになる。

目を閉じると聴こえそうな虫のさえずりや波の音…
匂いまで感じられそうな茂った芝生や雨の気配…
目にも鮮やかに広がる夕陽が沈む海と空のコントラスト…
豊かな情景描写がとても丁寧で繊細で、気持ちまで清らかに浄化されるようだった。

本作品に出会えたことを心から感謝したい。

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2023年06月25日

Posted by ブクログ

映画「あなたへ」はまだ観ていない。
でも読んでる間ずっと、高倉健さんと田中裕子さんの面影が浮かんでいた。
「他人と過去は変えられないけど、自分と未来は変えられる」色んな事が重なって最近投げやりだった私に刺さった。賞味期限まできちんと頑張らないといけないなと。
この本の中にはいくつもの出会いがあって、その1つ1つが次の一歩に繋がっていった。今の私がこの本に出会えたのをきっかけに一歩を踏み出せるだろうか…実際の私は文中の一言が刺さっても次に繋がる一歩なんて…正直出せそうにない。
なんだかなぁ。

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2023年06月08日

Posted by ブクログ

新幹線での旅の途中、西へ移動しながら読んだのでまさにこの物語に入り込んだような気分だった。
人生最悪のどん底にいる人々がなぜかとてもキラキラして見えた。
身の回りで起きた出来事なんて所詮一つの出来事でしかなくて、生きてさえいれば新しい明日に向かって一歩踏み出すことができる。
気持ち一つで、出会い一つで、一つの言葉で、いくらでもやり直せるし人は強くなれる。
読みながら、一期一会、という言葉が浮かんできた。
自分が死ぬと分かった時、手紙を書きたいと思えるような人がいたら幸せ。

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2025年10月06日

匿名

購入済み

熟年の夫婦の絆の深さに感銘し、読書に引きずり込まれます。PC画面に疲れますので少し読み進んでいます。

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2012年10月12日

Posted by ブクログ

優しい。第一章からして不穏な雰囲気があったけど全然そんな事ない。映画のキャストを見て納得。
おじさんたちに幸せあれ。

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2025年10月22日

Posted by ブクログ

読み終わるとほっこり前向きな気持ちになれました。
ありがとう、という気持ちで他人の好意は受けるべきというのはわかっていても、遠慮してしまう気持ちはよくわかります。。登場人物それぞれがお互いにありがとうの気持ちを持っているのが、素敵だなと思います。
自分と未来は変えられる。命とは時間のこと、今この瞬間を大切に丁寧に。前向きな気持ちになれた気がします。この本を読めてよかったです。

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2025年09月16日

Posted by ブクログ

「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」
私も言葉が達者ではないし、内に引きこもったらどんどん沼っていってしまいそうだから、この物語とこの言葉を読んで、前向きになれた。
私も洋子さんのような、少しお茶目で、あたたかい言葉を持てる人でありたい。
登場人物、全員があたたかい心の持ち主。

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2025年08月18日

Posted by ブクログ

亡き妻の「憶い」を受け取るため、富山から長崎まで自作のキャンピングカーで旅をする夫。森沢さん作品おなじみの「凜」、そして種田山頭火の句が出てくるたびに静かな温かさを感じました。

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2025年06月29日

Posted by ブクログ

「幽寂とした闇」
森沢明夫さんのこんな表現を待っていた。
この小説のベースに鳴り響いているのは
種田山頭火の言葉
「風鈴の鳴るさへ死のしのびよる」
森沢さんの凛とも洋子の死とも重なる。

「うれしいこともかなしいことも草しげる」
森沢さんの言う通り、一人旅も、人生も、二つの側面を持つ。淋しいと言えば淋しくなるし、自由だと言えば自由になれる。どちらの側面も真実であり、どちらに寄り添うかで気持ちが変わる。いずれにしても痛みは伴う。
倉島英二は、妻からの二通目の手紙を受け取って、本当の一歩めを踏み出せると思う。
残りの時間を、妻への感謝を胸に大切にしていくだろう。
でも、やっぱり淋しいよな。

夕方読もうと手にしてから
没入し、気がついたら最終章だった。
やっぱりこれが森沢作品だよな。
納得の一冊だった。
ごめんなさい。
最後の第九章はなくても十分感動できましたよ。
読者に親切すぎるのかな?

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2025年04月15日

Posted by ブクログ

自分の命の残りを知ってしまったとき、最愛の人にこんな素敵な手紙を贈ることができるだろうか。人は、悲しさよりも、虚しさよりも、喪失感よりも、ありがとうと言う思いを抱いたときの方が、はるかに涙腺が緩むらしい。
主人公の妻、洋子の座右の銘は、「他人と過去は変えられないけれど、自分と未来は変えられる。人生には賞味期限がない」
命とは、時間のこと。時間を大切にするとは、命を大切にすること、賞味期限が切れるまで。

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2025年02月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

倉島英二
刑務作業をする受刑者たちに木工を教える指導員。定年後に嘱託として再雇用される。洋子の散骨のため、キャンピングカーで長崎へ向かう。

倉島洋子
英二の妻。悪性リンパ腫。余命六ヶ月を宣言され、亡くなる。元歌手で、刑務所慰問をしていた時に英二と知り合う。

杉野輝夫
キャンピング仕様に改造した紺色のハイエースワゴンに乗る車上荒らし。元女子高の国語教師。

田宮裕司
北海道の物産展で「イカめし」を出店するため日本を回っている。自宅で妻が浮気をしているのを目撃する。

美和
田宮の妻。

南原慎一
年齢は上だが田宮の部下。過去に何かを抱えている。倉島に船が見つからなかったら、大浦吾郎に相談しろと伝える。

大浦卓也
薄香の若い漁師。奈緒子と来月結婚の予定。

濱崎奈緒子
卓也の婚約者。父を海で亡くした。

濱崎多恵子
奈緒子の母。薄香で唯一の食堂を営む。夫が海で遭難して行方不明になって以来、奈緒子を一人で育てている。

大浦吾郎
卓也の祖父。散骨のために船を出す薄香の漁師。

塚本和夫
富山刑務所の総務部長。階級は矯正副長。英二の後輩。

塚本久美子
和夫の妻。

笹岡紀子
NPO法人遺言サポートの会のスタッフ。洋子から託された手紙を英二に渡す。一通は直接、もう一通は薄香郵便局の局留め。





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2024年08月15日

Posted by ブクログ

サプライズがなくても、特別な何かが起こらなくても、愛する家族がいて、平穏な日が、また明日も訪れる毎日、それが幸せなんだな…って思えました。「他人と過去は変えられないけれど、自分と未来は変えられる。」また本を読むことで、素敵な言葉に出会えました。

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2023年10月06日

Posted by ブクログ

夫婦愛に涙がこぼれました。
病に冒され、残り少ない人生を愛おしむように過ごす妻・洋子さんと英二。
二人の間に流れる時間が悲しくも、たまらなく優しい。

最期の願いを叶えるため、キャンピングカーで奥さんの故郷へ旅に出る英二。
洋子さんが最後に伝えたかったこととはーー。

洋子さんの想いのこもった手紙を読んで涙腺崩壊でした。
夫への愛と感謝、溢れる想いがたまらない。
こんなふうに人生を終えるまで寄り添い、想い合えるって本当に素敵。
大事な人と一緒に年齢を重ねられたら良いなぁ。
素敵な夫婦愛の物語でした!

『他人と過去は変えられないけど、自分と未来は変えられる』

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2023年09月03日

Posted by ブクログ

主人公のまっすぐで飾らない、控えめで優しい性格に惹きつけられるように、色々な過去を背負った人たちが登場する。
こう繋がっていくのか〜。こんな縁があったんだ!と、どんどん次の展開を知りたくなり、あっという間に読み終えてしまった。

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2023年05月28日

購入済み

もう少し

もう少しこの小説の先があればと期待してしまう。

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2020年09月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いずれ夫婦のうちのどちらかが先にこの世を去ってしまう。
先立つ側が何を残し、遺された側が何を受け取るか。
別れの悲しさの中に、倉島夫妻のお互いを想う気持ちがぎゅっと込められていて、胸が苦しくなったり温かくなったりと、情緒が揺さぶられる。

私の何となくの理想は散骨だったけれど、遺族の負担は結構大きいのだと知った。(亡くなった人の骨を砕いて粉々にしなければならないという心理的な負担と、船を出して海に撒かなければならない身体的・時間的な負担)

でもその旅を通して、最初の章では点でしかなかった色んな人たちの人生が、線になって繋がっていく様子は、洋子が遺した奇跡なのだと感動した。

最後に倉島さんが到達した境地(命を大事に生きることは、時間を大事に過ごすことだということ)は、今後の自分の人生においても大切にしたい。
死んだ後に遺すものも一世一代のことで大事だけれど、その前に一緒に過ごした時間の中に光るものがあるからこそ、その人への気持ちがきちんと伝わるのだと、この話から学んだから。

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2024年10月27日

Posted by ブクログ

寡黙な刑務技官の倉島英二が妻の散骨のために長崎に行く道中で様々な奇跡の出会いをする。

その旅は妻からのプレゼントだった。

心温まる物語。

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2024年07月31日

Posted by ブクログ

これは。映画館で映画で観たいお話。
主人公だけでなく、道中会う人の人生、生き方についても思いを馳せたくなる。

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2024年01月27日

Posted by ブクログ

森沢明夫さんの本を初めて読みましたが、文章がとても読みやすく、内容がスッと頭の中に入ってくる感じで読み触り最高でした。読みやすいのもあってか、登場人物の心の動きがもろに伝わってきて、感情移入しやすかったです。
物語からは相手を大切に思う人の愛情を感じて、心温まりました。

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2023年12月05日

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