あらすじ
恋人に振られ、職業もお金も居場所もすべてを失ったエミリに救いの手をさしのべてくれたのは、10年以上連絡を取っていなかった母方の祖父だった。人間の限りない温かさと心の再生を描いた、癒しの物語。
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Posted by ブクログ
森沢作品を読む中で、高確率で出てくるあの風鈴のルーツになる作品。何度もおすすめされていたのにやっと読んだ! 最高だった!
あとお魚料理食べたくなったし、死んじゃったけど渋イケメンだったおじいちゃんに会いたくなったー!
色々あったからとはいえ、かなり卑屈な主人公エミリ。自分はマーブルチョコの虹色に入れない茶色だ、なんて悲しいくらいにネガティブ思考の彼女が、おじいちゃんのご飯や龍浦の人たちに癒され、復活していく。いや、復活どころかよりたくましくなっていく。
エミリのおじいちゃんが最高にかっこいい。今作の名言メーカーはおじいちゃんで決まりだ(心平さんの抗議の声が聞こえる)。
「自分の存在価値と、自分の人生の価値は、他人に判断させちゃだめだよ」「判断は必ず自分で下すことだ。他人の意見は参考程度にしておけばいい」
周りの目を気にしてしまう人がいたら、この作品を手に取って、エミリのおじいちゃんに会って欲しい。
後半は涙腺ゆるゆるで電車内で鼻をすすりながら読む始末。心も胃袋も掴まれる作品だった!
Posted by ブクログ
温かい。
じんわりと温かい。
無口で不器用なおじいちゃんと孫娘エミリの話。
タイトルから勝手におじいちゃんと小さな女の子の話かと思っていたら、そうではなく成人した孫娘との物語。
出てくる人が1名を除いてみんな温かい。
そう、読んだ人なら言わずともわかるはずの毒女以外。
おじいちゃんが作る料理の数々がなんと美味しそうなこと。
おじいちゃんが作る凛となる風鈴の音も聞こえてきそう。
おじいちゃんとエミリの日々をずっと読んでいたい。
エピローグのおじいちゃん視点の締めくくりがまた泣かせること。
森沢ワールドに引き込まれる。
Posted by ブクログ
多くは語らないしちょっと不器用なおじいちゃんやけど
やさしくてあったかくて愛に溢れる言動に
読みながら自分まで癒されて気持ちが整う気がした
島のロケーションも自然の中での生活も、
おじいちゃんに料理を教えてもらえる世界線も
羨ましくて夢のような時間すぎて
とにかくだいすきなおじいちゃんに会いたくなった
素敵でほっこり癒されるやさしくて涙が止まらないお話
Posted by ブクログ
ため息が出るほど、風景の描写が綺麗。潮風の匂いを感じるぐらい、リアルに龍浦を感じた。料理も涎が垂れそうなほど美味しそう。悩んだとき、ふと立ち止まって読み返したい1冊ができた。
Posted by ブクログ
心の"うら"を綺麗に保って、なるべくいい気分でいること。それでも沈んでしまいそうなときは、心の逃げ場所を作っておくことも必要。龍浦に流れる時間も人もみんなゆっくりで、おおらかで、自然と心がすーっと癒された。
Posted by ブクログ
だい大好きな森沢明夫先生の作品の中では
かなり有名なこの著書。
何故もっと早く読まなかったのか
森沢先生の本は自分にとっての癒し。
心が元気な時にご褒美として読みたいから
つい沢山積読本として温めてる
こちらも結局一気読みしちゃったけど
夏の物語なのにポカポカと温まった。
じーちゃん最高!エミリもいい孫娘だし
最後に心平と良い感じになるといいなと
思ったけれど恋愛小説じゃないので
そこは想像次第って事で良かったのかな。
森沢先生好きすぎて沢山読みたいけど
読むのがなくなるのが嫌でゆっくりゆっくり
積読本から読もうと思ってます
ホントに素敵な作家さんです。
Posted by ブクログ
都会で辛い思いをした主人公が、長らく連絡すら取っていなかった祖父の住む田舎街を訪ね、祖父の料理と優しい街の住人との交流を通して、冷えた心を温め、浄化させていく物語。
祖父の料理は文字で読むだけでも涎を零しそうになる素敵な漁師飯で、主人公の胃袋が一気に鷲掴みにされ、心の回復の一助となるのも納得です。
物語の随所に見られる風鈴は、祖父と共に主人公に寄り添ってくれているようにも感じられます。
自分には武器が無いと言っていた主人公が、新たな自分だけの武器を手に入れて未来に突き進む姿には、きらきらした希望を感じられ、爽やかな読後感を得られました。
人生嫌なこともあるが、それ以上に、身の回りには良いことも溢れているんだと気付かせてくれて、救われたような気持ちになりました。
Posted by ブクログ
恋人に騙され、仕事も失い、自分の居場所がなくなったエミリは、15年も会っていない母方の祖父、大三おじいちゃんを頼って海辺の田舎町を訪れる。
快速列車に揺られてたどり着いたのは、空の青と海の青がひとつに溶け合ったような絶景が臨める港町。
早朝の犬の散歩の途中でもらった採れたての野菜や、漁師さんにもらった魚をさばいて作る朝ごはんは、都会での生活とは全然違った趣で、おじいちゃんは無口だけれど交友関係が広くて、おじいちゃんと一緒に暮らすうちに、エミリもだんだんと町の人たちに馴染んでいきます。
完璧な人生を送る人なんていない。みんな人生の初心者で、過去の自分を受け入れて生きて行かなくちゃいけないし、消し去りたい過去があっても、前を向いて進むしかない。
おじいちゃんの優しさに何度も泣きそうになりながら読んでいました。
この小説にも風鈴の「凛」とした音色が聞こえてきます。
熱したり、冷やしたり、たたかれたり、そんな辛い工程を経てよい音色の風鈴が出来上がるのだそうです。
傷ついた心にじんと染みわたるような、ほんとうに温かい物語です。
Posted by ブクログ
自分のうらを変えれば自分の人生が変わる。世界は変えられなくても気分は変えられる。気分よくいるために心をきれいにすること。自分の存在価値と自分の人生の価値は他人に判断させちゃいけない。神様は自分。いくつもの大事な考え方を与えてもらった。わたしも自分の武器を見つけたい。
匿名
とても優しい気持ちになれました。
人の目ばかり気にして、自分の本当の心を忘れてしまう日々ですが、心を強くしてくれる言葉が沢山あって、自分の心を大切にしたいと思いました。
Posted by ブクログ
むちゃくたゃよかった泣
おじいちゃん優しすぎる
自分の神様は自分自身。
自分だけが思い通りに自分を動かせる。
っていう言葉沁みた。
田舎の風情もすごく良かったし
ご飯がとても美味しそうで。
おじいちゃんの魚料理食べたい
Posted by ブクログ
亡くなった父を思い出す作品
海運業だったため
魚を捌くのが上手く
料理も母よりもうまかった
寡黙で余計なことは言わない
なんとなく
おじいちゃんに似ている
『大人も、親も、所詮は人間だ。
完璧ではないし、未熟者のまま死ぬんだ』
本当にそうだなと思う
この年になってやっと気づくこともある
自分の経験したことしか分からないし
それが全てで正しいと思いがちだ
だから
本を読んで色々な世界をもっと知りたい
父が作るカツオのお茶漬けが
無性に食べたくなった泣
Posted by ブクログ
あっ、祖父×孫ものだ…と分かった瞬間、たじろいだ。
老人が出てくる系の話に私はめちゃくちゃ弱い。
大体は人間的にすごく尊敬できるキャラクターが多く、素敵だなぁと思うのだけど物語の中で病気になったり死すことが多いからだ。悲しいのだ。
でもこの物語に出てくる大三おじいちゃんは最後まで元気でよかった。
悲しい物語では決してないと思うのだが、感情移入しすぎたのか後半はボロボロ泣いてしまった。
サヤが来た辺りからエミリに感情移入し、大三さんに救われ、心平に恋しそうだった。
エミリのように、どんな人でも人生って結構間違えることがある。でも信頼できる人の支えと、大きな自然があればまた立ち上がれると元気をもらえた。
ただただサヤの存在にムカついた。ムッ!
あと私は夏の物語が多分好きなんだろうなぁ。
元気がないとき読む本にしたい。ずっと手元に残したい一冊。
Posted by ブクログ
読みやすいし穏やかな心になった。
出てくるお魚レシピは想像するだけで美味しそう。
幸せになることよりも大事なこと
これから先の生活のヒントになりました。
Posted by ブクログ
長い間積読していた作品だったけど今読めてよかった。すごく染みるお話。エミリの友だちを除いて、全部のキャラクターが好き。あと、すごく情景描写が綺麗で自分もそこにいるような感覚。ご飯も美味しそうすぎた。
Posted by ブクログ
おじいちゃんかっこいい!
胃袋掴まれたことないけど、ここに出てくる料理食べたい。
鉄平さんの本も読みたくなる。
蝉や鳶が歌うとか潮騒とか胸裏とか色んな表現、言葉は語彙力皆無の僕くはいいなーと思いました。
以下のセリフがドンッ!て胸裏に響きました。
「幸せになることより、満足することの方が大事だよ。」
「世界は変えれないけど、気分は変えられる。」
久々に小説読んで気分が変わりました、少しだけ。
ありがとうございました。
Posted by ブクログ
つまらなく見えた田舎、怖そうな隣人、高貴な美人、すべて物事や人物は光の当たり方、つまり裏面を見ることでまったく別の中身が出てきてとても面白かった。最初は魚も触れなかったエミリが最後には料理人さながらの腕前に成長することにもワクワクできた。
久しぶりに小説を読みました。ハイジに出てくるような、口数は少ないけど優しいおじいさんとの食事や暮らしで、エミリが癒されていく様子に、釣り、お料理指南をしてくれるおじいちゃんがいるなんていいなと思いました。自然な暮らし方に憧れました。
Posted by ブクログ
おじいちゃんがサラッと沁みることを言う。
幸せを求めるよりも、満足することが大切。周囲の人からの評価ではなく、自分自身が自分を肯定してあげること。自分の機嫌は自分で取る、そうすれば自然と自分に満足できるし、周囲の人の評価も変わってくる。美しい心は回り回って自分の幸せに帰ってくるのかな。
Posted by ブクログ
田舎の港町でのひと夏の生活。とても憧れるしなりよりおじいちゃんのご飯がどれも美味しそう。都会と田舎での生活は流れている時間が違ってみえて都会のキラキラとは違う田舎の自然いっぱいのキレイな情景が思い浮かぶ。辛い時は逃げてもいいんだよと思わせてくれる優しい物語でした。
Posted by ブクログ
胃袋をガッツリつかまれた!と思っていたら、登場人物たちも、同じように胃袋つかまれたエピソードがでてきて…やっぱそうだよな。
大三おじいちゃんの料理の腕前が凄くて、食欲をそそられる。っていうか、おじいちゃん80歳なのに男前すぎる。見た目とかじゃなくて、中身から滲みでてくる渋さだったり、人間力だったり。あぁ、こんなおじいちゃんになりたいな、と思わせるカッコいい人。
そして金言の数々。心を打つ台詞は全部メモった。胸に刻みます。
都会で傷ついた主人公エミリが、田舎で再生していく物語。構成もとてもいい。プロローグと本編の対比、エピローグの伏線回収。清々しさと切なさを感じさせる読後感。
めっちゃ癒し系で、著者ならではの優しい作品だった。風景描写や空気感にも癒された。凛。
Posted by ブクログ
私の浅はかな予想を、いい意味で裏切った展開をしてくれてよかった。
じんわり心が癒やされるお話。
あっという間に読み終えてしまったけど、ふとした瞬間にあのおじいちゃんに会いたくなって、また読み返すと思う
Posted by ブクログ
恋人だと思っていた相手が既婚者だった。
職場の同僚に悪い噂をばらまかれ、自分を見失ってしまったエミリ。
龍浦漁港の大三おじいちゃんの所へ半ば逃げ込むように訪れ、おじいちゃんとの生活が始まる。
おじいちゃんに教えてもらいながら作る新鮮な魚料理。
大自然の中、風や雨や太陽や海を全身で受け止めながら自分自身を取り戻していく。
おじいちゃんの
「自分の存在価値と、自分の人生の価値は他人に判断させちゃだめだよ」の言葉に私も思わず涙がこぼれてしまった。
「心=裏=浦=美しいもの」にも納得。
龍浦漁港や、直斗がサーフィンをしている海の近くの喫茶店、心平と乗ったブランコ、他の森沢作品で出てきた風景だ。
「凜」、「ざわざわ」
大好きな森沢ワード満載で心が温かくなった。
Posted by ブクログ
表紙のほのぼのとした絵が気に入って購入。
不倫の末に職場に妻が乗り込んできて修羅場、みんなにバレて鬱になり仕事も住む家もなくなった25歳のエミリ。両親はいるが、離婚していて父親は新しい家族と幸せに暮らしているし、母親は自由奔放で男をとっかえひっかえして今は年下の恋人と暮らしている。頼れるのは15年会っていない田舎の海辺に住む母方の祖父の家しかなく、祖父との生活が始まる。生きることに失望したエミリの心を、毎日をきちんと真面目に正しく淡々と暮らす祖父の手料理と、田舎町の心の優しい人たちが徐々に癒やしてくれる。
噂好きなおばさんたちや、毒吐きの元親友もいて悩むエミリだったけど、その人たちとの縁を切ることで自分の居場所を見つける。
都会で男に騙され傷つき、田舎の生活で心癒され再生していく、というあまりにもベタすぎるストーリー展開だったので途中で読むのをやめようと思ったけれど、最後まで読んでよかった。(素直に感動できない私の心が汚れてるのかなぁと反省)
人は人で癒される。
苦手な人からは離れる。
自分の価値を他人に決めさせない。
衣食住を大切にする。
心洗われる読後感でした。
Posted by ブクログ
仕事もお金も居場所も失った主人公のエミリが、15年ぶりに再会した祖父との暮らしを通して心の再生をしていく物語。
エミリと大三おじいちゃんが自然と距離を縮めていく姿がとても素敵でした。口数は少ないけど大きな愛を持ったおじいちゃんは広い海のような人。おじいちゃん自身の経験から紡ぎ出された「自分の存在価値と人生の価値は他人に判断させてはダメ」、「自分自身を自由に動かせるのは、唯一、自分だけ」という言葉は、心に響きました。
森沢明夫さんの作品は初めて読みましたが、海辺の田舎の情景や登場人物の心情が丁寧に描かれてていて、物語の世界に没入してしまいました。別の作品も読んでみたいです。
Posted by ブクログ
私は『おいしくて泣くとき』を先に読んでからの本作でした。読み進めるうちに「高梨?」「龍浦漁港?」と『おいしくて〜』を思い出すワードが次々と…。『おいしくて〜』で夕花たちが雨宿りしていた時に響いたカン、カンという音は、エミリのじいちゃんが風鈴を作っていた音なんですね。お互い気付いてはいないけど、あの時、あの場所で2つの物語が同時に流れていたと思うと、なんだか糾える縄の如しというか(ちと違うか 笑)、不思議な気持ちになりました。そういえば、リアルでもそうですよね。自分が気付いていないだけで、人の数だけその人の生活が、同時に流れているんですよね。本作を越えたところにある伏線を楽しめた作品でした。次に出会う森沢作品も楽しみです。
Posted by ブクログ
とてもよかったです。
おじいちゃんの作る魚料理はどれも美味しそうで、食べてみたくなりました。
そして、口数の少ないおじいちゃんの言葉は、どれも名言でした。
残しておきたいフレーズがたくさん。
傷ついた人、疲れた人、悩んでいる人は、読んで癒される小説です。
Posted by ブクログ
『人の噂という毒は強靭で、しかもそれを打ち消す血清がない』の一文にぐさりときましたが、随所に出てくる『凛。凛。』の音に癒されました。
おじいさんの無骨な愛が沁み入る…。
そして、おなかがすきます。
Posted by ブクログ
この街に行きたい、大三さんに会いたい。大三さんの人望の厚さがよく伝わる。目の前に情景がはっきりと現れる。美味しそうなご飯の描写、大三さんのウィットに富んだ語り、面白かったというより…ごちそうさま。
Posted by ブクログ
考えてみれば、人生は一度きりなのだから、誰しも、あらゆることが初めてのことだらけで、だからうまくいかないことも、失敗もあるし、傷ついたり傷つけたり、悩んだり落ち込んだりの連続なのだと思う。
だけど、できるだけいい気分でいたい。いい気分でいられるためには、自分の心が大事だ。
自分の機嫌は自分でとる。どこかで聞いたことのあるフレーズで、今まではあまり好きになれない言葉だったけれど、
おじいちゃんや、心平さんが、エミリに語った言葉たちから、そんなことを考えた。