森沢明夫のレビュー一覧
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恋人だと思っていた相手が既婚者だった。
職場の同僚に悪い噂をばらまかれ、自分を見失ってしまったエミリ。
龍浦漁港の大三おじいちゃんの所へ半ば逃げ込むように訪れ、おじいちゃんとの生活が始まる。
おじいちゃんに教えてもらいながら作る新鮮な魚料理。
大自然の中、風や雨や太陽や海を全身で受け止めながら自分自身を取り戻していく。
おじいちゃんの
「自分の存在価値と、自分の人生の価値は他人に判断させちゃだめだよ」の言葉に私も思わず涙がこぼれてしまった。
「心=裏=浦=美しいもの」にも納得。
龍浦漁港や、直斗がサーフィンをしている海の近くの喫茶店、心平と乗ったブランコ、他の森沢作品で出て -
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感想
穏やかな温かい作品。ほっと一息つける。
最後は全てが上手く行くけどこの終わり方も良い。
あらすじ
翔平は絵里さんが経営するキッチン風見鶏でバイトをしながら、漫画家を目指している。自信があった作品も落選し、落ち込んでるところを絵里さんのプロファイルに見破られてしまった。
絵里も母親が抗がん剤治療を辞めると言われて悩んでいた。
絵里に惚れている手島という男性。妹夫婦が亡くなり、忘形見の子供を養子にして、母親と育てている。
守護霊が見える占い師の寿々。ふとしたことでキッチン風見鶏を訪れ、こちらも霊感がある翔平と出会う。二人は霊が見えることを隠しつつ、お互いに惹かれていく。
翔平と -
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海辺の町の鄙びた商店街にある「江戸前夕凪寿司」は、元大将・江戸川伊助の跡を継ぎ孫娘のさやかが今は大将となり、お客さんの心を穏やかにさせ、最高に美味しいお寿司を握っている。
常連客も訳アリ客にも丁寧な「仕事」をするさやかに皆んなが癒され、また来ようと思える。
癒されて、涙も…(特に三章)
第一章 ハンバーグの石
母の納骨を済ませた作田まひろが、幼い頃に訪れた寿司店にやってきたものの…優しい雰囲気の大将とは正反対のクールで目力の強い店員の未來にビビって…。
第二章 自転車デート
常連さんたちとまひろの歓迎会の最中、入ってきた成金風の男にギャフンと言わせたのは、常連客みんなの思い。
第三章 -
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装画のお寿司はもちろん、文中に出てくるお寿司がどれもおいしそうでした。まわらないお寿司屋さんは、なかなか敷居が高いので、こんな感じのお寿司屋さんがあればいいなと思いつつ読み進めました。
海辺の町のお寿司屋さんは、やっぱり優しい人達が集う場所でした。幼いときから心に傷を抱えていたまひろを受け入れてくれたのは、江戸前夕凪寿司の人達、そして常連さん。大将のさやかさんのほわっとした感じ、祖父の伊助さんの自然体の姿に、本当に実力のある人は、いい感じに力が抜けた人だと思いました。
成金ウメちゃんの出来事は、最後に胸がスーッとしました。知ったかぶりと偏見で自分を大きく見せたがる人って、いますから。こうい -
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表紙のほのぼのとした絵が気に入って購入。
不倫の末に職場に妻が乗り込んできて修羅場、みんなにバレて鬱になり仕事も住む家もなくなった25歳のエミリ。両親はいるが、離婚していて父親は新しい家族と幸せに暮らしているし、母親は自由奔放で男をとっかえひっかえして今は年下の恋人と暮らしている。頼れるのは15年会っていない田舎の海辺に住む母方の祖父の家しかなく、祖父との生活が始まる。生きることに失望したエミリの心を、毎日をきちんと真面目に正しく淡々と暮らす祖父の手料理と、田舎町の心の優しい人たちが徐々に癒やしてくれる。
噂好きなおばさんたちや、毒吐きの元親友もいて悩むエミリだったけど、その人たちとの縁を切 -
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久しぶりの森沢明夫さん。
やはり文体の読みやすさと、脳内混乱を避けてくれる読者への配慮はピカイチ!
『桜が散っても』
森沢文学の真髄!珠玉の家族小説と謳われていますが、私にはそれ以上に、相当重くて辛いお話だった。
理想的な家族が、ある事故をキッカケに、元の関係に戻れなくなってしまう。
誰の目線でこの物語をみればいいんだろう・・・
忠彦、麻美、建斗、里奈
各章には家族一人一人の想いが詰まっているが、
それぞれの想いが痛い程に伝わって来て、
やり場がなく鬱々とした気持ちが膨らみ辛く切ない。
人生を自らの意志で変えた忠彦の生き方は、他人が、どう評価出来るものでもないのかもしれない。
ただ、 -
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幼稚園教諭の夏美と、写真家志望の大学生慎吾。
恋人同士の二人がツーリング途中で立ち寄った山奥の懐かしい造りの店「たけ屋」には、”ヤスばあちゃん" "地蔵さん”と呼ばれる母子が、ひっそりと暮らしていました。
夏休み、慎吾の卒業制作を撮るために二人は「たけ屋」の離れに泊まり込み、村人たちと親交を深めていきます。
川で見る無数の蛍の幻想的な美しさに圧倒されて、次々とシャッターを切る慎吾。
地蔵さんが教えてくれた川遊びのシーンが清らかで美しく、心に残ります。
物語中に何度も出てくる風鈴の鳴る音に、「凛」という文字が使われていました。
凛、凛……。
まるで本の間からほんとうに聞