森沢明夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
百年前 不器用に暮らしながらも仲間に愛されていた屋台引きの蕎麦屋に 子供が出来たとわかった時 貧しい暮らしに不似合いな豪華な螺鈿の小引き出しを贈られる すべて手作りの時代 幼な馴染みが仕事で漆塗りの生活雑器を作る傍ら 時間をかけて作ってくれたのだろう 情の深さが伝わってくる 贈り主いわく 「いや お前にやるんじゃない そのお腹の子の孫にやるんだ」 短い話し言葉の中で 100年の年月を感じさせて 心に残るシーン
今回は津軽3部作だという設定を知らずに 完全に逆コースで3冊の本を読んでしまったが この4代目のお姉さんが 頭の回転が速く 男性陣とちがって小気味のいい話ぶりで最後には・・・(最後の本 -
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心が安らぐ小さな田舎のお話
読むだけで優しい気持ちになれるし、心も安らぐ。
疲れた私には結構じんわりと染み込んでくるものがあった。
ささくれだった心が少しは洗われると同時に、自分の生き方を振り返ることも出来た。
もちろんフィクションなんで、こんな綺麗で眩しいほどの奇跡の話なんてないけれど、そこに描かれたメッセージは、すべての人に等しく優しく響くと思う。 -
Posted by ブクログ
先に読んだ本、「ライアの祈り」に明るく魅力的な女性が登場しました。名前は大森桃花。この人がこの本でもうまく脇を固めていた。
カーリングなんて全く興味はなかったけれど この冬にはカーリングの試合を興味深く観戦すると思う。若者を中心に生き生きと浮き沈みが描かれている。桃花さんが最初に登場した「津軽百年食堂」をもう一度読んでみたい。
この「津軽100年食堂」 「青森ドロップキッカーズ」 「ライアの祈り」は 青森三部作として、最初から意識して書かれた本だそうで 一人の女性を絡ませながら 時代を超えてつながっていく物語。もうどっぷり森沢明夫のファンになりました -
Posted by ブクログ
縄文文化にのめりこんで恋には晩稲の考古学者と 彼にひかれながら発掘の魅力に目覚める女性が 呑み歩き・食べ歩きしながら恋を育てていく 二人の会話が気持ちよく もう一度弘前に行ってみたくなった 今度は桜の季節に・・・
彼らと並行して描写される縄文時代の人々の暮らしぶりも生き生きと描かれている驚いたことに広い地球には今もそういう暮らしを続けている人たちが居るそうで この考古学者が調査に出かけ 縄文人の暮らしとこの物語が自然な形でつながる おかげで百年どころではすまない時代の奥行きが感じられ とても魅力的な本になっている
ところでこの女性が昔はカーリングにはまっていたという 「青森ドロップキ -
Posted by ブクログ
いきなりハードシーンで、この物語はどこへ進むのか心配になったけど、そこはやはり森沢作品。感動の波で溺れそうになりました(笑)。祖父母との決別は描かれていませんが、随所に見られるミーコのトラウマ、老い先短かい祖父母が下した苦しい決断を考えると想像に難くない。でも最後の最後で厚い氷が解けていく様にほっと胸を撫で下ろした。おかげで森沢作品の中でもお気に入りの一冊となりました。おススメ。そして最後にミーコとチーコが幸せでありますようにと願ってやまない!!
あらすじ(裏表紙より)
ミーコは、風俗と福祉の仕事を両立しながら娘のチーコを育てるシングルマザーだ。幼い頃に両親に見捨てられ、躾の厳しい祖母との関係