森沢明夫のレビュー一覧
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購入済み
心が安らぐ小さな田舎のお話
読むだけで優しい気持ちになれるし、心も安らぐ。
疲れた私には結構じんわりと染み込んでくるものがあった。
ささくれだった心が少しは洗われると同時に、自分の生き方を振り返ることも出来た。
もちろんフィクションなんで、こんな綺麗で眩しいほどの奇跡の話なんてないけれど、そこに描かれたメッセージは、すべての人に等しく優しく響くと思う。 -
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いきなりハードシーンで、この物語はどこへ進むのか心配になったけど、そこはやはり森沢作品。感動の波で溺れそうになりました(笑)。祖父母との決別は描かれていませんが、随所に見られるミーコのトラウマ、老い先短かい祖父母が下した苦しい決断を考えると想像に難くない。でも最後の最後で厚い氷が解けていく様にほっと胸を撫で下ろした。おかげで森沢作品の中でもお気に入りの一冊となりました。おススメ。そして最後にミーコとチーコが幸せでありますようにと願ってやまない!!
あらすじ(裏表紙より)
ミーコは、風俗と福祉の仕事を両立しながら娘のチーコを育てるシングルマザーだ。幼い頃に両親に見捨てられ、躾の厳しい祖母との関係に苦しんだ過去を持つ。苦労の絶えないミーコだが、彼女の特技は、毎日一つ、小さく光る宝物を見つけること。ミーコの宝箱に入っている、一番大切な宝物とは…。一人の女性の半生を通して、母と子、人と人の絆を温かく描き出す。 -
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ネタバレ瑞々しいストーリー。
人間だもん、言いたくないこと、自分に不利なことを隠したいって気持ちはどうしてもあるし、嘘をつくことへの罪悪感も分かる。
でも島で育った5人、たくましく思いやりに溢れた大人になってゆく。
ここからは私の偏見ですがー
拓海は東京のアパートで気分を変えるべく、好きな歌、スピッツの「ありふれた人生」の鼻唄を歌った。気分が落ち込んでどうにもならない時のスピッツはものすごい効果を持っているのよね。とても心が疲れてしまったとしても、スピッツに癒してもらって明日を迎える自助努力が出来る拓海くんの強さを感じさせてくれる。
この「ありふれた人生」は「スーベニア」というアルバムに収録されているが、このアルバムはジャケットからして海亀だし、「ナンプラー日和」という南国(沖縄)テイストの曲も収録されている。拓海くんがこのアルバムを気に入って聴いていたのだろうと妄想した。 -
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しみじみと、良い本を読んだなーという気持ち。
『あなたへ』『本が紡いだ五つの奇跡』は、どちらもめちゃくちゃ泣いたけれど、今回の本は、静かにじんわり。
夢が持つ力強さと、同時に人を縛るような拘束力。
夢を持つこと、追うこと、諦めること、誰かの夢を背負うこと。
そんなことを、それぞれの物語を通して考えさせられた。
派手に心を揺さぶられるわけではないけれど、読み終わったあとに、静かな余韻が残る一冊。
ただ、正直に言えば、少し物足りなさもあったかな。
もう少し心を揺さぶられたかった、というのが本音。
それでも、しみじみと「良い本だったな」と思える一冊だった。 -
Posted by ブクログ
青森三部作の二作目です。カーリングにかける友情と青春の爽やかな物語でした。
主人公は二人立て。一人は中学三年生の少年。中学一年の頃からいじめに遭い始め、毎日何も楽しみのない生活をしていた彼は、ある日カーリングというスポーツに出会う。四人一組で、チームワークと戦略によって特典を競い合う、氷上のチェスとも言われる頭も体力も使う競技だ。初心者向けの無料体験コースを終える頃には、彼はいじめられて縮こまるだけの少年ではなくなっていた。カーリングとの出会いは、彼を素直で元気だった頃の時分に立ち返らせ、現実と向き合う強さに繋がっていく。もう一人の主人公は、全日本選手権での優勝を目指す女性カーラー。チームメイトとの不和や自責の念から一時期はアイスの上にも乗れなくなってしまうが、ひたむきな少年の熱意に動かされ、『青森ドロップキッカーズ』として再びアイスに戻っていく。
前作、『津軽百年食堂』と今作は青森三部作と呼ばれる作品群の一つだと後書きから知り、折角なので続けて手を出してみることにしました。前作はあたたかな恋と家族と周囲からの愛を感じさせられる一作でした。今作は一転、青春スポーツ小説という感じです。題材がカーリングという、私にはあまり馴染みのない競技ではありましたが、以前冬季オリンピックで見た試合の様子を思い出しながら、丁寧に書かれた競技の説明を読んでいました。初心者の主人公がカーリングを覚えていく過程で、ルールを知らない人でもカーリングがどんな競技でどういうものなのかを自然とレクチャーしてもらえるので、抵抗感なく競技の雰囲気を味わうことができます。スポーツ小説としても面白かったです。
いじめられっ子の宏海が、カーリングとの出会いを通して生き生きと自分の人生を楽しめるようになっていくのが微笑ましく、前半のしゅんとした性格の彼が明るく快活な少年になっていくのが嬉しかったです。大好きだったおばあちゃんの言葉を大切にしていて、四葉のクローバーを一枚ずつみんなに分けて、一葉のクローバー四人で四葉のクローバーになるところなど、素敵な発想だなあと思いました。
けれど、いじめの描写は辛かったです。学校の先生は全く気付いていないなんてことはないと思います…。暴行も脅迫も窃盗も全て犯罪です。幸いにして大怪我にはならなかったようですが、殴る蹴るだけでも人間は死に至ることもあります。彼が帰宅した後の家族の動揺を思うと、やるせないです。
女性側の主人公、柚果もなかなかに悩みが深く、辛い描写も多かったですが、前を向いて歩き出す強さを持った女性だと感じました。そして、支えてくれる周りのあたたかさを感じられるお話でした。
カーリングと仲間との友情と青春を感じられる良作でした。