森沢明夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
幼く淡い恋と、奇跡のような再会の物語です。
主人公は中学生の心也、夕花、そして夫婦でカフェレストランを営むゆり子の三人。心也は小学生の頃に母を亡くして、大衆食堂を営んでいる父と二人暮らしをしている。その食堂では子ども食堂の活動をしていて、家庭などに事情のある子どもたちが時々食事を食べにくる。幼馴染の夕花もその一人で、心也は彼女に淡い恋をしていた。けれど、夏休みのある日、夕花の家庭の状況を知ってしまう。義理の父に暴力を振るわれボロボロになった夕花を連れて逃げた心也は、夕花に遠くへ行きたいと言われて海へ連れて行くのだが。
複雑な家庭事情と、全くの子どもではないのに大人にはとても届かない中 -
Posted by ブクログ
森沢氏らしい、ほっこりするお話。
さよならドビュッシー、護られなかった者たちへ、と少し苦しくなるお話を続けて読んだので、ほっこり系を求めてヒカルの卵。
舞台は超ど田舎のどこかの集落。方言がなんとなく親戚のおじさんみたいでさらにほっこり。「〜すっど。」みたいな笑 あとがきに兵庫県但馬市のどこかがモデルって書いてあったから本当に近そう。
ムーさんのように平和ボケではあるけど、集落のみんなの幸せを願って人生をかけて行動できる人がいて、その無謀さを笑いながらもしっかり裏で支える親友たちがいて、とても素敵な人間関係。羨ましかった。
儲かってきて、村の人の妬みとかが出てきた時、どうなることかと思ったけ -
Posted by ブクログ
2023.6.5
★3.6
身長2メートル超のマッチョなオカマ・ゴンママ。
昼はジムで体を鍛え、夜はジム仲間が通うスナックを営む。名物は悩みに合わせた特別なカクテル。励ましの言葉を添えることも忘れない。いつもは明るいゴンママだが、突如独りで生きる不安に襲われる。その時、ゴンママを救ったのは、過去に人を励ました際の自分の言葉だった。笑って泣ける人情小
説。
登場する人みんな個性的で面白くて優しくてユーモアに溢れた人ばかり。だけど、人知れず悩みを抱えていて、ゴンママが紡ぐ言葉とかおりちゃんが作るカクテルとその意味で光の方へ導いてくれるお話。
歯科医の四海さんのお話は目頭も心も熱くなってでも最後 -
Posted by ブクログ
2023.4.25
★3.6
海辺の岬にある小さな喫茶店を舞台に、店主の悦子が、訪れる客一人ひとりに寄り添い、静かに話を聞きながら、その人の一曲をBGMに美味しいコーヒーを淹れてくれる。悩みや後悔、悲しみを抱えた人たち。人生に迷い、立ち止まってしまった人々が、この喫茶店での出会いや出来事を通して少しずつ前を向いていく。
妻を40歳になったばかりで、亡くした一人娘を育てている男性。
就職活動が上手くいかない大学生。
こっそり入ってきた五十路の泥棒まで。
色々な悩みを抱えた人が、少しずつ変わっていく様子が、とても優しくて、心が落ち着く。
ラスト、虹見れて良かったなあ。
#さとの本棚 -
Posted by ブクログ
もしかして本って、人との関係性を変えたり、誰かの人生を変えるきっかけになったりするのかもしれないと思えた一冊。
自分の手元に渡った本は、実は何か奇跡が起こった結果なのかもしれない。
そう思える温かい物語だった。
絵描きになるかを迷っている健太郎に父親が、画家になるとか才能は二の次で、なるべく好きなことをたくさんやってわくわくする気持ちをたくさん味わえばいいんじゃないか?とアドバイスしたところが素敵だった。
作中の読者たちが鳥肌が立つと言った「人生は雨宿りする場所じゃない」はそんなにピンと来なかったけど、
「幸せなんていくら逃げても構わないよ。命さえあればそんなものいつだって取り戻せるんだか