森沢明夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“心の故郷”という言葉には少し身構えていたのですが、子どもの頃に祖父母の家で田んぼや畑で遊んだ記憶がふっと浮かびました。ばあちゃんが作ってくれた野菜の天ぷらがとても好きでした。
物語は大きな事件が起きるわけではないのに、登場人物たちの穏やかなやり取りや、山里の空気感がじんわり沁みてきます。
年老いた母と息子の静かな暮らしは、どこか寂しさを含んでいるようにも思えるのに、二人の佇まいには不思議と温かさがありました。そんな日常に、たまたま訪れた若いカップルとの出会いが小さな変化をもたらす。そのささやかな出来事が、読んでいるこちらにも優しい余韻を残します。
うまく言葉にできないのですが、読み終えた -
Posted by ブクログ
「水曜日郵便局」
水曜日の出来事を綴った手紙を水曜日郵便局に送ると、見知らぬ誰かの水曜日の手紙が届くという。
主婦の井村直美は、ストレスを抱えて毎日を過ごしている。
日記帳に向かって毒を吐き続ける日々から逃れたい。
友人の伊織から教えられた「水曜日郵便局」を思い出し、パン屋のオーナーになるという夢を持っていた直美は空想の手紙を書く。
「絵本作家」になる夢を持ちながら会社勤めをしていた今井洋輝も、婚約者が言っていた「水曜日郵便局」のことを思い出し、噓いつわりなく手紙を綴ってみた。
それぞれが自分なりの幸せを見つけられるように言葉に表した二つの手紙が交差し、未来が変わり始めます。
これまで会 -
Posted by ブクログ
ネタバレ物語の語り手である二人の成長を描いた青春小説で、爽快な読後感を味わうことができました。
好きな子がいるのに年上の女性に見惚れたり、いじめを受ける現実から逃れようと空想に耽る宏海は、リアリティのあるキャラクターでありながら、どこか頼りない雰囲気の男の子でした。
ですが、カーリングに真剣に取り組むことで根性を身につけ、やがていじめに抵抗します。
終盤では快活な性格の少年へと成長し、かつていじめを受けていた陰鬱な面影はどこにも見当たらなくなりました。
もう一人の語り手である柚香は、かつてのチームメイトから向けられた嫌悪や、今のチームメイトを十分に信頼できなかったことへの罪悪感、そしてトップチー