あらすじ
写真家志望の大学生・慎吾。卒業制作間近、彼女と出かけた山里で、古びたよろず屋を見付ける。そこでひっそりと暮らす母子に温かく迎え入れられ、夏休みの間、彼らと共に過ごすことに……。心の故郷の物語。
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Posted by ブクログ
登場する誰も、悪い人はいなくて、でもみんな人間くさくて、好きな作品です。
先日発行された「ハレーション」に、夏美のホタルの彼氏だった慎吾くんのその後が…と森沢明夫さんがご自身のインスタでおっしゃっていたので、ハレーションを読む前に、再読しました。
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日本の夏の原風景を感じる温かさがしました。自分の子供の頃はこんな風景でしたが、今はもう失われつつあるんですよね。なんか、発展とともに失われていくものもあるんだとこの小説読んで感じました。
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読後感が良すぎて言葉が出てこないくらい
素敵な本だった。
たくさんのシーンで涙して、たくさんのシーンで笑顔になった。
季節の移り変わりも風鈴の音も、実際に好みで体験しているかのように鮮明に感じられて、私自身の思い出にもなったような気がする。
エピローグまで読んでからプロローグに戻るの好きで
この本は特に、それをしてよかったと思った。
生まれてきてくれてありがとう
親子のみならず
大切にしたいね。
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本で読んでオーディブルでも聴きました。
どっちも良かった。
小説はいつも寝る前に心を落ち着けるために読んでいるが、心が温かくなって穏やかな気持ちで眠れる。
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田舎で出会った老人宅に、夏の間居候させてもらうカメラマンを目指す大学生と保育士カップルのお話
以下、公式のあらすじ
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写真家志望の大学生・慎吾。卒業制作間近、彼女と出かけた山里で、古びたよろず屋を見付ける。そこでひっそりと暮らす母子に温かく迎え入れられ、夏休みの間、彼らと共に過ごすことに……。心の故郷の物語。
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夏美の運転でタンデムでツーリング中にトイレを貸してもらった山間の雑貨屋 たけ屋
そこはヤスばあちゃんと息子の地蔵さんのお店
気さくな二人の成すままに自然の体験をする相羽慎吾と河合夏美
写真についてスランプだった慎吾はその光景を写真に写し、卒業制作のため、ひと夏を二人でここに住まわせてもらう事にする
ていく。
近所に住む子供達 拓也、ひとみ 、気難しそうな仏師の雲月さんなどとの交流もあり、人生の様々な岐路としての経験を得る
地蔵さんの本名である恵三の話がよかった
親から子への贈り物
三つの恵
この世に生まれてくる喜び、親に愛される喜び、伴侶と一緒に子供の幸せな姿を見る喜び
自分の子供に産まれてきてくれてありがとうという言葉
一つ目と二つ目はわかるけど、三つ目は達成できてないなぁ
元妻と別れてからも、上の子はちょくちょく合っているけど、下の子はほとんど会えてないわけで
幸せでいてくれればいいんだけど……
「人間ってのは、何かと何かを比べたときに、いつも錯覚を起こすんだって。だから、自分と他人を比べない方がいいって」
「他人と比べちゃうとさ、自分に足りないものばかりに目がいっちゃって、満ち足りているもののことを忘れちゃうんだってさ」
他人と比べないというのはある程度はできていると思う
上を見ればきりがないし
かといって、自分で勝手に下と思っているのを見ても自分とは違う環境なわけで意味がない
やはり、今の自分がどう足りた生活ができているか、そのためにどうするかを考えた方がいいと思うよ
あと、「才能ってのはな、覚悟のことだ」という雲月さんの言葉
まぁ、それが全てではないけど、楽しむ心、諦めない気持ち、挑戦し続ける気概もある意味で才能だと思う
センスという意味合いの才能とは別に、そこにどっぷりと浸かる方面の才能もあるよね
総じて、悪い人が出てこない話は読んでいて穏やかな気持ちになる
そして、あとがきによると、著者の実体験を元にしたフィクションらしい
ヤスばあちゃんや地蔵さんのような人が実際にいるかと思うと、やはり心穏やかになるなぁ
Posted by ブクログ
とてもハートフルな作品だと思います。
温かい気持ちになりました。
私もこんな夏休みを過ごしてみたいと思いました。
最後、癖のある仏師・雲月が、写真家志望の大学生・慎吾にするアドバイスがとても素敵だと思いました。
Posted by ブクログ
時に躍動、時に静寂な大人の夏休み。じわじわ頭の中にストーリー、景色、感情が沁みる。ホタル、たんぽぽ、色々なキーワードあったが、軒下の風鈴が彼女達をずっと見守ってくれているようで優しい。
Posted by ブクログ
拓也とひとみの最初の登場シーンで、可愛いなと感じてしまった。
最初は雲月のこと感じの悪い人と思ってたけど、可愛いとこもあり、カッコいいなと感じた。
心温まる物語だった
Posted by ブクログ
本当に素敵な話だった…
ボロボロ泣きました。
地蔵さんの危篤の場面はつらすぎて、何度も本を閉じました。
悲しい場面もありますが
地蔵さん、ヤスばあちゃんをはじめ登場人物の優しさや、心の温かさ、そして田舎のきれいな風景が胸に残りました。
あたたかい気持ちになれる一冊です✩
Posted by ブクログ
「プロだけが知っている小説の書き方」著者の小説。
小説を書いてみたいなぁと思いながら書籍を調べていたら
森沢明夫さんに出会い、まずは彼の小説を読んでみようと
思い立ったのがきっかけでした。
そしたら冒頭から引き込まれました。
読み終わった後に、また冒頭を読み返したくなる。
ストーリーを楽しんでいる間は涙腺管理が大変でした。
電車内で泣くわけにいかないと必死でした。
悲痛な思いをする場面もありますが、全体的に暖かい温度で楽しめました。
人の温かさというより、ぬくもりが伝わるといった方が
適切だと思う作品でした。
他の森沢明夫さんの作品も読みたいと思いました。
Posted by ブクログ
バイクのエンジン音
竹林から吹く優しい風
軒下の錆びた風鈴の音
ホタルブクロに入れた蛍の幻想的な光
ぬるま湯みたいな夏の雨
夏の雨後の強い木漏れ日
早起きの蝉たちの合唱
パイナップル色に染まる夕陽の空
たんぽぽと恵三。
登場する人物達の暖かくて優しい物語が「光」「蛍」「夏」「涙」「心」「願」「命」「凛」こうした言葉達に込められていて、見た事も行ったこともないその景色達が胸の奥にしみわたる。
途中何度も物語の中へ吸い込まれ、優しい言葉たちに何度も何度も涙が浮かんでいた。
心温まるストーリーと胸に響く読後感でした。
たくさんの人に読んで欲しいと思います。
おすすめです。
Posted by ブクログ
あけましておめでとうございます。
そして、新年初泣き。
今年初めて読んだ本がこれでよかった···
温かく、優しい物語。
このお話を読んだ人ならば、
おそらくここで泣くでしょうね···
というポイントで、
私は大号泣の嗚咽が出てしまいました。
だめだよぅ、これは(TT)
そして
頭の中に広がるのは
圧倒的な自然の映像。
自然の本来の姿を
観せてもらえた感じ。
映画を観たかのような読後感なのでした。
まめたカチカチパスタさん、
ありがとうございます♡
Posted by ブクログ
物語に登場する恵三さん(渾名は地蔵さん)の名前には、三つの恩恵があるようにという意味が込められている。
最初のひとつは、この世に生まれてくる喜び。
ふたつ目は、親に愛される喜び。
三つ目は、伴侶と一緒に子供の幸せな姿を見る喜びだそうだ。
恵三さんが言うには、人間は、何かと何かを比べたときに、いつも錯覚を起こす。だから、自分と他人をあまり比べない方が良い。他人と比べると、自分に足りないものばかりに目がいっちゃって満ち足りているもののことを忘れてしまうのだそうだ。
この物語の中で、「憶う」という表現がよく出てくる。「思う」でもなく「 想う」でもない。誰かを憶いだすとか追想する意味あいで使われているが、光っている表現だなぁと思う。
Posted by ブクログ
超絶オススメ作品です。
心にじんわりと温かさが広がる、そんな作品。
人と人とのあたたかさを感じ
本当に素敵な作品です。
特に、作者のあとがきで、この物語が実体験に基づいていると知って、より一層作品への共感が深まりました。読後には、大切なものに気づかされる、そんな優しい気持ちに包まれました。
いい人しか出てこなくて自分の心まで綺麗になったみたい。実話に基づいてるというのがいい。田舎でみんなで遊んだり生活した過去があるから恵三さんもヤスばあちゃんも亡くなったの悲しすぎた。でもラストでまた感動。愛にあふれたお話だった。
心が安らぐ小さな田舎のお話
読むだけで優しい気持ちになれるし、心も安らぐ。
疲れた私には結構じんわりと染み込んでくるものがあった。
ささくれだった心が少しは洗われると同時に、自分の生き方を振り返ることも出来た。
もちろんフィクションなんで、こんな綺麗で眩しいほどの奇跡の話なんてないけれど、そこに描かれたメッセージは、すべての人に等しく優しく響くと思う。
Posted by ブクログ
夏の終わりの夜に読むにはうってつけの本だと読みながらに思った。今の日本ではめっきり見る機会が減った懐かしさ・郷愁をひしひしと感じられた。実際に体験したことはないけど、記憶の奥底からこの本の描写が呼び覚まされる。
登場人物に全く無駄がないから、とても読みやすく、縁や交流の温かさに存分に触れることができた。
Posted by ブクログ
夏の終わりにぴったりな一冊。自然の美しさ、季節の移ろい、人の温かさまでもが言葉で感じられた。キラキラした日常から、生きていると必ずしも通る悲しみ別れ。そして新たな出会い。物語でありながらも自分自身の生き方を見直すきっかけにもなりそう。涙なしでは読めないし、大好きな一冊になったけれどもしばらくは読み返したくない、そんな気持ち。しばらく本から離れていたけれど、(読書)の良さを思い出させてくれました。とっても素敵な一冊に感謝。
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「夏」っていう雰囲気を感じられる良い本だった。
出てくる人物全員が暖かい人で安心して読めた。
自分の名前がそんなに好きじゃないので余計に「名前は親から貰った形見」っていうのが特に心に刺さった。
増田貴久のhanamiもそんなこと言ってたな。
雰囲気の描写から匂いや色を鮮明に感じられる、いい風を常に浴びているような気持ちのいい本。
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幼稚園教諭の夏美と、写真家志望の大学生慎吾。
恋人同士の二人がツーリング途中で立ち寄った山奥の懐かしい造りの店「たけ屋」には、”ヤスばあちゃん" "地蔵さん”と呼ばれる母子が、ひっそりと暮らしていました。
夏休み、慎吾の卒業制作を撮るために二人は「たけ屋」の離れに泊まり込み、村人たちと親交を深めていきます。
川で見る無数の蛍の幻想的な美しさに圧倒されて、次々とシャッターを切る慎吾。
地蔵さんが教えてくれた川遊びのシーンが清らかで美しく、心に残ります。
物語中に何度も出てくる風鈴の鳴る音に、「凛」という文字が使われていました。
凛、凛……。
まるで本の間からほんとうに聞こえてくるかのようです。
「生まれてきてくれてありがとう」
なかなか言えないけれど、子どもに伝えるべき言葉はまさにこれなんですよね。
人の温もりと命の継承についても教えてくれる、優しさに満ち溢れた物語です。
Posted by ブクログ
自分にはいわゆる「田舎」というものがないけど、こんな「田舎」があったら帰りたくなるだろうなぁとおもいました。
ヤスばあちゃんと地蔵さんの温かさに触れ、美しい自然描写に癒されました。
別れはもちろん悲しいものではあるけれど、それをきっかけに新しい出会いがあったり、途切れていたものが繋がったりすることもありますよね。
Posted by ブクログ
この作者ハマりそうです。なんといってもどの作品もキャラクターが抜群に良い。田舎の夏ならではの自然の描写もとても素敵。大学生の時こんな体験できたら楽しそうだな〜と思いながら読めた。
読書ではあまり泣かない方ですが途中は泣いてしまった。親子の繋がりと、また近所の人など血の繋がりが無くても人と人との繋がりの大切さをよく描けている作品。
「人と比べると錯覚を起こす」「他人と比べちゃうとき、自分に足りないものばかりに目がいっちゃって、満ち足りているもののことを忘れちゃう」
これは今の私にすごく響く言葉で、これからも大切にしたい。
ここから先が星を一つ減らした理由ですが、、
「三つの恩恵」は、まだ子どもがいない私と多様性な今の時代には少し重いと感じてしまった。
昔と違って今は色々な形の家族があり、個人的には子どもを持たないことも一つの選択だと思っている。
そのため、あくまで自分達の意思で産んだ子供に対して、同じように子供を作ることを期待するのは個人的に好きじゃない。
Posted by ブクログ
自然たっぷりの田舎の情景が目に浮かぶようだった。
偶然立ち寄った「たけ屋」のヤスばあちゃんと恵三さん。
カメラマンを目指すも壁に当たった慎吾、
そして明るくて感受性豊かな幼稚園教諭の夏美がたけ屋の離れを借り、自然の中で青春を謳歌する。
恵三さんの死、ヤスばあちゃんの死は胸が締めつけられられそうで切なかったけど、雲月さんの作ったお地蔵様やタンポポの花がずっとふたりの想いを繋いでいってくれるんだろうな。
あとがきの「どうせなら、別れがとことん淋しくなるように、出会った人とは親しく付き合っていきたい」の言葉が心に刺さった。
「凛」と鳴る風鈴。
かけがえのない「ありがとう」を大切に。
Posted by ブクログ
山里の季節ごとの風景が浮かび自分も体験したくなりました。
心が温かくなる作品です。
あとがきを読んでモデルのお店と母子が存在すると知って驚きました。
『人生は、ひたすら出会いと別れの連続です。』の言葉には共感です。
Posted by ブクログ
良い本だった!
田舎を題材にした心温まるヒューマンストーリー。
将来的に離島とか自然が溢れる場所で暮らしたいと思っているが、そういった地域ならではの人と人との暖かさを感じるストーリーだった。よかった!
チョット泣いてしまった
職場の昼休みに電子書籍はよむことが多いのですが、年齢的にも親子の生のリレーといった展開にちょっと泣いてしまった。
一方で、この作品のような場所に移住してきた私からすると、優しさや軽さだけでなく、重さを感じさせる表現のほうが伝わる部分も多いかなとも感じました。
Posted by ブクログ
30度を超えるような日が続き夏の小説が読みたくて。
こんな経験、間違いなく憧れる。でもこれは尖ってない、斜に構えない主人公たちだから得られる経験だろう。当時の俺には無理だったと思う。田舎の魅力や人と人の出会い、別れ、成長を感じられる作品。心温まる。