森沢明夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
冒頭からゆるーく始まるかと思いきや、
いきなり殺し屋?タイトル癒し屋じゃなかった??
ロングチェアをきぃこ、きぃこと鳴らしながら、お賽銭狙い?ガメツイなぁと思いつつ、悩める人達の心に荒療治な部分はあるけど、気持ちをスッキリさせている。
『ありがとう』普段何気なく使う言葉だけど、
過去の自分を受け入れるためにって。
昭和歌謡の1フレーズが、物語と結びついて素敵!
探すのをやめた時 見つかることもよくある話で
癒し屋だから、最初はコーヒー片手に読んでいたけど、途中、霧子さんにつられて缶ビールあけていた笑
近所に昭和堂のような喫茶店があったらいいな… -
Posted by ブクログ
可愛くて、切なくて、優しいストーリー!
こちら、ボンネットバスに心が宿ってしゃべるというファンタジーな設定。
バスの運転手やレストア職人などバスの周りにいる人たちの気持ち、ボンネットバスの気持ちが描かれていました。
“出会い”と“別れ”を人と同じように体験しているのに、感じていることも、思いも伝えられないバスのもどかしさや哀しみが伝わってきて、何だか切なくなりました。
それでも「モノには魂が宿る」と信じる人がいて、バスを大事に思う人は沢山いる。
登場する人がみんな魅力的で、読んでいて優しい気分になりました。
日常にある小さな幸せを味わう心
人生をおもしろがる心
それらに触れ、デビュー当時か -
Posted by ブクログ
とあるジムで知り合った人々のそれぞれの悩みや葛藤について焦点を当てていく物語。
日々の疲れ、寂しさや不安を感じる心をほんのり温めてくれるような小説だった。
ゴンママは自分の性質に向き合う中で沢山辛い思いをしたのかな。だからこそ周りの人のことによく気づいて皆を元気にできるのだろうか。
ゴンママのスナックみたいな居場所が自分にもあったら、と羨ましくなる。
少しステレオタイプな設定が気になったけど、重過ぎず、優しくて良い小説だった。
ー その瞬間、まるでオセロの黒い列が、端っこから一気にパタパタと白に変わるみたいに、辛かった過去がキラキラした大切な思い出に変わるのよー
という言葉が良かった。 -
Posted by ブクログ
一つの作品を完成させるために、多くの人が関わり、それぞれの人生にも影響を与える。
五つの章の主人公の苦しさが、本によって救われる。熱中することにより可能性の大きさを感じてくる。
特に、絶望を感じている人が光を見い出してゆく過程が丁寧に描かれていて良かったです。
日常にこそ幸せは溢れていると、打ち込めるものと共に、苦しさも含めて。本当にそう思えるようになったら良いですが。
胸の中の石ころが溶けてゆくそんな瞬間が、自分の気持ちにも訪れたら良いなとそんな気分になりました。
(人生は)土砂降りの中に飛び込んでずぶ濡れを楽しむ場所
そういう考えがあるのかと。心から思えたら、失敗を恐れるとか、何かを後悔す -
Posted by ブクログ
最近シリアスな本を読んでいたので、森沢明夫さんの野宿放蕩?ナンセンスエッセイ『あおぞらビール』の続編に思わず飛びついた。
最初のシェアハウスからもうにんまり。話の先が見えても、これがノンフィクションだというのが、何より尊い。ガキ大将だった森沢少年のUFO逸話も、幽霊野宿エピソードは、特にお気に入り。
私も、鎌倉海岸で友達と二人シュラフで寝ていたら、「死体だ死体だ」と騒がれて、慌ててその場から逃げだしたっけ。若いからこそできる旅ってあるよな。
超堅物A君に説教される場面も面白い。目的を達成する旅、写真に収めるだけの旅、実績作りの旅をする人が森沢さんに合うはずがない。A君がこの本を読んでいると面白 -
Posted by ブクログ
胃袋をガッツリつかまれた!と思っていたら、登場人物たちも、同じように胃袋つかまれたエピソードがでてきて…やっぱそうだよな。
大三おじいちゃんの料理の腕前が凄くて、食欲をそそられる。っていうか、おじいちゃん80歳なのに男前すぎる。見た目とかじゃなくて、中身から滲みでてくる渋さだったり、人間力だったり。あぁ、こんなおじいちゃんになりたいな、と思わせるカッコいい人。
そして金言の数々。心を打つ台詞は全部メモった。胸に刻みます。
都会で傷ついた主人公エミリが、田舎で再生していく物語。構成もとてもいい。プロローグと本編の対比、エピローグの伏線回収。清々しさと切なさを感じさせる読後感。
めっちゃ癒し