森沢明夫のレビュー一覧
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再読。映画の脚本を森沢さんが小説にした作品。亡くなった奥さんの遺言で奥さんの故郷の海へキャンピングカーで散骨しに行く途中に出会った人々とのつながりや夫婦の絆が丁寧に描かれている。高倉健さん主演の映画も感動したが、小説の方も心を揺さぶられるステキな作品だった。登場人物一人一人が何かしらの問題を抱えながらも前向きにあたたかく描かれているのもよかった。奥さんの2通目の遺言を読んでいて涙があふれてきてしまった。短い言葉だが「あなた」という3文字の言葉がとてもステキな言葉に思えた。倉島と奈緒子の「他人の厚意は?」(奈緒子)「受け取るべき、でしたね」(倉島)「正解です」(奈緒子)のやり取りもおもしろかった
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初めは、タイトルの通り、喫茶店の優しいお姉さんがお客さんの悩みに寄り添い癒してくれるお話なのかなーと想像しており、いざ読んでみると、予想と違って、キリコさんはぐうたらな方で、癒し系な雰囲気ではなく強い系の女の方でびっくりしましたが、そこが面白かったです。
一見自分だったらクレームつけたくなるような発言があるキリコさんですが、そのキャラクターと喫茶店の仲間たちのキャラも濃くてすきです。登場人物の抱えている秘密も読み進めないと知ることが出来ないので、この本を読む楽しみの1つです。
依頼人の悩みを自分の想像の斜め上をいく方法で解決しているところも読み応えあり、ちょっとミステリーな部分が意外に -
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『津軽百年食堂』
森沢明夫さん津軽3部作の一作目
ただ、私は『青森ドロップキッカーズ』を先に読んでしまったので順番が逆転してしまったが…
未読の方は、先ずはこの作品から読み始めるのがオススメ
さてさて、物語の舞台は津軽・弘前
百年続く食堂を守り続ける父と、東京で孤独な社会に生きる息子の物語
内容はとてもシンプルだか、そこに登場する人物一人一人が実に温かく優しくて、時に粋で…
田舎を出て都会の荒波に揉まれながら強く逞しく生き抜こうとする若者の熱量と、それと表裏一体で待ち合わせる将来への不安や葛藤の描き方が美しかった。
親と子、それぞれが個としての相手の人生を考える思いやりに満ちていて、特 -
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亡き妻 洋子からの遺言を求めて、妻のために作ったキャンピングカーでの一人旅をスタートした主人公の倉島英二。
旅の道中での出会いを通して、次第にみえてくる夫婦の絆、生きることの意味…
病床で夫にあてた洋子からの遺言が、一人残される英二のことを想い、包み込むような大きく深い愛に溢れ、涙が溢れてきた。
また英二と出会ったそれぞれの人生が、その出会いを機に少しずつ趣きを変えていく…
同じ日の同じ時間、登場人物それぞれの目線に変えることで、其々が歩んできた人生が物語をより立体的でリアルなものに感じさせてくれた。
生前の洋子がよく口にしていた台詞
「他人と過去は変えられないけれど、自分と未来は変え -
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森沢明夫さんの世界。
なんともホッコリ。。
そして仕掛けられた構成。
心って傷つかないんだって。ただ磨かれるだけ。
うーむすごい。。。
みんなと「違う」って、そんなに悪いこと?
どうやら「名前」というものには、目に見えない力が込められているらしい。
ひとりぼっちは淋しい。
でも、一匹でいるときのひとりぼっちよりも、大勢の中で味わされるひとりぼっちの方が、ずっと、ずっと、心が痛いということをボクは知った。
慣れってすごい。
悲しみと自由
金魚の視点から人、黒ネコ、パンジー、そして金魚のハルちゃん。
前田太陽という由来。
いろいろな思いが詰まった作品でした。
ネタバレ
ぷ -
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おやすみ前の楽しみにと、少しずつ読んでいたエッセイ。なんと74編も!
森沢さんが感じた「小さな幸せ」がつまった贅沢なエッセイ。他作品にも通じる“人生がハッピーになる秘訣”がここにもたくさん!!
『人生は、たった一度きりの遊び』
『叶わなくてもいい夢を、たくさん待っていること』
『人は長所で尊敬され、短所で愛されるもの』
私も、まだまだこれからの人生をとことん遊び倒さないとな~って思いました。
森沢さんの体験に共感したり、ほっこりしたり、ユーモアも感じられる素敵な1冊。
本作で「予祝」という言葉を初めて知りました。
一日頑張った自分へのご褒美にも、人生を今より少しキラキラさせる参考書として