森沢明夫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
養鶏場を営むムーさんが閑散とした過疎地域である故郷の村おこしに奮闘する物語。
一番はムーさんを筆頭に幼なじみや集落の人たちの温かさ
こんな田舎に卵かけご飯専門店?流行るわけないよねと
長年限界集落で生きてきた人々は負け癖がついている
高齢化も伴い、戦う気力も失われてている
しかし、ムーさんの集落全体の活性化と集落の人たちを生き生きと笑顔にするという熱意が幼なじみの協力と人と人とのつながりを経て気持ちいいほどいい方向に進んでいく
田舎の風景がまるでその土地を訪れているかのように真っ青な空、日向の匂い、風の心地よさ、森の中の葉っぱの擦れあう音、川のせせらぎ、鳥や動物たちの鳴き声が肌で感じられ -
Posted by ブクログ
ネタバレ
森沢明夫さんのこの小説好きだ!美味しいお寿司に温かい人たち。
義父からの暴力、母親からの言葉の暴力に耐えてきたまひろ。しかも上司からのセクハラやパワハラを受けていた会社もあっさり倒産し、不幸続きであったが、過去の思い出の夕凪寿司での出会いが人生を変えていく。
「人生捨てたもんじゃない」という言葉を実感とするまひろの新たな人生。頑張って生きる人が幸せになるのは嬉しい。
ツンデレの美玖も実は親からの虐待で大変な思いをしていた過去があったからこそ、不器用ながらまひろの良き同志となりお互いを必要とする関係性になれて、良かった。
三章、四章とも気持ちのいい涙が流せる。だから、森沢さんの小説はいい -
Posted by ブクログ
ネタバレあっ、祖父×孫ものだ…と分かった瞬間、たじろいだ。
老人が出てくる系の話に私はめちゃくちゃ弱い。
大体は人間的にすごく尊敬できるキャラクターが多く、素敵だなぁと思うのだけど物語の中で病気になったり死すことが多いからだ。悲しいのだ。
でもこの物語に出てくる大三おじいちゃんは最後まで元気でよかった。
悲しい物語では決してないと思うのだが、感情移入しすぎたのか後半はボロボロ泣いてしまった。
サヤが来た辺りからエミリに感情移入し、大三さんに救われ、心平に恋しそうだった。
エミリのように、どんな人でも人生って結構間違えることがある。でも信頼できる人の支えと、大きな自然があればまた立ち上がれると元気をも -
Posted by ブクログ
「プロだけが知っている小説の書き方」著者の小説。
小説を書いてみたいなぁと思いながら書籍を調べていたら
森沢明夫さんに出会い、まずは彼の小説を読んでみようと
思い立ったのがきっかけでした。
そしたら冒頭から引き込まれました。
読み終わった後に、また冒頭を読み返したくなる。
ストーリーを楽しんでいる間は涙腺管理が大変でした。
電車内で泣くわけにいかないと必死でした。
悲痛な思いをする場面もありますが、全体的に暖かい温度で楽しめました。
人の温かさというより、ぬくもりが伝わるといった方が
適切だと思う作品でした。
他の森沢明夫さんの作品も読みたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレブックデザイナーの青山哲也さんはこの業界では
大御所 と呼ばれる存在です。
仕事は万事順調でしたが65歳を迎えて余生は
大好きな景色の見える別荘で妻と二人で穏やかに
過ごしたいなぁと考えていました。
ある時身体の不調を感じて病院にいき精密検査を
うけます。結果、肺癌と全身への転移があり
余命半年から一年との医師の見解。
てっちゃん、しーちゃんと呼び合う仲良し夫婦の
お互いを思い遣る気持ちが凄く切なくて切なくて
涙がとまりませんでした。
小説家 涼元マサミさんは離婚して
元妻と暮らしている
娘の真衣さんとの月に一度の時間は何よりも大切です。
家族の為にと思い書き続けたミステリー小説は全て
ヒッ -
Posted by ブクログ
バイクのエンジン音
竹林から吹く優しい風
軒下の錆びた風鈴の音
ホタルブクロに入れた蛍の幻想的な光
ぬるま湯みたいな夏の雨
夏の雨後の強い木漏れ日
早起きの蝉たちの合唱
パイナップル色に染まる夕陽の空
たんぽぽと恵三。
登場する人物達の暖かくて優しい物語が「光」「蛍」「夏」「涙」「心」「願」「命」「凛」こうした言葉達に込められていて、見た事も行ったこともないその景色達が胸の奥にしみわたる。
途中何度も物語の中へ吸い込まれ、優しい言葉たちに何度も何度も涙が浮かんでいた。
心温まるストーリーと胸に響く読後感でした。
たくさんの人に読んで欲しいと思います。
おすすめです。 -
Posted by ブクログ
青森3部作の2作目、舞台は1作目の弘前から青森に移る。題名の付け方に私は興味がある。そして、このドロップキッカーズって、プロレス?・・・。表紙絵を見ればわかるのだが・・・。読み終えるとこの題名がピッタリだと納得できた。
主な登場人物は、いじめられっ子の中3受験生宏海、中途半端な不良で宏海の同級生雄大、再起をはかるアスリート姉妹の姉柚香、明るいアスリート姉妹の妹陽香。スポーツでもなんでも、学びを定着させるのは自信をつけることが大事だと思う。自己成長の変化が見えるとやる気が出るものだ。そして、基本が大事だと思うのである。岡島さんの「天才」という口癖が印象深い。そこには必ず理由が付け加えられている