有栖川有栖のレビュー一覧

  • 虹果て村の秘密

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    『あなたたちも大人になったら、きっとあとの世代に託す問題を抱えるわ。だから、おあいこ。世界中どこでも、いつの時代でも、大人は子供にこっそりあやまっている。

    『こんなことが解決できなかった。ごめんよ。あとはたのんだ』って。でも、同時にこうも思っている。『怒らないでほしい。君たちが子供のうちに解決させた問題もあるんだよ』それが永久にくり返されるのよ。人間がこの星に生きているかぎり。』

    有栖川有栖初のジュブナイル・ミステリ。すごく良い!

    ミステリ好きのための作品でもあるし、これからミステリを好きになるであろう人のために書いた作品でもある。

    ミステリの面白さが詰まった作品!

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    2018年03月11日
  • 女王国の城 上

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    江神さんが、宗教都市神倉に消えた。正確には「ちょっと遠くにいってくるかもしれん」と残して消える。彼のアパートで見つけた事実をつなげて神倉へとレンタカーを走らせるアリス、マリア、そして二人の先輩。先輩二人は就活を休んでの参戦だった。宇宙人に救いを求める宗教に江神さんがはまったわけではないかと心配していた彼らは、紆余曲折の末江神さんと再会を果たすが、人類協会の総本部“城”の中で殺人事件が起こる。すぐに警察を呼ぶように説得するミステリ研の面々だったが、協会の人間たちは城を封鎖して自分たちの手で犯人を探し出すと言い出す。軟禁状態に陥ったアリスたちは犯人を突き止めることができるのか、、、

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    2018年03月04日
  • 壁抜け男の謎

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    ネタバレ

    作者のあとがき通り「混沌」としています。
    けれど、有栖川さん色でまとまっている。

    こんなに雑多で「好き勝って書いてるな~」と
    感じた短編集は初めてだったけど、そこが面白く、
    どの話も終わりの向こう側を妄想できる楽しみが
    備わっていました。

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    2018年02月25日
  • 臨床犯罪学者・火村英生の推理 ダリの繭(下)

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    ネタバレ

    ダリの繭が、森博嗣先生の「女王の百年密室」の棺桶みたいだなあと思いました。ミステリしてて面白かったです。

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    2018年02月22日
  • 江神二郎の洞察

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    英都大学推理小説研究会の面々が活躍する短編集。ずっと読んだものだと思っていたが、まだ読んでいなかった。別の本に収録されている『桜川のオフィーリア』が収録されていたから勘違いしたらしい。9本が収録。時系列に並んでいて、『月光ゲーム』の前後のエピソードが入っている。 私が気に入ったのは、ちょっとオカルト入った『開かずの間の怪』とマリアが入部するエピソードの『蕩尽に関する一考察』。 1988年の自分はどうだったかなと思いつつ読んだ。今度シリーズ最初から読み直そうかな。

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    2018年02月17日
  • 乱鴉の島(新潮文庫)

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    ネタバレ

    下宿のばあちゃんからの勧めで三重の小島に骨休めに来た火村とアリス。
    ところが船頭さんの勘違いで違う島へ連れてこられた。
    その名も黒根島:通称「烏島」
    そこに集うのは孤高の詩人:海老沢俊と彼の崇拝者たち。その一人であるドクター藤井はクローン研究の権威であり、彼の技術を求めて時の人:初芝真路=ミダス・ジャパン社長がヘリコプターで島へ乱入。
    烏が乱れ飛ぶ孤島、遺体、秘密の集いと本格ミステリーの材料をふんだんに散りばめて、火村とアリスの推理は進行する。

    じっくり読もうとしていたのに、おもしろくてすいすい読んでしまった・・・!
    2時間ドラマで映えそうな感じですね。いかがですか!

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    2019年11月30日
  • 密室入門

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     個人的に大好きな密室ミステリは「本陣殺人事件」と「斜め屋敷の犯罪」である。前者は小学生のころ少年マガジンの特集記事で見開きの図解を見せられ、概要を知ってから読んでも面白かった。同じ特集でノックス「密室の行者」のトリックを明かされたのはコ・ノ・ウ・ラ・ミ……。絵で見せられれば一目瞭然のトリックなのだ!

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    2017年10月28日
  • 江神二郎の洞察

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    時系列的に、長編の抜けてる穴を埋めてくれる感じの短編集でした。と言いつつ、長編4作のうち、2冊はまだ未読で、かつ1冊は時系列間違えて途中が抜けてしまってますが。
    望月と織田と言うナイスキャラもいて、こっちのシリーズも結構好きです。でもなんとなく感じる江神さんとの特別感はなんなんでしょうね…。二人で大晦日の夜に京都の街を散策する話、最高に良いです。
    それにしても江神さんの得体の知れなさときたら…笑

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    2017年10月26日
  • 幻坂

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    大阪の街の中央を背骨のように南北に貫く上町台地。この界隈は四天王寺をはじめとする寺町であり、大阪が「宗教都市」であったことを色濃く物語る。大阪は起伏の乏しい街というイメージがあるが、そもそも大阪は大坂と表記されていたぐらい、ちゃんとした「坂」があることを本書で知る。

    本書の舞台は上町台地の上に位置する生玉寺町と西麓に広がる下寺町、この2つの町を結ぶ「七坂」ー 真言坂・源聖寺坂・口縄坂・愛染坂・清水坂・天神坂・逢坂。

    著者は取材を通じて知り得た七坂の秘められた物語や歴史的因縁を巧みに取り入れ虚実入り交じる幻想譚に仕立て上げる。上京を拒む新進作家・ミステリアスな猫・いわく有り気な探偵…等、趣

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    2017年10月16日
  • 暗い宿

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    初めて読んだ有栖川有栖。作者と主人公が同一人物っての、初めてだわ。火村シリーズって言うんだね。「ホテル·ラフレシア」が印象に残った。ラフレシアって花はボルネオなんかで見れれる世界で一番大きな花。花の方を知ってて名前をこの小説で初めて知る。
    アリスの性格がなんか好きだわ。行動派なんだけど、ちょっとネチネチみたいな。
    宿にちなんだミステリーばかりだったけど、どれも読み応えがあって短いのになかなか練られててあっという間に読み終えてしまった。「暗い宿」「ホテル·ラフレシア」「異形の客」「201号室の災厄」の四本立て。

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    2017年10月08日
  • 江神二郎の洞察

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     星5つにしない理由。所収短編「4分間では短すぎる」の中で、名作「点と線」のトリックの一部と犯人を明かされてしまったから。
     あれあれ? 有栖川有栖ともあろう人が、こんなルール違反をしでかすだろうか。
     真相:ページがくっついていて、肝心の注意書き〈『点と線』のトリックの一部と犯人を明かされたくない方は、次の節まで飛ばしてお読みください〉を見落としてしまった。また、195頁の望月先輩の台詞と198頁のアリスの心の声が自然に繋がっているのもいけなかった。
     まあ、この齢まで「点と線」を読まなかった自分にも責任あり。

     昭和から平成に移り変る時代の空気がスケッチされていて、ミステリ部分以外にも味

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    2017年10月02日
  • ミステリ国の人々

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    エッセイ仕立てになっているミステリ・ガイドブック。
    日本経済新聞に連載されていた為に、ミステリファン以外の読者にも理解して貰える様な掘り下げ方になっていて、ミステリ好きの当方としては「そこまで説明するのか」という歯痒さもあったが、有栖川さんファンなので書かれた物は全部認めたい。亜愛一郎シリーズの隠れキャラの話など、実に面白かった。
    欲を言えば本格ミステリの作家と作品だけに絞って貰いたかったが、新聞連載だと偏れないのだろうな。ミステリ雑誌の連載とはやはり違うね。

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    2017年09月26日
  • 名探偵傑作短篇集 火村英生篇

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    3冊同時に出た名探偵傑作短篇集の、これは火村英生篇。国名シリーズから1編ずつセレクトされていて、3冊の中では選び方に一番納得がいく短篇集だった。尤も、火村シリーズは角川でも傑作選が出ているので、それになるべく被らない様に選んだそうで、アレが入っていれば、と思う事もあるにはあった。『スイス時計の謎』がやはり素晴らしい。著者の全短篇の中でもトップクラスの名作だろう。

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    2017年09月25日
  • 幻坂

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    ここのところミステリーばっかり読んでいたので物足りなく感じるかもなぁ・・と思いながら、「大阪の、馴染みのある場所が出て来る小説」というような宣伝文句とともに、大手書店で平積みで売っていたので、購入してみました。
    大阪のエリアごとに短編になっているのですが、なかなかコワイ話もあったりして、とても良かったです!なんだか惹き込まれますね、この方の世界観に・・・

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    2017年09月23日
  • 自薦 THE どんでん返し

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    ネタバレ

    自薦のアンソロジー。有栖川有栖「書く機械」と東川篤哉「藤枝邸の完全なる密室」は再読。法月綸太郎「カニバリズム小論」はずっと教科書のようにカニバリズムについての話が続いて嫌になったけど、最後は面白かった。これぞどんでん返しか。旅のお供には気軽に読めて良かった。

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    2017年09月09日
  • 火村英生に捧げる犯罪

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    短いのから長めのものまでバラエティに富んでいてとても楽しめた。
    珍しく火村目線で物語が語られていくのが新鮮で楽しかった。

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    2017年09月08日
  • 幻想運河

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    いつもの有栖川作品とは趣の異なる作品でした。でも、いつもどこかふわふわしているような作風が不思議な感じ。

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    2017年08月22日
  • ミステリ国の人々

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    全部が分かる訳ではないが、ほとんどが昔読んだものばっかし。懐かしい~ そして、改めて読み直したくなった。切りがなさそう・・・

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    2017年07月30日
  • 幻坂

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    日本の文学世界を縱?に観照しつつ、大阪は上町台地、寺町の個性ある坂道に、ちょっと不思議なフィクションとして投射していく。選び抜かれた美しい言葉で綴られるストーリは、どれも好ましい。

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    2018年10月14日
  • 怪しい店

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    『怪しい店』有栖川有栖
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    作家アリスシリーズの「店」にまつわる短編集。
    安定の面白さ。
    そして、安定の火村先生の格好良さ。
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    アリスと火村先生の掛け合いがやっぱり面白いよね。
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    2017年07月23日