有栖川有栖のレビュー一覧

  • ミステリ国の人々

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    ミステリ小説の登場人物を取りあげたブックガイド。懐かしい作品、興味はありつつ手を出し損ねていた作品が挙げられていて、読みたい本がまた増える。

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    2017年07月20日
  • 有栖川有栖の鉄道ミステリー旅

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    本格ミステリの大家、有栖川有栖氏による鉄道エッセイ。

    鉄道アンソロジー集も読んだ事がありましたが、ここまでの重度の乗り鉄患者だとは露知らずびっくりしました。冒頭では氏がいかにしてこの道に染まったかが克明に記されていますが、遅咲きではまりだす、というパターンは男性では珍しいように思います。

    よく眠る奥さまや敬愛する鮎川哲也先生にまつわる思い出が随所にちりばめられていて、ああこの人の鉄道趣味は人生と深く連関しているのだなとじんわり感心させられました。逆に言うと、氏のミステリを1作も読まず(おいっ!)。人となりが分からないまま本作に接してしまったのはなんとも勿体なく、順番を間違えてしまったようで

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    2017年07月17日
  • 暗い宿

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    宿縛りの短編集。
    『暗い宿』
    廃線になった(正確には違う)線路を散策するうち引き始めていた風邪を悪化させたアリスは引き払う寸前の宿に助けを求める。一夜、横になれればいいと懇願する病人を放っておけず、一夜の宿を貸してくれた元女将。風邪薬も手伝って夢現の夜中、アリスは階下で不審な音を聞く。その音の正体は?--後日壊された宿の床下から男の死体が掘り起こされた。
    『ホテル・ラフレシア』
    ホテルのミステリーゲームのモニターとして片桐に連れられてやってきた石垣島の高級ホテル。火村も同行していたそのホテルで、ミステリーのイベントが盛大に行われている同じ夜、火村は浜辺で一組の夫婦と出会う。奥さんのほうが倒れて

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    2017年05月29日
  • ミステリ国の人々

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    【内容情報】(出版社より)
    ミステリ小説という「国」には作家が造形した様々な「人々」が住んでいる。誰もが知る名探偵、事件の鍵を握る意外な人物、憎めない脇役、不可解だけれど目が離せない人……そんな人たちを通して、ミステリを読むおもしろさが何倍にも膨らむ「ツボ」を刺激してくれる、ミステリファン垂涎、読まず嫌いの小説ファンには目からウロコのエッセイ集。

    ホームズ、ルパン、エラリー、金田一耕助という直球もあれば、明智小五郎の妻・文代といった変化球も織り交ぜつつ、本格ミステリの古典とされる『グリーン家殺人事件』やジョン・ディクスン・カーの密室モノ、ハードボイルドではロス・マクドナルド、ミステリの日本三

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    2017年05月24日
  • 高原のフーダニット

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    短編集。「作家アリス」シリーズ21作目。
    ▼「高原のフーダニット」
    以前、殺人事件の容疑者にされたときに、火村英生が真犯人を突き止めたために冤罪を免れた兄弟がいた。
    大朔栄輔と光輔である。
    ある日、栄輔から連絡を欲しがっているという伝言をアリスから聞いた火村は、さっそう栄輔に電話をかける。
    栄輔は弟の光輔を殺してしまったと告白し、明日自首すると火村に言うために連絡してきたのだ。
    誰かに犯行を告白することによって、自首する以外の道を潰そうとしたのだ。
    言いたいことだけを一方的に話し、唐突に電話を切ってしまった栄輔。
    だが、彼は自首をすることはなかった。
    何故なら、殺されてしまったから。
    いわゆる

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    2017年04月21日
  • 新装版 マジックミラー

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    余吾湖畔の別荘で所有者の妻が殺された。
    警察は被害者と関わる人たちに聞き込み捜査を始める。
    推理作家である空知雅也は、被害者が学生時代につきあっていた元恋人だったため、警察からの事情聴取を受ける。
    被害者・恵に多額の保険金がかけられたいたため、恵の夫・柚木新一が疑われるが確かなアリバイがあった。
    納得できない恵の妹・ユカリは、空知に一緒に事件を調べてくれるように頼みこむ。
    新一と双子の弟・健一の完璧すぎるアリバイ。
    多くの乗客が利用するなかのたったひとりの乗客のアリバイなど、本来ならばあやふやなものであるのが自然だ。
    なぜか、新一も健一も、周囲の人たちにあえて強い印象が残るような行動をとってい

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    2017年04月21日
  • 絶叫城殺人事件

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    ネタバレ

    短編集。作家アリスシリーズ12作目。
    「絶叫城殺人事件」
    女性ばかりが襲われ殺害される事件が続いた。
    被害者は口の中に何かが記された紙片を押し込まれていた。
    書かれていた文字は「NIGHT PROWLER」…夜、うろつく者。
    ゲーム・ソフト「絶叫城」に登場する怪物の名称である。
    「絶叫城」とは、昼間は絶叫城の秘密を探るために手がかりを求めて城内を調べ回る。
    夜になると、ナイト・プローラーからただひたすら逃げ回るゲーム。
    すべての手がかりを手に入れ絶叫城の謎を解くと、ナイト・プローラーは消滅する。
    次の瞬間、謎を解きナイト・プローラーを倒したプレーヤー自身が妄想と狂気の城を引き継ぎ、自らがナイト

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    2017年04月20日
  • 怪しい店

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    ネタバレ

    短編集。
    ▼ショーウィンドウを砕く
    物語の語り手を犯人自らが行っている。
    会社の経営が上手く行かず、資金繰りも行き詰まりつつあった夕狩は恋人を殺害してしまう。
    恋人から自宅の鍵を失くしたと連絡を受けた夕狩は、そのことを利用しようと思いつく。
    翌日、強盗の仕業に見せかけて夕狩は凶行に及ぶ。
    物語の中に出てくるショーウィンドウは、子供だった夕狩にとって憧れの象徴だった。
    ショーウィンドウの向こう側にあるものは、いつも眺めるだけの存在。
    どんなに欲しくても自分が手に入れることはない。
    町中のショーウィンドウを片っ端から叩き割っていく夢は、夕狩の潜在意識が見せたものなのだろうか。
    手に入らないものなら

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    2017年04月16日
  • 女王国の城 上

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    「学生アリス」シリーズの4作目。
    「双頭の悪魔」からおよそ15年ぶりに発表された物語である。

    完全なる密室の中での殺人は不可能である。
    某ドラマではないけれど「破れない密室はない」を地でいく展開になっている。
    心理的な作用によって密室は作られていく・・・。
    物語は広範囲に枝葉がのび、江神の過去や本筋以外の雑学にまで及んでいる。
    けれど、読みにくさはまったくない。
    この物語に関しては多くを語りたくはない。
    まずは読んで楽しんでほしい。
    スピード感もあり、閉ざされた世界で起きた事件は本格ミステリーとしても読みごたえのある物語だった。

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    2017年04月07日
  • 壁抜け男の謎

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    盛りだくさん!
    こういうのを盛りだくさんと言うのだろう。
    統一性が無いのが逆に良い。
    あとがきでもう一度たどったが、初出、依頼された経由などもさまざまで、面白話やパロディなどが多い理由もうなずけた。
    最近は、真面目というか、平坦な感じのアンソロジーや短編集が多い気がする。
    叩き気質のネット社会のせいか…そういう時代になってしまったのだから仕方がないが。

    『屈辱のかたち』…言われてみれば。当人にしか分からない。
    『ざっくらばん』は、すっかり「ざっくばらん」だと思いこんで読んでいたため、「え?これ、別の意味があるの?オチは何?」と混乱したが、そういうことでした。
    『怪物画趣味』ちょっと乙一っぽい

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    2017年03月25日
  • 本格ミステリの王国

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    エッセイ集とか選評とかごった煮。
    中盤に講座がある。
    拙い小説は余計なことが書いてある小説とのこと。
    言い換えればすべての文章に意味を持たせるのが大事ということか。

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    2016年11月03日
  • 新装版 マジックミラー

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    ネタバレ

    どこかで結末を知ったうえで読んだから、読み始めた段階で苦しさはあった。
    最初から最後まで双子に惑わされた。
    数字に弱いので、時刻表見ながら目眩を起こしたことは内緒だ。
    空知さんには幸せになってもらいたかった……

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    2016年10月02日
  • 幻坂

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    ネタバレ

    大阪の七坂を舞台にした怪談集。ミステリィ以外、初めて読みました。二編目までは(後に、最後の九編までとわかる)誰かしら亡くなり、そのひとを想い、応え、化ける!?叙情豊かな筆致で不思議な読後感が漂う。三編目は結構悲惨な感じで亡くなった少年がキーだが、そう感じさせないのはさすがでした。四編目はネコがキー。ちょっと官能的でまた良い。五編目は憧れの人。六編目は妻子ある人を愛し、棄てられ自殺した人。探偵に誘われ、料亭へ。最後には店主の正体が分かり–––。ホラーなんだけどどこか優しく、ほっとするような感じ。七編目は小さいときから生きていないものが視える青年。八編目は松尾芭蕉の旅の日常からドッペルゲンガーを見

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    2016年09月26日
  • 論理爆弾

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    ソラシリーズ第3弾。

    相変わらず全体の雰囲気は閉塞感があり、純は孤独。
    でも、ガンジスたちとのエピソードは泣けました。

    他の作品に比べたらがっつりミステリではないけど、
    いつでも警察に拍手で迎えられる探偵よりは
    警察に隠れて情報を集めるしかない一般人の方がリアルだと思う。

    いろいろ謎がちりばめられていて
    先が気になるシリーズです。

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    2016年07月25日
  • 真夜中の探偵

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    私は好きです。このシリーズ。

    純の孤独に息がつまりそうでしたが、
    心の中の父と母の言葉や
    「私には希望しかありません」のセリフとか、
    前向きに頑張る姿は応援したくなる。

    犯人やトリックはいたってシンプルでした。

    続きが気になる。

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    2016年06月29日
  • 赤い月、廃駅の上に

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    あまり短編は好んで読まないが、あとになって気付いた。だが、みるみるうちに吸い込まれていった。「最果ての鉄道」、「赤い月、廃駅の上に」、もいいが、とくに、「シグナルの宵」は次の展開がどうなるのかわからず怪談というテーマの中でわくわくさせてくれた。雨の中、現れた人物ーーいったい誰だ? そんなことを思いながら最後まで導いてくれた。他の作品も読んでみたくなった。

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    2016年06月09日
  • 高原のフーダニット

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    ネタバレ

    『オノコロ島ラプソディ』『ミステリ夢十夜』『高原のフーダニット』の三篇からなる火村とアリスのバディものの短編集。

    『オノコロ島ラプソディ』
    淡路島に骨休めに来ていた火村准教授に届いた事件の報せに、仕事が行き詰っていたアリスが強引に息抜き兼助手業に押し掛ける、作者いわくドタバタミステリになる予定だったミステリ。
    ちょうど家族で淡路島に遊びに行ったあと読み始め、おお知ってる場所だ!とひっそり楽しかったお話(笑)

    『ミステリ夢十夜』
    "こんな夢を見た。"の一文から始まるかの有名な夢十夜のアリス版。どの夢もきな臭い事件に巻き込まれるアリスは今日もたぶん変な夢を見て、友人の犯罪学

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    2016年06月06日
  • 火村英生に捧げる犯罪

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    短編集。
    長いのから短いのまでバラエティに富んでいて面白かった。

    火村英生に捧げる犯罪、ってだいぶ期待して読んだけど拍子抜け。
    でもタイトルに火村英生とあるのに名探偵アリスが活躍するとこでニヤニヤ。

    火村からも警察からも
    だいぶアリスがいじられてて、
    アリスは愛されているなぁと。

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    2016年05月30日
  • 論理爆弾

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    探偵ソラシリーズ、第三作。山奥の辺鄙な村で連続殺人事件とは、本格好きとしては胸が躍ります!それにしてもホント危機一髪でしたね、純ちゃん(^^;; まさか○○に助けられるとは…。今回の体験を経てまた一歩、探偵に近づいた・・かな?笑 学生、作家両アリスシリーズとはまた違ったテイストでこのソラシリーズもまだまだ楽しめそうだ。

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    2016年05月10日
  • 虹果て村の秘密

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    ジュブナル小説だけあって、子供向けっぽさは感じられるが、ストーリーはしっかりしてる。
    さすが有栖川有栖って感じです。

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    2016年05月09日