有栖川有栖のレビュー一覧
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電車が好きかと訊かれたら、嫌いではないという中途半端な答えしか返すことが出来ない、そんな僕がこの本に手を出したのは有栖川有栖の本だからですね。
自他ともに認める「乗りテツ」の筆者の鉄道にまつわる思い出や鉄道紀行エッセイ。タイトルにミステリとあり、鉄道ミステリに関する話やおススメの鉄道ミステリの紹介はあるものの、それがメインではありません。あくまでメインは鉄道。揺れながら流れる車窓に思いを綴り、レールの敷かれた土地へ思いを馳せる。鉄道にさほど興味のない身でも、楽しく読めます。
ああ、でも電車に乗って車窓の景色を眺めるのは好きなんですよ。どちらかと言えば自然豊かな景色より、街中の景色の方が好きとい -
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本格ミステリの有栖川有栖さんと、建築家でありミステリファンの安井俊夫さんが、ミステリ作家と建築家の立場から「密室」について語り合う。
密室の定義や分類を系統立ててしてある。
入門編としてのブックガイドとしても役立つ。
机上の理屈としてだけでなく、建築家としての、現実に可能かどうか、の考察。
ミステリを語り合う時についてまわるネタバレの難しさも、うまくクリア。(ネタを説明せざるを得ない時にはタイトルを明かさない、ってこれはいい方法。読者が、知らずにその作品に当たって、ああ、これのネタだったのか!と驚ける)
有栖川さんの作家としての姿勢も、そこここに垣間見ることが出来る。「不動産のチラシに間 -
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面白かった。
ただ短編すぎて物足りないとこもあったので☆は四つ。
個人的には一番面白かったのは「雷雨の庭で」かな。やっぱり、ちょっとボリュームがある方が楽しめる。
時絵ばあちゃんが好きだから「偽りのペア」も好きかな。
いつ読んでも、どんな残虐な事件の話でも、この作者の暖かい人柄が筆に表れてて読みやすい。
しみじみ好きだなぁ…。
品がいいんだよなぁ。
2011.10.22
20190920再読
どの作品もなんだかクスッと笑えてしまって、微笑ましい短編集という印象。
短編だとやはりパズル的趣向が強いからかな。
特に表題作「火村英生に捧げる犯罪」は傑作だと思う。
アリスが出てきて解決するという -
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神崎達也は上司に撃ち殺されてから1ヶ月後に幽霊デビューした。
怒りのあまり化けて出ようにも相手に自分は見えない。
親にも結婚直前だった彼女にも神崎の姿は見えない。
しかしイタコの祖母を持つ同僚の早川にだけは見えた。
ここに幽霊刑事と霊媒刑事のコンビが誕生。
ところが肝心の上司が密室で射殺される。
黒幕は誰だ?動機は?
これはホラーではないですよ。
れっきとしたミステリですよ。
恋愛テイストを効かせたミステリです。
ちゃんと伏線も張り巡らせてあります。
相変わらず犯人が出てくるまで気付きませんでしたけど(^◇^;)
そして色々と切ないです。面白かったです♪
霊媒刑事早川が活躍する番外編は、アン -
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ネタバレ『ガラスの檻の殺人』
知り合いの女性のストーカー退治を請け負った探偵。ストーカー男の反撃にあい気絶する。気絶している間にそのストーカーが刺殺される。現場の公園の中にいた探偵と依頼人を含む4人の容疑者。犯人が凶器を隠した場所の謎。自動販売機の秘密。ガラスの檻の中の犯人は?
『壁抜け男の謎』
盗まれた名画「壁抜け男」。しかし盗んだ犯人は迷路の中に名画を放置し逃走。迷路のなかで発見された名画。拭き取られた指紋。薬で昏倒させられた被害者の松原利雄。松原に絵を売った画商の杉田実、画家の武川ローラ、美術展に名画の出品を依頼しにきた三田村。迷路の中から消えた犯人の謎。
『下り「あさかぜ」』
鬼貫警部の贋