森博嗣のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ人工知能が学習を進めたその先は人を超えて機械的な判断をするのか、又はその逆なのか。
本作を読んで、今の多くの産業が数十年で頭打ちになった時、人はなんのために生まれて、死ぬのか考えさせられた。
人が第一であると人が考えているが
AIが進化し、本作であった人のように揺らぐこともできるなら
AIはなにを第一と考えるのか。興味は尽きない。
ウグイが昇進し、ハギリの元を離れてしまうのがなんとも寂しい気持ちになった。
オーロラがウグイの形をしたのも、そういった意図があったのかもしれない。
ハギリ陣営が大きく変わったラストだったので、早急に次作を読みたい。 -
Posted by ブクログ
幸せすぎると幸せを感じなくなるのはなぜなんだろう。
そんなことを昔からよく考えていたけど、
正弦波と同じと書いてあってなんだか納得した。
プラスとマイナスが最大の時はエネルギーを使っておらず、幸せや辛さを一番感じるのはゼロの状態。プラスからマイナス、あるいはマイナスからプラスへ転換する時。
確かにそうだと思う、今底辺にいるなぁ〜って時、辛くないもん。上がり始めるとあの時は底辺だったなと気づく。
森さんは当たり前のことをわかりやすく言語化してくれる人だなぁと本を読む度思う。
ふわっと認識していたことを、はっきりと言語化してくれる。ご自身でも書いていた通りたまに極論だけど。
寂しいってなんなんだろうな。私は人と会って別れた後は、楽しい時間が終わってしまったことにその瞬間は寂しさを感じるけど、なんやかんや一人は楽しい。
恋人に会えなくて会いたいなぁって思う気持ちは寂しさではなく恋焦がれているだけな気がするし。やっぱそこはよくわからん。
面白かったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレp192「ただ、依頼される仕事は、もっと急である。雑誌も新聞も、原稿依頼は「来月までに」と締切が早い。再来月には印刷して発行する、といったスケジュールなのだ。そういうぎりぎりのルーチンで、この業界は回っている。ライブ感覚を楽しんでいる人たちなんだな、としか思えない。」
この"ライブ感覚"のくだり、声出して笑った。
20年12月初版発行ということで、コロナ禍について触れられていて臨場感があるのだけど、相変わらずことごとく冷静で、鋭く、客観的な意見が述べられる。こういう特異な状況下においても価値観が本当にいつでもブレていなくて感心する("上から目線"かしら?)。「"あなたは"どう生きたいんですか?」という話。
p34「政府がマスクを買い上げて、これを必要なところへ、優先順位を決めて配布するというのは、一見良さそうなシステムに見えるだろう。だが、こういったシステムでは「利権」というものが必ず生じて、国民の平等を基本として謳う多くの社会主義国家では、役所や権力者へ袖の下(つまり賄賂)を渡さないとなにも手に入らない、というような事態になる。これこそが、「本当に欲しい人に届かない」システムなのである。」
p70「人を非難する人(中略)というのは、非難されたくない、と恐れている。恐れているのは、非難という行為が有効だ、やる意味がある、と評価している。だから人を非難する。同時に、非難することで自分は非難される側ではなく非難する側に立てる、という安心感も抱く。」
p77「コロナで店を閉めれば、家賃と光熱費、人件費で一ヵ月に一千万円もかかる。補助金をもらっても焼け石に水だ」と訴えている人たちがいた。少なくとも、政治家のミスで、このウィルス騒動になったわけではない、と僕は思う。また、そんな大金をつぎ込むことで大儲けを企んでいたのだから、それもしかたがないのではないか、と僕は考える。少なくとも商売とはそういうものだ、と僕は教えられた。/大金持ちは、大勢の召使が働いて大邸宅を維持している。商売に失敗したら、その生活を維持できない、どうしてくれるんだ、と言っているのと同じである。/ただ、そういった訴え自体を非難しているのではない。商売が上手くいっている時期には、誰もが黙っている。(中略)そのときに、いざという場合に備えて蓄えておくべきではなかったのか、くらいは尋ねても良いのではないか、と思うだけだ。」 -
Posted by ブクログ
WWシリーズ6作目、2022年4月発行。
(森博嗣のシリーズ作品は全て、どこから読んでも構わないように出来ているので、シリーズ何番目とかはそこまで気にしなくて良いと思う)
物語は主人公がバーチャル上で受けた相談から始まる。仮想空間からログオフができなくなった、リアルな肉体が見つからない、と。
それを探すことで物語は進むけど、それは話のダシで、本骨頂はいつも通りの主人公の思考と会話。
リアルの自分の記憶と思考を全てコンピュータに移したら、それは自分なのか?バーチャル上の人格は人だと言える?
科学技術が進歩した近未来の世界観はこうなっているんだろうなと納得させられるのも楽しい。
物語はちゃんと終わるけど、思考のタネを撒かれた読後感がクセになる感じ。次の7作目も楽しみ。