森博嗣のレビュー一覧

  • 工学部・水柿助教授の逡巡 The Hesitation of Dr.Mizukaki

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    水柿助教授シリーズ第二弾。一作目を読んだあとは「助教授の日常生活ってこんな感じなんだー」くらいの感想しかなかったが、二作目を読みすすめていくうちにだんだん水柿助教授の独特の雰囲気につつまれて、おもしろさが増してきた。二作目は主人公がとうとう作家になってしまって、助教授と作家の兼業生活の様子が描かれている。適当な感じのダジャレが多いが、それよりも夫婦間の会話がとてもおもしろい。奥さんの須摩子さんのキャラがなによりとてもよい。素敵すぎる。作家森博嗣氏の自伝小説的なものであるらしく、「相田家のグッドバイ」とかぶる描写もあったりして面白く読めた。

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    2015年11月06日
  • スカイ・クロラ

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    キルドレの正体、クサナギとクリタの関係……。見えるようで見えない、そんな世界。時系列、刊行順に読んでも一本のレールに収束していく形は素晴らしい。私は時系列順に読み進めたが、出来るなら頭の中をリセットして、まっさらな状態で読み返してみたい。その時はどの順序で読むかは分からないが、今回とは別の感情は物を得られるだろうなと感じつつ……。

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    2015年10月18日
  • どちらかが魔女 Which is the Witch? 森博嗣シリーズ短編集

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    お馴染みのキャラクター達が登場し、森ミステリィファンには堪らない短編集。
    今までに読んだことがあるものも多かったが、さすが森先生、何度読んでも楽しめる。

    「ぶるぶる人形にうってつけの夜」から始まり、「刀之津診療所の怪」で締めくくるという流れもよかった。

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    2015年10月16日
  • クレィドゥ・ザ・スカイ Cradle the Sky

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    見えるようで見えない。主人公は「僕」という一人称で呼ばれ、最後まで名前を明かされなかった。一体誰なのか? クリタかクサナギかそれとも他の誰かなのか......。 キルドレの確信に迫るものの、全ては明らかにされない。隣接に関わっている筈のフラッタ・リンツ・ライフと繋がっているのかも見えない。全てを読み終えた時に欝的な気持ちになるが、それがまた心地よい。全てを見せず・明らかにせず、読者に考察させるという書物に感じる。学者ならではの作品ではないだろうか。

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    2015年10月09日
  • ダウン・ツ・ヘヴン Down to Heaven

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    生と死。尊敬と愛に包まれた人と対決しなければならない物語。中間~終盤にかけて「生きる」ことと「死ぬ」ことが密接して読者に考えさせる作品。大人の事情でレールをひかれた結果になってしまうことを後で知らされること。才能のある人間が、上からの命令で出世しなくてはならなくなる。理不尽な社会を見ているように感じた。

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    2015年10月03日
  • 今夜はパラシュート博物館へ THE LAST DIVE TO PARACHUTE MUSEUM

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    ネタバレ

    森先生の短編集はあまり読んだことが無かったのですが、様々な作品でみられるような、エッセンスが盛りだくさんで、贅沢な一冊だなと思いました。個人的には大満足です!

    読者ひっかけがさえてます。
    中には、場合によっては、ひっかけに気づかないこともあるのではないかと思いますし、
    小説やミステリとはこうあるべき、みたいな壁にさりげなく抵触することで、自然と我々の凝り固まった視点をずらしていくような、そんな雰囲気を感じました。

    この感覚が楽しみだから、森ミステリはやめられないです。

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    2015年09月17日
  • つぼねのカトリーヌ The cream of the notes 3

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    ネタバレ

    森先生が提示する視点にはハッとさせられるものが多い。内容的には賛同できるもの、疑問を呈するもの様々であるが、6割以上はなるほどと頷けるので、考えるきっかけを与えてもらえるという意味で、森先生のエッセイは愛読している。

    今回、一番印象に残ったのは、読書感想のネット投稿に関する苦言だった。

    それは、「思考を、熟成させることなく表に吐き出」すため「最初から他者を意識した言葉、他者を意識した思考しかできなくなる。このため、多くの人の言葉や思考が、充分に熟成していない、薄っぺらなものになっている」(P.89)というもの。

    何とも耳が痛いことをおっしゃる。

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    2015年09月13日
  • つぶやきのクリーム The cream of the notes

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    エッセイとしてはめずらしい書き下ろし100編。筆者曰く、テーマを100本考えるのに時間がかかる。本編はそれについて書くだけだからずっと楽。その辺もこの人らしいなぁ。

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    2015年09月12日
  • 地球儀のスライス A SLICE OF TERRESTRIAL GLOBE

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    概ね好きな作品は一般の評価と一致してるみたい。微妙にファンタジー要素がある「小説っぽい」描写がコンパクトにまとまっていて、読後感が良い。

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    2015年09月08日
  • 工作少年の日々

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    自分は自動車部品会社の一員から、森氏の工作への執念はシミジミわかる気がする。同時にあんな素敵な奥様を貰えるなんてね~

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    2015年08月22日
  • どきどきフェノメノン A phenomenon among students

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    主人公・院生の窪井佳那と、彼女を取り巻く男性陣のお話。
    彼らそれぞれに良いところ嫌なところがあり、最終的に佳那が選ぶ(というよりも、選ばれた?)人は…。
    不覚にもラストにキュンとしてしまいました。
    恋愛対象じゃなかった相手を何かの拍子に好きになってしまう、ってあるよね〜とも思ったし、ミステリィの巨匠・森博嗣 初のラブコメディに「どきどき」しながら読み進めました。
    この作品の中で何よりも秀逸だったのは、森博嗣の言葉遊び。
    入院中の眠れない夜に読んだのですが、思わず病室で吹き出してしまった程!
    ラストも爽やかで、読んですっきりと気持ちよくなりました。

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    2015年08月20日
  • 探偵伯爵と僕 His name is Earl

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    小学生の「僕」とアールと名乗る「伯爵」が、ある日公園で出会い、そのうち失踪した子供の捜索をすることになる話。小学生の「僕」がストーリーを語る構成になっていて、言葉は幼いが、鋭い部分もあり、子供独特なユーモアもあり、わかりやすくておもしろい。内容は幼児誘拐殺人事件というディープな話なのだが、さらっと描かれていて、読後に考えさせられた。最後に明かされるトリックはいい感じに「あ~れ~」とやられた。よかった。

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    2015年08月06日
  • 創るセンス 工作の思考

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    私も創れる人になりたいなあ。
    森さんは結構独学らしいですが、やっぱり美大や工大に憧れる。下手でも仕事にならなくもそっち方面行けばよかったな。と、いつものどうにもならない思考。

    理科離れ、既製品に囲まれて、なるほどなるほどと思う。まさに私はなにをつくっていいかわからない、現代の若者に当てはまってしまう。
    これから挽回して自分なりに創る楽しさを持ち続けよう。

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    2015年07月29日
  • 工作少年の日々

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    エッセイ。飛行機や、自身の子供時代の事、奥さまの事など。たまに格好いい事が書いてあって痺れる。
    子供に生きざまを見せるのが、親。

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    2015年07月15日
  • 暗闇・キッス・それだけで Only the Darkness or Her Kiss

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    いいなぁ
    森さんいいなぁ

    静かでクリアで理路整然とした文章
    そして思考

    こんな風に生きたい
    常に自分を客観視できる自分でいたい

    いかに自分が曇っているかがわかる

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    2015年07月07日
  • つぼねのカトリーヌ The cream of the notes 3

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    これを読んで「ああそうだな」と思うばかりではなく「いやここは」と思うところも出てくるようにするのが理想かな、とまた思った

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    2015年06月28日
  • つぶやきのクリーム The cream of the notes

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    昔からエッセイが好きだけど、小説家というよりは人生の先輩というか、その「人」についてもっと知りたいという気持ちでいくつも読んでいた気がする。

    いまは小説読むほうが好きなのに、森さんの小説はなぜかあまり読んでなくてエッセイから入ってしまった。理系的な考え方が好きなんだと思う。
    なるほど、と思うものもあるし、ちょっと違うなというのも勿論あるのだけど。

    【なるほど】
    「汚い言葉を話したり書いたりすれば、自然に汚い人間が出来上がる。」
    →昔の子どもは言葉遣いから丁寧だったというのはよくわかる。いまは親と子の関係性も変わってきているからか。

    「偉い人の話を聞いて、それをそのままブログに引用しても、

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    2015年06月19日
  • 暗闇・キッス・それだけで Only the Darkness or Her Kiss

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    Only the Darkness or Her Kiss~僕・頸城悦夫は元同棲相手の水谷優衣からの依頼で,IT長者・ウィリアム・ベックの本を書くためのインタビューで有名な避暑地の別荘にやってきた。友人の赤座都鹿からポルシェを借りた。広大な敷地にはヘリポートもあり,ウィリアムは急用で東京に出掛けており,息子のアンディもいない。妻のサリィとアンディの恋人・シャーロット・デインはいるらしいが,実際に言葉を交わしたのは家庭医のロジャ・ハイソンだけだ。ヘリコプターが帰ってきて,若い女性の悲鳴があがった。僕が会った直後に銃で撃たれたらしい。警察が来て取り調べが始まるが,凶器は見つからず,犯人が外に出た形

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    2015年06月10日
  • 自由をつくる 自在に生きる

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    ~は嫌い。とか、好きだからこその支配。拘り。
    考えること、発することの『自由』。受け入れること。
    自分がどのように変われるか楽しみ。

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    2015年06月19日
  • 暗闇・キッス・それだけで Only the Darkness or Her Kiss

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    このドキドキ百パーのタイトルに乾杯!
    まさかのシリーズ化、先生のサービスというのかな。
    こんな淡々なハードボイルドはやはり先生らしい。
    こんな不器用な淡泊男もかわいそうなほどかわいいなっと思う

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    2015年05月18日