森博嗣のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
水柿助教授シリーズ第二弾。一作目を読んだあとは「助教授の日常生活ってこんな感じなんだー」くらいの感想しかなかったが、二作目を読みすすめていくうちにだんだん水柿助教授の独特の雰囲気につつまれて、おもしろさが増してきた。二作目は主人公がとうとう作家になってしまって、助教授と作家の兼業生活の様子が描かれている。適当な感じのダジャレが多いが、それよりも夫婦間の会話がとてもおもしろい。奥さんの須摩子さんのキャラがなによりとてもよい。素敵すぎる。作家森博嗣氏の自伝小説的なものであるらしく、「相田家のグッドバイ」とかぶる描写もあったりして面白く読めた。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ森先生が提示する視点にはハッとさせられるものが多い。内容的には賛同できるもの、疑問を呈するもの様々であるが、6割以上はなるほどと頷けるので、考えるきっかけを与えてもらえるという意味で、森先生のエッセイは愛読している。
今回、一番印象に残ったのは、読書感想のネット投稿に関する苦言だった。
それは、「思考を、熟成させることなく表に吐き出」すため「最初から他者を意識した言葉、他者を意識した思考しかできなくなる。このため、多くの人の言葉や思考が、充分に熟成していない、薄っぺらなものになっている」(P.89)というもの。
何とも耳が痛いことをおっしゃる。 -
Posted by ブクログ
主人公・院生の窪井佳那と、彼女を取り巻く男性陣のお話。
彼らそれぞれに良いところ嫌なところがあり、最終的に佳那が選ぶ(というよりも、選ばれた?)人は…。
不覚にもラストにキュンとしてしまいました。
恋愛対象じゃなかった相手を何かの拍子に好きになってしまう、ってあるよね〜とも思ったし、ミステリィの巨匠・森博嗣 初のラブコメディに「どきどき」しながら読み進めました。
この作品の中で何よりも秀逸だったのは、森博嗣の言葉遊び。
入院中の眠れない夜に読んだのですが、思わず病室で吹き出してしまった程!
ラストも爽やかで、読んですっきりと気持ちよくなりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ昔からエッセイが好きだけど、小説家というよりは人生の先輩というか、その「人」についてもっと知りたいという気持ちでいくつも読んでいた気がする。
いまは小説読むほうが好きなのに、森さんの小説はなぜかあまり読んでなくてエッセイから入ってしまった。理系的な考え方が好きなんだと思う。
なるほど、と思うものもあるし、ちょっと違うなというのも勿論あるのだけど。
【なるほど】
「汚い言葉を話したり書いたりすれば、自然に汚い人間が出来上がる。」
→昔の子どもは言葉遣いから丁寧だったというのはよくわかる。いまは親と子の関係性も変わってきているからか。
「偉い人の話を聞いて、それをそのままブログに引用しても、 -
Posted by ブクログ
Only the Darkness or Her Kiss~僕・頸城悦夫は元同棲相手の水谷優衣からの依頼で,IT長者・ウィリアム・ベックの本を書くためのインタビューで有名な避暑地の別荘にやってきた。友人の赤座都鹿からポルシェを借りた。広大な敷地にはヘリポートもあり,ウィリアムは急用で東京に出掛けており,息子のアンディもいない。妻のサリィとアンディの恋人・シャーロット・デインはいるらしいが,実際に言葉を交わしたのは家庭医のロジャ・ハイソンだけだ。ヘリコプターが帰ってきて,若い女性の悲鳴があがった。僕が会った直後に銃で撃たれたらしい。警察が来て取り調べが始まるが,凶器は見つからず,犯人が外に出た形