森博嗣のレビュー一覧
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元名古屋大学助教授が書いた理論派のエッセイ。
少し毒舌で面白い。
女性見て美人だなあと思うには年寄りの方が多い。これは評価基準が下がったからではなく、これから見れる機会の差だろう。
若者は、いやまだ出会っていないに美人がいるに違いないと思うからだ…いや納得!
他にも、情報と広告は同じではないか、組み合わせると別のものになるものは非常に多い、自由を教えるにはまず支配すれば良い、芸術家は過去の仕事に価値が生じる、明日死ぬと思って行動し、永遠に生きられると思って考えろ、表現とは他者を説得できる行為、水が何で出来ているかを知っているのは重要。面白い。 -
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『もう少し、なにか良い言葉をかけてあげれば良かった。ちょっと油断していたのではないか。若いときの自分だったら、もっと緊張感があって、ここぞというときに言いたいことをずばっと言えたような気がする。最近、どうもいけない。鈍っていると感じるのだ。べつにもう人生これで良いではないか、という諦めみたいなものに支配されつつある。』
「真鍋君としては、どうなの?」
「何がですか?」
「永田さんのこと」
「ああ… ー いえ、全然です」
「全然大好きとか?」
「なんか、そういう方向へ持っていきたがりますよね。若者を見ると、とにかく色恋沙汰の話しかできない中年って多いと思うんですよ。あれはどういう心理なんでしょ -
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ネタバレ森博嗣氏が100個の話題に対する考えをまとめた、大学の講義のような一冊。私が特に面白いと感じたのは子育てに関する森氏の考え方である。子供であろうとも一人の人間として尊重し、自由や物を与えたりしない姿勢は自分にとっては驚きであった。私自身がいろいろと親から与えられて育てられたと感じているからである。いろんな環境の下で育った人がいるからこそ、いろんな考え方の人間がいる。そんな当たり前のことを再認識させてもらえた。
そしてエッセイという形によって自分とは違う考え方を垣間見ることができるのはうれしい、かつ面白い。言語を持つ人間という生物の特権であろう。 -
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スカイ・クロラやS&Mシリーズなどで知られている森博嗣さん。
本書はその森さんによるエッセイ集なのですが、自らを題名にある水柿助教授と言う人物として表現する等、フィクション形式を採用しています。
後半になるにつれ脈絡のない話になって来ていますが、色々と面白い一文があり、例えばミステリィファンの奥さんを紹介する一文では
ミステリィファン、というのは、つまり、ミステリィ小説を読む人たちのことで、ミステリィ小説を書く人のことではない。
この点が重要なのである。
や、大学教官の奇妙なエピソードを紹介した後、
大学の教官というものは、相当におかしい人種なのか、と思いがちである。
それはとん -
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森博嗣が生徒の成績評価のために講義で質問を受け、その中から一部を抜粋して載せたもの。
答えの切れ味が鋭い。
質問の本質は何か?という事を気づかされる。
自分で調べればわかるものは調べればよい、どう思うかはほとんどが主観、言葉は定義によって縛られる等など、基本的な事。
答えの指針は下記の通りらしい
1.情報を問う質問には、情報が存在する範囲で答え、その情報を得る方法を教えれば良い。
2.意見を問う質問に関しては、意見を誇張してずばり答えるか、あるいは、その意見を問う理由、意見を一つに絞らなければならない理由、を問い返す。
3.人生相談、あるいは哲学的な質問に関しては、まず定義を問い返す。
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重要なことは「人間はそんなに単純なものではない」ということ。言動は時と場合によって変わる、考え方もタイプもずっと同じではない。揺れ動いているのが普通である。さらに、深い考えをする人間ほど、なかなか本心というものはわからない。どう見せようかという事を考えて行動しているため、言動から類推できることはあくまでも作り物、演じられている外交的な型でしかない。そういう人は、場合によって全く違うタイプになることがあって、あたかも多重人格者のようにも観察されるが、それは、こちらの見方が部分的だから起こること。
重要なのは「決めつけないこと」抽象的にぼんやりと捉えることで、決めつけないという基本的な姿勢を変 -
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ネタバレ<印象的な箇所のクリッピング>
・小説家もビジネス。小説書くのが好きなだけなら無料で作品配布すればいい。
・商売の基本は、新しいニーズを発掘してそこに商品を投入することの繰り返し。
・とにかく書き続ける。1個ヒット作出すより10個小さく当てる方が現実的。
・ユーザーのネットの感想を分析する。ネガティブ意見は貴重。何故そういう書き込みをするのか、ユーザーの心理を分析すると小説の次回作に役立てることができる。
・出版社のお客さんは読者ではなく書店さん。
・作家を将来にわたってプロモートするような出版社はない。作家は自分の作品をセルフマネジメントする必要がある。
・出版業界はビジネスの常識から見てお