森博嗣のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最近、森博嗣の著作は新書の方が読みやすい。
昔は小説も何冊か(「すべてがFになる」とか)読んだけれど、この間、久しぶりに新作「彼女は一人で歩くのか?」を読んだら、ちょっとついていけなかった。(ジャンルのせい?)
個人的に小説家という職業に興味があって、この本も手にとった。こういう「小説家になろう」みたいな本は、以前にも別の著者のものを読んだことがあるが、それとはまったく別物な気がする。
だいたい、こういう本は二つのパターンに分かれると思う。
一つはまったく具体性のない、抽象的な話と精神論みたいな話が続くもの。もう一つは具体的に一から細かく説明がなされているもの。
本作はそのどちらにも属さない。強いて言えば、どっちも半分ずつ良いとこどりをした感じ。だからすごくお得だなと読み終えた後に思った。
目からウロコだったのは、「文体は必要ない」「メモは作らない」のところ。自分って色んなものの型にはまりすぎていたんだなと再認識した。
その他、出版業界の話、ビジネスとしての作家になるにはといった話もとてもためになった。
とにかく書くこと。
おっしゃる通り。わかりやすいとは言えないけれど、その一歩を踏み出すのに大いに勇気をくれる一冊だなと思った。 -
Posted by ブクログ
何に対してもやる気を持てない主人公が、大学センターから「ここに就職するのは本当に何処にも行くあてがない人」と言われている不動産会社に就職し、風変わりな客を相手にし、人生が色彩豊かになるという物語。森博嗣らしからぬ(?)、とても素朴で温もりのある作品でした。最後に、気に行ったフレーズを。”幸運を摑むのは、その人が持って生まれた能力によるものです。言い換えるならば、幸運といったものは、この世にはない。あるとすれば、幸せを築く能力、それを持っていた、幸せを築こうという努力、それをしたというだけのことです。その能力と努力によって、順当に作られていくのが幸運なのですよ”
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Posted by ブクログ
自由に生きるためには、目標を設定すること。
『大した苦労ではない。毎日少しずつ、自分の決めたことを実行するだけだ。たとえば、起きたいと思った時間に起き、しようと決めたことをする、というだけである。このように自在に生活できれば、既に自由の一部は実現している。計画さえあれば前進できる。すべては、最初の自分の位置を確認することから始まるのだ』
自由って、「無」の空間じゃないんだ。
目から鱗が落ちる思いでした。
自由って、
「枠組が何もないこと」、そのよう感じていたけど、
目標を達成すること、そこに自由がある。
その発想に。
そして目標に達成するためには、計画という枠がなければいけない。
枠に沿った生活をしていかなければならない。
でも・・・
『「努力をしろ」と無理にいっているのではない。そんなに苦しむようなことではない。苦しさが続くようなら、その方法を疑った方が良いだろう。楽しめなければ長続きしないから、自分に合ったペースで、一歩一歩自由に近づいているという感触を味わいつつ、旅行気分で前進する。その方がきっと上手くいくだろう。』
苦しい努力は必要ない。
旅行気分。
なんて心を緩やかにしてくれる言葉でしょう。
たしかに、「無」の中に停滞していることは自由ではないものね。
前進すること。そこに自由がある。
私も自由のために前進しなければ、心からそう思いました。
それから、アーティストを見る目。
『一度囚われると、人間はそこで立ち止まってしまうから、創作者に比べれば、それを受け取る側の人々は保守的になるし、どうしても「昔の作品の方が良かった」と感じるようになる場合がある。そういう懐古的なファンがいること自体が、創作者が前進し続け、大きくなっている証拠でもある。』
これは、今まで言葉に出来なかったむずむずとした思いを、明文化してくれたと、
心の中の積み木がうまく重なった感じ。
少なくとも森博嗣については、
まだ懐古厨にならず、先生についていきたい。
先生の大きさを感じたい。
無限の広がり。
先生の作品にはまだそれがある。
それが、この「自由」の概念から生まれているのですね。