森博嗣のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
森さんのシリーズ外の小説です。
タイトルと最初の数ページから受けた印象は、「少年と不思議なおじさんとの出会い、ちょっと不思議な事件、ひと夏の冒険と心温まる思い出」みたいなものだったんですが、読み進めてみると、心温まる話ではなかったです。
子ども目線から見た誘拐事件で、文章からライトな印象を受けてしまうけど、実は全然ライトじゃなかったです。
新太くんはかなりマセガキな感じでしたが、たぶん私も子どもの頃大人に対してこう思ってたことあったなーっていうことも結構ありました。
文章は新太くんの日記ということになってるので、あれ?そういえばあれって結局なんだったんだろう?っていうところもありました。
最後の仕掛けからして、意図的にあえて新太くんは書かなかったんじゃないかなというところもありました。
心は温まらないけど、何か不思議な気持ちにさせてくれる、そんな話でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本とよく似たタイトルで、著者の「常識にとらわれない100の講義」という本があり読みました。タイトル・構成・コンセプトは、全く前回と同じだとバレバレですが、どうしても手に取り読んでしまいます。モノの見方の視点が、一般解とは違っていて面白い。面白いという感覚を持つのは、「私自身もそう考えたりすることがある」が、そこまで堂々と意見を表に出してくれてると嬉しいという感覚かもしれない。だから面白いというより共感なのかもしれない。著者の考え方の中心は「合理性と抽象性」だと思います。一見すると矛盾する2つの考え方ですが、これが両立しているところが不思議な思考の世界を創っているとも思えます。
29番目の講義「はっきりしない人間になろう」という項がある。そこからの引用です。
人間の「深み」という言葉が示す通り、魅力のある人、尊敬に値する人、凄い人というのは、計り知れない。現実も、いったいどこに本質があるのかはっきりと見えないものである。物事を簡単に断定しない慎重さこそ「深さ」であって、意見を絶対に変えない頑固さが「浅さ」になる。
「ぼんやりしていろ」というのではない。「簡単に決めるな」ということである。
そういわれると「深い」と感じてしまいます。 -
Posted by ブクログ
「札幌かぁ…あそこはもう日本じゃないでしょう?」
「そうでもないと思うよ」
「だって、梅雨もないって言わない?」
「ゴキブリもいないって」
「あとほら、豚骨ラーメンもないらしいよ。早く独立すればいいのにね。沖縄みたいにさ」
「沖縄も日本だよ」
「あほら、一粒でレモン三十個分とかってキャンディあるでしょう?」
「あるかな」
「私、スーパでレモンを見るたびに、これってキャンディの三十分の一か、栄養ないなあって思うもの」
『「面倒だよね。僕が口でプロットを話すから、君が書いたらどうかな」水柿君はこのあと、「君なら、毎日、暇でしょう?」という言葉を呑み込むのである。このようにして毎日呑み込んだ言葉はどこへ行ってしまうのでしょうか、お母さん。』
『大勢の知らない人たちに好かれなくても、身近な数人に好かれていれば、生活は充分に楽しいのではないか』
「あれぇ… ー なんだ。本当に講演会なの?」
「当たり前じゃん、何だと思ったの?」
「なんか、隠れて悪いことするんじゃないかって」
「悪いことって、たとえば?」
「法隆寺に放火するとか」
「やっぱり、元を取らないといけないっていう心理が働くのね。温泉なんかにいくと、みんな、溜息ばっかりついて、ああ、のんびりのんびり、とかって、必死になってのんびりしているもの、どうもいけませんねぇ」
「できるだけ沢山がFになるように努力しました」
「なにか新しいことにチャレンジしようなんて気はこれっぽっちもない?」
「私はね、生きていることが、もうチャレンジなの」
「なるほど」
「毎日、いかに楽をして、平穏に生きるか、眠いときにどれだけすぐに眠れるか、というチャレンジなんだな」
『ま、いろいろあるけれど、
何が大切なのかさえ忘れなければ、
きっと大丈夫だろう。
溜息をつき、もう一度空を見上げる。
箸を刺すまでもなく、空も、いい感じだった。』 -
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森博嗣作品をコンプリートしていないと、この本の価値はわからんのだなあ。ここまでのシリーズ、短編を全部読んでいた僕でさえ、森さんの時空のトラップを忘れていた。
刀乃津診療所の怪 は、本当に懐かしかった。Vシリーズと四季シリーズを読み終えて、以前の作品を再読したい、いやしなくてはと思いながらも先へ進んでいたけれど、こんなところで2人に出会えるとは!れんくんとしこさん!
ライ麦畑で増幅して では保呂草さん。うーん、たまらん!
率直な感想が浮かんだ。そう、人ってこんな複層構造で人生を送っているんだよね。
普通の小説なら、そこに出てくる閉じられた人間関係で完結していて、たいした空間の広がりも時間の広がりもない、薄っぺらな世界観しか描いていない。でも、森博嗣作品をすべて読むと…そこには人ってこんなふうに関わって、こんなふうに年老いて、こんなふうに変わっていって…でも記憶に固着した素敵な友人たち、本当に大切な人たちのことはずっと思いの中にしまわれていて。
この短編集にきてようやく、森博嗣作品の素晴らしさに今更ながら感動しました。 -
Posted by ブクログ
Mシリーズの1作目です。
エッセイ的要素を多分に含んだ小説なのかなって感じでした。
水柿君がすごくおもしろくて、森さんも普段こんなこと考えてたりするのかなとか思いながら読みました。
私的には1話と5話が好きなんです。
どの話もいろんなエピソードが詰め込まれすぎてて、これはおもしろいっていうのもあれば、これはよく分からないなっていうのも。
というかエピソードがありすぎて、特におもしろかったの以外はあまり覚えてません…。
でもおもしろいところは思わず笑っちゃいながら読んでました。
水柿君の人柄はとても好きになりました。
にこにこっていうところとかすごくかわいいです。
愛妻家なところも素敵。
あと2作読むのが楽しみです。 -
Posted by ブクログ
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