森博嗣のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
森博嗣の新書は安定して面白い。こりゃ小説も面白いだろう、と思わされる。まさに作者の思うつぼだ。
小説家になりたい人はとにかく書け!というのが一貫した方法論。他には、創作物(ドラマ、映画、漫画)を見て創作するのは駄目。そこにはすでに他者の視点が入っているので、広くて自由な視野が阻害される、という。これは大変納得の意見だ。引っかかってくる作家は結構いると思う。
個人的に、漢字・ひらがな・カタカナ・送り仮名の統一表を作ったが膨大な量になり放棄した、という話にホッとした。本のレビューを書く時も悩むのだ。自分にとって自然な文章を書くのが一番だ、という。その言葉が聞きたかった!という気分だ。
時々「 -
Posted by ブクログ
ネタバレこのスパーリングのような対談が、ある意味で最高レベルのパフォーマンスだと思ったのは、ここで語られている瑣末な話題の中に垣間見える論点が極めて哲学的であったから…
森博嗣先生のことについては、おおよそ1年間かけて、著書を51冊読んできたので、それなりに知っているつもりです。でも、土屋賢二先生のことについては、まったく存じ上げない状態で読み始めました。
最終章の「そこに論点があるか、あるいは何もないか」では、編集者らしき人物が二名登場し「テーマに沿ってお話をいただきたい」という発言もありますが、そもそもテーマらしきものの提示が認められず、最後までテーマが何か、それとも何もないか、解らない -
Posted by ブクログ
インターポールで働く主人公のレナルド・アンペールのもとにフランスの刑事がやってくる。
殺人現場で両手を縛られた状態で発見された重要参考人リオンが「神様が殺した」、「神様の名前はレナルド・アンペールだ」と証言したと聞かされる。
リオンは男性ながら女性以上に完璧で美しい容姿をしている。
レナルドとリオンは大学時代に半年間だけ寮が一緒だっただけで特別親しい訳では無い。
リオンの妄言だろうか。
手がかりの無いままミラノで絞殺事件が発生。またしても現場にはリオンが拘束された状態で発見された。
異常に美しいリオンを中心に起こる殺人の犯人は誰なのか。
そんなお話。
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簡単にいうと、女性にしては美しすぎる男 -
Posted by ブクログ
『ぼやりと思い描くイメージこそが、最も偉大な汎用の意思。その信号のデータ量こそが、人間というものが到達した高みといえる。』
女王シリーズの第3弾にして、おそらく同シリーズの完結巻。人、ウォーカロン、命、意識、前2巻のメイントピックを、今回新たに登場した赤目姫を中枢に拵えつつ、旋回させ、潮解という形でイメージを作り上げる。ロイディに出会えなかった寂寞の念の代償として読者が得るのは、シリーズものという概念に抱いていた観念の反駁、そして、行間を只管埋めても到底到達し得ないイメージの深淵さ。
それにしても、これほどレビューが難しい作品もそうないだろう。まさに人工知能が到達し得ない最後の聖域、そこを