あらすじ
大学在籍中にコンピュータのインタプリタを作製、休学してソフトウェア会社を創業、1980年代にコンピュータ業界で不動の地位を築いた、IT史上の伝説的存在ウィリアム・ベック。会長職を譲り、第一線から退いたウィリアムは現在、財団による慈善事業に専念している。探偵兼ライタの頸城悦夫は、葉山書房の編集者兼女優の水谷優衣から、ウィリアムの自伝を書く仕事を依頼され、日本の避暑地にある彼の豪華な別荘に一週間、滞在することになった。そこにはウィリアムだけでなく、その家族や知人、従業員などが滞在していた。ところが、頸城が別荘に着いた後、思いもかけない事件が発生する。警察による捜査が始まるが、なかなか手がかりをつかむことができない。そんな中、さらなる悲劇が……。取材のために訪れた頸城は、ウィリアムの自伝執筆の傍ら、この不可思議な殺人事件にも関わることになる。果たして、事件は解決できるのか。忘れ得ぬ苦しい記憶を背負った探偵が、事件の謎・愛の影を探求・逍遥する、至高の長編小説。待望の書き下ろし長編ミステリー。
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Posted by ブクログ
森博嗣作品には珍しくぼんやりした主人公で新鮮だった。ミステリではないしあらすじを説明しても面白さは1ミリも説明できない、プレゼンしにくい面白さ。
Posted by ブクログ
「これから、きっと、どこかで女と会うんでしょう?」
「女って、誰のこと?」
「とぼけてる」
「まあ、人間のうち半分は女性だからね。もしかしたら、会うかもしれない」
『その言葉の嫌らしさは、僕が抱いている気持ちには微塵も存在しないものなのに、そのままは伝わらないだろう。それでも、その言葉しかないというのが、つまり、言葉が生まれながらにして汚れていることの証拠だ。』
「そうだね。不謹慎な話をしているね、僕たち」
「だって…」
「まあ、ビジネスっていうのは、ほとんど不謹慎なものだけれど」
「そうよ。そのとおり」
「何をしに、こちらへ?」
「なにも… ー 父のお供で。でも、パーティがあるわけでもないし、話し相手もいないの」
「そのうち、パーティくらいあるかもしれないし、話し相手くらいなら、いるでしょう?」
「今は、いるみたい」
「そう、それもある。すべての情報を素直に受け入れる。自分の間違いにできるだけ早く気づくセンサを持っていること。人から指摘されるまえに気づいた方が良いからね」
「どうしてですか?」
「自分で気づけば、バージョンアップできる。人が指摘すれば、それはエラーになる」
「ここで、どなたかお待ちなのですか?」
「いえ、誰も」
「座っていい?」
「たぶん」
「たぶんって?」
「さっきまで、そこに刑事さんが座っていたから、たぶん、君が座っても、壊れたりはしないと思う、という意味」
「それは、若いからだね、たぶん」
「頸城さんだって、若いじゃないですか」
「ありがとう ー 正直言うと、こう見えても、君くらい若いときもあったんだよ」
「そう…。私、仕事ってしたことがないの」
「バイトも?」
「ええ、一度もない」
「そう、それは、素晴らしい」
「え? どうして?」
「仕事なんか、しない方が良い。人間として、その方が素晴らしい」
「頸城さんは、昨日の殺人をどう思いますか?」
「警察が解決してくれると良いな、と思っているけれど」
「でも、探偵なんでしょう?」
「探偵といっても、誰かが僕に、殺人について調べろと依頼したわけじゃないからね。ほら、ペンキ屋さんだったら誰でも、公園のベンチを自分の好きな色に塗れるってわけじゃないよね」
「今から、どこかへ行きたいな、私」
「どこへ」
「どこかへ」
「べつに、僕は止めないけれど」
「そうじゃなくて、迎えにきてくれないかなぁって…。ランチはどう?」
「ああ、そういう意味か。だったら、そう言えば良いのに」
「言ってると思んだけれど」
「ええ、あるでしょう? 小さいのに糸を通して、ブレスレットとか作るの。もう困っちゃうのよ。沢山沢山作って、私にくれすぎるわけ。腕中ブレスレットになるくらい。マサイ族じゃないんだから」
「マサイ族って、そうなの」
「いえ、知らないけれど」
「ツイッタに書くと、炎上するよ、それ」
「暇だった?」
「君のためなら、いつでも暇だよ」
「でも、あれね…。うーん、言いたくはないけれど、いよいよ、本が売れそうな条件になってきたんじゃない?」
「君が出張してこられたのも、それなんだね?」
「もちろん、そうだよ。一昨日の事件がなかったら、無理だったと思う。今どきはね、出版社どこも厳しいんだから。特に、私みたいな非正規は」
「僕なんか、もっと非正規だよ」
「君は、どっちかというと、非常識」
「同じ屋敷で人が殺されたばかりだっていうのに、こんな話している方が非常識」
「絶対的な正義って、何ですか?」
「僕は、そんなものはないと思っているけれど、世界には、そういうのが沢山、いろいろあるんだってこと」
「テロみたいなもののことですか?」
「そう。自分の命だって簡単に投げ出せるくらい大事な正義があるんだ。そんなものを知ったら、人の命なんて、立入り禁止の標識くらいの意味しかない。駄目ですよと言って止められるものじゃない」
「だけど… ー それでも人を殺しちゃいけないわ」
「うん。君の言うとおりだ。ただ、そういう綺麗な心があっても、いくら願ったり祈ったりしても、止められないものがあるということだね」
「悲しいですね」
『人間の歴史は、誰かの声を示すために、膨大な数の人命を奪うことの繰り返しだった。それは今も、毎日、世界のどこかでまだ続いている。』
『この事件にだって、僕は正義の香りを感じる。他者を排除するだけの正義を持っている者が、引き金を引いたのだ。その指は、微塵も震えなかったはずだ。』
「あ、僕だけど。悪いね、仕事してた?」
「してた。残業、でも、近くには誰もいないから、OKだよ。私だけ残業」
「どうして、君だけ?」
「どうしてだろう。私が仕事が遅いから? それとも、私の仕事が多すぎる?」
「どっちなの?」
「わからないわ。でも…、そんなこと、どっちでも良いでしょう。やるしかないんだから」
『気持ちの良い朝だった。朝が気持ちが良いなんて、最近まで感じたことはなかった。それに、どうして気持ちが良いと感じるのかもわからない。ただ、良かった、今日も生きている、という確認なのだろう。』
Posted by ブクログ
外国の探偵物語を読んでるような、そんな感じ。想像つかないくらいの金持ちの、想像つかないくらいの別荘で事件はおきる。
探偵は女性にもてるし、しかし、問題を抱えてるし。
引きずり込まれました。
Posted by ブクログ
軽井沢を念頭においた避暑地の別荘での二つの銃による殺人事件。別荘の持ち主である米国人の実業家の伝記を書くために別荘に滞在していた頸城が犯人に臨む。
森博嗣の小説を久しぶりに読んだ。登場人物の独特なスタイルが苦手な人もいるかも知れないけれど、私は好きだ。
Posted by ブクログ
続きものだった事を知らずに読んだ。
きっと舞台のとある避暑地は地名なんて一切出てこないけど
軽井沢。
はじめは読みにくい小説かと思って変な気持ちになったけど、
途中から気にならなくなった。
Posted by ブクログ
この作家が書く小説の主人公が好き。
とても魅力的だと思う。
軽薄なくらい軽いのに、ひたむきな感じ、一途に何かに向かう感じ。主人公にはそういう素質が必要なんだ、と読むたびに思う。
これはミステリーだけど謎解き部分にはそこまで力は入っていない感じ。ミスリードと言えなくもない要素は本当に単なる観察事項として扱われているし、犯人を推察できそうな観察はあえて省かれている。アンフェアなミステリー。
そして探偵は探偵としての役割も、自分の本来の仕事(著名人の伝記を書くという仕事)もまるで二の次で、その仕事が持ち込まれたことで幸運にも復活のチャンスを得た、かつての恋人への想いに囚われている。この仕事をすることが彼女を喜ばせるなら、どんなつまらないことでもやってみせよう、という心意気。
探偵はまた、もっと遠い想いにも囚われている。はるか前に失われた、失われたことでとてつもない重みを得たもの。
人生を経るうちに背中に乗せた重みを背負い、目の前にあるもののために自分を差し出し、自分の動ける範囲の狭さを知りながらも、軽々と、飄々と生きている。それは諦観故でもあるし、だから何でも受け入れられる。だから強い。そこが魅力なんだと思う。
Posted by ブクログ
【あらすじ】
大学在籍中にコンピュータのインタプリタを作製、休学してソフトウェア会社を創業、1980年代にコンピュータ業界で不動の地位を築いた、IT史上の伝説的存在ウィ リアム・ベック。会長職を譲り、第一線から退いたウィリアムは現在、財団による 慈善事業に専念している。探偵兼ライターの頸城悦夫は、葉山書房の編集者兼女優の水谷優衣から、ウィリアムの自伝を書く仕事を依頼され、日本の避暑地にある彼の豪華な別荘に一週間、滞在することになった。そこにはウィリアムだけでなく、その家族や知人、従業員などが滞在していた。
ところが、頸城が別荘に着いた後、思いもかけない事件が発生する。警察による 捜査が始まるが、なかなか手がかりをつかむことができない。そんな中、さらなる悲劇が……。取材のために訪れた頸城は、ウィリアムの自伝執筆の傍ら、この不可 思議な殺人事件にも関わることになる。果たして、事件は解決できるのか。
忘れ得ぬ苦しい記憶を背負った探偵が、事件の謎・愛の影を探求・逍遥する、至高の長編小説。待望の書き下ろし長編ミステリー。
【感想】
すごくスケールが大きく、外国でなら有り得ることなのかなあという場所が舞台の話だった。小説によく出てきそうな感じ。ただ、主人公の頸城が変わった人物だと思った。探偵でありながらやる気のないライターで、何となく巻き込まれた事件に、探偵としてライターとして関係を持ち、調べ始めていく。頸城の性格のせいか、何となくもどかしさを感じる場面がいくつかあった。でも、話が進むにつれて明らかになっていく事実が、だんだんとわたしの興味を呼び起こしていった。ただ、これを読み終えても頸城という人物が今一つ掴めなかった。この人はまたどこかで出てくるのだろうか。
Posted by ブクログ
一つ、強い印象としては「森博嗣作品の中でも異色の主人公」という感じであった。
森博嗣の作品で特徴的な、どこか掴み所のないない主人公であったが、いつもと違いどこか俗っぽい。「俗っぽい」というのは、言葉が悪いかもしれないが、どこか恋情に振り回される主人公は、これまでにない性格に自分は感じられた。
森博嗣のミステリーはそれほどトリックを明かすことに重点がおかれてない。クライマックスに至っても、読者に任されるところがある。
今回の作品もその傾向があり、どちらかというと主人公の「俗っぽさ」の内情描写が強かった。しかしその俗っぽさからこそ見えたストーリーだったのかもしれない。
Posted by ブクログ
いいなぁ
森さんいいなぁ
静かでクリアで理路整然とした文章
そして思考
こんな風に生きたい
常に自分を客観視できる自分でいたい
いかに自分が曇っているかがわかる
Posted by ブクログ
Only the Darkness or Her Kiss~僕・頸城悦夫は元同棲相手の水谷優衣からの依頼で,IT長者・ウィリアム・ベックの本を書くためのインタビューで有名な避暑地の別荘にやってきた。友人の赤座都鹿からポルシェを借りた。広大な敷地にはヘリポートもあり,ウィリアムは急用で東京に出掛けており,息子のアンディもいない。妻のサリィとアンディの恋人・シャーロット・デインはいるらしいが,実際に言葉を交わしたのは家庭医のロジャ・ハイソンだけだ。ヘリコプターが帰ってきて,若い女性の悲鳴があがった。僕が会った直後に銃で撃たれたらしい。警察が来て取り調べが始まるが,凶器は見つからず,犯人が外に出た形跡もないため,凶器を持った犯人がいるに違いない。執事の松田・庭師でヘリの操縦士で技術者でもある柴村光一と,その妻・庭師の三代目・寛美,運転手の佐伯,寝泊まりしている不動産会社社長の北澤宗佑と娘・真理亞がいる。執筆のためのインタビューを始めて数日後,泣いて口を押さえてアンディの部屋から出てきたシャーロットを見かけた後,アンディに話を聞きに行き,テニスに誘われてプレイした後,城のような建物でくぐもった銃声が響き,鍵の掛けられ音楽がかけられた遊戯室で,シャーロットの射殺体が見つかった。入口のドア上の窓は開いている。凶器はどこに隠されたか? 敷地内の建物は隈無く高橋率いる警察の捜査陣が調べたはず。捜索されている中で動いていて対象にならなかったのはドイツ製の芝刈り機だけだ!~「ゾラ・一撃・さようなら」と同じシリーズなんだろうけど,中身を覚えていないなぁ。最近の森先生は,「僕はそう推理したけど,真実は別にあるかも知れないよ」という態度で,まあ確かにそうだけど…良いのかなぁ? まあ読みたい人がいるんだから良いんだろうけど
Posted by ブクログ
このドキドキ百パーのタイトルに乾杯!
まさかのシリーズ化、先生のサービスというのかな。
こんな淡々なハードボイルドはやはり先生らしい。
こんな不器用な淡泊男もかわいそうなほどかわいいなっと思う
Posted by ブクログ
わー日本において、これほど由緒正しいイギリス的マナーハウスな設定!と読んでて心地よかったです。執事や刑事さんまで完璧や、と。うーん何故に最近の作者の文章は、こうまで心地よいのでしょうか。
一応シリーズものだったのですね、前作も読んでみよう。
Posted by ブクログ
森博嗣の小説は能みたいな所があるな、と思った。能は一度しか観劇した事はないけど、異常に長い静の時間があって急に動がくるからそこが凄く際立つ、みたいな。
ふと出てくる森博嗣哲学みたいな部分を読みたいがために森博嗣作品を読んでるのかもしれないな、と思う。
コーヒーカップを覗いて空だった事が200回くらいある気がする、の部分が「あるな〜」って。
いつもの事だけど、犯人は息子のアンディだったのか!とか銃声トリックとかはそんなに興味がないw
Posted by ブクログ
『ゾラ・一撃・さようなら』の続編。
森博嗣的ハードボイルド(ハーフボイルドくらい)で、軽妙な会話を楽しむにはうってつけの小説。
少し落ち着いた夜にコーヒーでも飲みながら読み耽りたい。
Posted by ブクログ
S&Mシリーズなど森博嗣作品は前に読み漁ったけど、休筆されて、かなり間が空いてしまった。推理小説からアニメ原作のヤングアダルトに興味が移って、久し振りの森作品もピンとこなかったり(^^;)
シリーズになるのだろうか?主人公の経歴、周辺の人間関係がよく分からない。今回の事件も、S&Mに比べて仕掛けや内容に物足りなさを感じる。雰囲気は好きだけど(笑)なんだか、評価の保留だなぁ・・
Posted by ブクログ
誰でも分かる、でも知性を感じさせる会話が小気味よかった。
人がなくなるのに、淡々としていて緊迫感が感じられなかった、ミステリとしてはどうかと思う。
この主人公は森博嗣には珍しく女性のことをいつも考えていて個人的には好きでした。
Posted by ブクログ
森博嗣さんの本の好きなところの一つは、タイトルも装丁も素敵なところだと思う。
探偵・頸城氏の視点で描かれる、大富豪の別荘を舞台にしたミステリーだった。ただ、それほどミステリー小説っぽさはなかったように思う。
ミステリーというと事件!推理!謎解き!犯人!みたいな要素を想像する。この本は事件は起こるけど、あまり謎解きに主人公が熱心な感じがしなかった。どちらかというとテレビとかでやっている事件の記録といった印象が強い。
もう一つ思ったのは、主人公のキャラが良い。なんかちょっとズレてるので共感はしづらい人だったんだけど、最後の最後で「あっ、この人好きだな」って思った。
だから是非、最後まで読むことを勧めたい。できれば静かな夜。自室で。
Posted by ブクログ
とある日本の別荘地での出来事。
そこのある屋には、ウイリアム・ベックという世界的大富豪が滞在している。
その彼の別荘で殺人事件が2件立て続けに起こる。
ライター、そして探偵である主人公、頸城がその真相に迫っていく。
独特の表記が少々読みづらかった。
殺害される「ロジャ」やハウスキーパ、サリィ、というように語尾に「ー」をつけないことに最後まで慣れなかったためだ。盛り上がりを抑えたような書き方が冗長な印象で、物語自体はきちんと進んでいるにもかかわらず、遅々としている気がしてならなかった。
加えてこの長さだ、途中で退屈し始めている私がいた。
犯人について、また、動機については解くことができなかったため、その点については面白いと思った。
しかし、動機にはあまり納得できたとは言いがたく、消化不良の思いが残る。
もちろんそれなりに伏線はあり、しっかりと回収してはいるのだが。
頸城のインタビューがそれにあたる。
著者の感性と合わないのかもしれない、個人的には夢中になれた本ではなかった。
Posted by ブクログ
久しぶりに森さんの本を読んだ。
読んでから知ったのだけど、これって「ゾラ・一撃・さようなら」の続編なのね。持っているけれど積読している…ちゃんと調べてから読めばよかった。
とはいえ、今作で主人公の過去に興味を持てたのですぐに読もうと思う。
主人公がわりと普通というか、とっつきやすいのですらすら読めたし、一方で相変わらずの森さんの世界観も楽しめた。
私のように、登場人物を介して森さんの思考回路を垣間見たい人間には楽しい作品。ただ、ミステリーとしてはどうだろう…終わり方はパッとしないのではないかな。
Posted by ブクログ
探偵でありライターである頸城が,インタビューやらデートやらしながら飄々としているのが,殺人事件がそこにあるのに,緊迫感がなく独特の空気感があって面白い.トリックはヒントがたくさんあったのに気がつかなくてがっかり.
Posted by ブクログ
シリーズものと知らずによんでしまった。前作ほぼ覚えてない。名前だけかろうじて見覚えある程度。ミステリの結末はあっさりだけど、森博嗣節がとても興味深い。金持ち論とかスープ論とか。ドローンが出てくるのがさすが。
Posted by ブクログ
著者の小説は古い(10年くらい前とか…)小説を読む事が多いので、発売された当時のことを思い出しながら読んだりするんですが、今回は新しい!今年2月発刊のやつ。
ストーリーにも今時のものが登場している!
それはさておき、内容はいい意味でいつも通りな感じ。
主人公はだいたいどの小説も思考が似ていて、やはりこれは森博嗣本人なのではないかと思う。
いつもに比べて多少パンチが弱かった感じはします。
Posted by ブクログ
探偵の一人称でストーリーが展開するハードボイルド風のミステリ。
他のシリーズで、犯行に動機を求めてはいけない、と繰り返し語ってきただけに、トリックよりも動機、主人公の心情にウェイトが置かれているので意外。
前半の展開が遅く、ややイラつくが、後半はテンポよく、一気に読める。
同一の設定の2作目なので、次作もあるかも?
Posted by ブクログ
日本で起こった事件なのに、事件が起こったのがアメリカの富豪の別荘だったせいか、アメリカンな雰囲気(;゜∇゜)アメリカのIT実業家の別荘へライターとして取材にきた頸城。そこで事件に巻き込まれるんだけど、淡々と話が進んでスルスルと読み終わった(^^;)ゞ事件よりも、あの取材だけで自伝が書けるのか!?という方が印象に残った(--;)「ゾラ…」の続編みたいだけど、これだけでも十分楽しめます(^^)
Posted by ブクログ
「ゾラ・一撃・さようなら」の続編。
シリーズ化するのかなぁ。
ラストを読みながら、これがハーフボイルド(森博嗣式ハードボイルド)なのかなとか思ってみたり。