森博嗣のレビュー一覧
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振り返れば、この巻が、初めて私がデボラやサリノに出会った巻だったのか。
ハギリ博士の友人で、時々博士よりも人間らしい(というより、空気が読める?)デボラ。
まだまだ勉強中のウォーカロンで、デボラよりハギリ博士より人間味に欠けたサリノ。
「人に近いけれど、人から遠くもある存在」が増えてきたことで、だんだん、誰が人で誰が人工知能で誰がウォーカロンなのか、分かりづらくなってきた。
だって、みんな人らしいし、みんな人でなしっぽいんだもの…
でも、まだ、さっぱり分からないということはない。
「それは、なぜなんだろう」ということがつかめれば、ウォーカロンは最後の谷を越えられるんだろうか。 -
Posted by ブクログ
夢とは何かということを、著者の視点から解説、または評価を行っている。
夢とは30代ぐらいの世代であれば、少なくとも30~50年先の見通しのことをいうとの考えを示している。それよりも前に達成できることは、予定や計画と定義されるようだ。
漠然としたなんとなくの夢を持っている人はいると思うが、夢をかなえるための第一条件である予定表を持っている人はどれだけいるだろうか。
夢が具体化していない人へのアドバイスとして、何かを作ってみることを提案している。
誰かに見せることを考えず、こっそりと自分一人で1年くらい続けてみて、楽しいことが大切なようだ。
教わる必要もなく、自分で考えて、じっくり取り組んで -
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納得出来るところと、差別化のために敢えてきつめな表現としてある部分があると感じた。
40番目位の言葉の解釈は面白い、電車の中で吹き出しそうになった。
以下、印象に、残った部分
繋がりたがっている多くのことは、繋がる事で金が儲かるからに過ぎない。
人によってリスクの評価は異なる。
可能性をあれこれ考えているうちに、腹の虫が収まってくる。
トータルとして今は昔より良くなってきている。
人が発する言葉の理由を考えて行くと面白い。
こうすれば売れる、を知っていればそれを避けることで新しいものを生み出す助けになる。
物事をぼかして本質を見る、くだらないものも反面教師としてみる。
まずは自分がどう感じ -
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森博嗣Xシリーズ第4弾
樋口一葉と河童の関係がどうもよくわからないが、ストーリーは面白かった。今回は、前3作と少し展開が違っているのが印象的で、椙田の出番がかなり多かったと感じた。今回のメインの登場人物である一葉が、小川と同じような年齢で、親近感を持っていたためか、小川の心理描写が多く、なかなか胸にグッとくるものがあった。
真鍋と同級生の永田とのやりとりも面白い。やはりこのシリーズもミステリーというより、物語中の人間模様が魅力的なのではないだろうか。真鍋くんと永田さん、いい雰囲気。真鍋くんの、早とちりして恥をかくのはちょっと、という気持ちに共感する。
この事件の結末は結構意外に思ったが、椙田 -
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面白かった。
登場人物同士の会話も、四季の思考も、すべてが面白くて意味を探ってしまう。
春の章では、人間離れしたというか年齢不相応な姿が描かれていた四季だけれど、この夏の章では十三歳という思春期にふさわしい姿が所々見られる。
感情がコントロールできなくなったり、スリリングで面白そうだという理由で一人旅をしてみたり。
きっと旅の途中で出会った人たちは、彼女の事を特別な存在ではなく、普通の少女としか見ていなかったと思うが、それも新鮮で面白い。
とある出来事の真実も明かされ、様々な別シリーズとの繋がりも楽しい。
芽吹く春。燃える夏。
秋と冬を読むのが待ち遠しい。 -
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ネタバレ森節炸裂。清々しいほど。
“ものを買うときには、出した金の価値が、買ったものの価値になる。安く買えば、安い価値と交換しただけのことだ。”
買い物っていうのは、自分がそれにどれだけの価値をつけるのかってことだというのね。
だから、本当に必要なもの、本当に欲しいものは高くてもいい。
どうでもいいものは安く買ってもいいだろう。
安いものを探すために時間を費やすのは、決してお得ではない。
“「よす」という動詞は、命令形以外は聞かなくなった。”
確かに。
「よせ!」と「やめろ!」は同じくらい使われていると思うけど「よして!」より圧倒的に「やめて!」だな。
「よしとく」と「やめとく」はどうだろう?など