夢枕獏のレビュー一覧
-
夢枕 貘調の物語
話の展開は夢枕獏調に進み、ワイルドでそのフィールドもなかなか面白い。
しかしながら、紙本判が20年以上も前で続巻も無いようなので、読後に登場人物達が自分の中で漂流してしまっています。
みんなでアフリカに行っちゃったかな・・・。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ1000頁をこえる作品。構想から20年、書き終えるまで3年。筆者をしてすべてを出し切ったと言わしめる、直球、ド・ストレートの作品。大作なんだろう。
命を懸けてエヴェレスト登攀にかける男たち。冬山の圧倒的な臨場感。何故山に登る?それは何故生きるという問いかけと同じ。答えは山にもない。
実在する伝説の登山家をモデルに書かれた物語は、羽生丈二の山に対峙する姿勢、厳しさ、孤独が余すところなく描かれ、読んでいるこちらまで凍死しそうな勢い。ライバルとして描かれる天才クライマー長谷部もまた素晴らしい。
ただ、残念なのはカメラマン深町。
主人公なんだけど、彼だけはフィクションであり、モデルとなる人物はいない。作者は強いていえば自分だという深町という男に魅力を感じられなかったことが私の中で、この作品の敗因。
現実の人生に閉塞感を感じ、昔の仲間と何気なくエヴェレストにのぼり、そこでかつてマロリーが遭難した時に持っていたというカメラを見つけたことからすべてが始まる。彼が再びエヴェレストに向かう動機もあいまい。昔の女に執着するその態度も女々しい。女に執着しながら、山で悶々とし、自分の行動に意味を見いだせず悩む。そうかと思えば、羽生の恋人が現れたらすぐそちらに気持ちを移してしまう節操のなさ。
何故、ネパールにまた来てしまったのか、本人が悩んでいるのだから、読み手も、何故彼がエヴェレストにこだわり、結果として羽生の邪魔をしているのかが納得できずじまい。
彼は彼なりに色々考え、最後には成長しているんだけど、作品的には羽生を中心に据えて書かれているほうがよかったのにと思う。
羽生が素晴らしく魅力的である分、深町のヘタレ感が際立ったのが残念過ぎる作品だった。
夢枕さん、これで新田次郎の座っていた椅子は狙えないでしょう。。。 -
Posted by ブクログ
SF界隈での著名人・新人引っくるめてのアンソロジー集です。SFにはあまり馴染みがなく、フィリップ・K・ディックは好きですがそれもアニメ『PSYCHO-PASS』の影響で最初からというわけではなかったので、慣れる、と言うか、映画は好きなんですが小説はなかなか食指が伸びず、アンソロジーならまだ読めるかな?と言う気持ちで購入しました。
冲方丁さんは、『マルドゥック・スクランブル』を読んでいましたし、新井素子さんは名前くらいは聞いたことがあるなあ、『グリーン・レクイエム』は読んだっけな、夢枕獏さんは『陰陽師』だなあ、とか。
個人的に好きなのは宮部みゆきさんの作品。ロボットとの哀愁漂う感じが好き。最後ちょっと泣きそうになってしまった。
これはあの映画みたいな感じだなあ、とか、さらさら読めたので、入門編には良いかな、と言う感じ。 -
Posted by ブクログ
深町がカトマンドゥで見つけた古いカメラ。
フィルムが見つかれば山岳史上大変な発見となるかもしれず、それを追う深町と、行方知れずの日本人クライマー羽生の実人生が重なるまでが上巻。
ちょっと長い…。
エンタメ小説だし高峰登山の描写や羽生の半生は少し削っても良かったように思います。
実在の、しかも突出した才能をモデルにする加減の難しさは痛く感じました。
羽生がK2を下山したエピソードや羽生についてクライマー達が寄せた(どこかで読んだ)コメントの部分もちょっとやりすぎな印象でした。
実在の登山家をモデルにするのはそこそこにして、思い切りエンタメ方向に舵を切れば良かったのじゃないかな。