阿川弘之のレビュー一覧

  • 復興の精神

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    3.11以降の心象風景は変わりました。正に本編の直哉先生の言葉の通りなのですが、彼らと私を分けたのは何だったのでしょうか?私はどうしようもない断絶と無常を感じ言葉がありません、自分は何をすれば良いのか、これからどうすれば良いのかという問いは、全て人の問いでもあると思います。この本に寄稿した方たちの思索が我々の足元を照らす一助になることを期待します。

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    2011年06月21日
  • 復興の精神

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    ネタバレ

    「これから」をどう考えるか。3・11以降を生きる杖。
    と、帯にあった通り、東日本大震災を経、これからをどう生きるかを9人が語っている。

    養老孟:精神の復興需要が起きる

    これを読みたくて買った一冊。いつもと違う養老センセ。スラスラとその思いのままに語り、面倒だから説明はヤメ、と突き放されるようないつもの文章よりも、ずっとずっと、静かでゆっくりとした口調で語られている。
    「周りがうるさくなってくると静かにする。ブレーキをかける。そういう習性が身に付いているのです。」(本文より抜粋)という姿勢からきているのかもしれないが、意外なほどに、淡々と「これから」を語っていた。

    「生きていれば、さまざま

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    2011年06月16日
  • 山本五十六(下)

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    開戦〜ブーゲンビルでの戦死まで。

    誰よりも三国同盟、日米開戦に反対していた山本五十六さんだが、いざ戦争が不可避になったら、軍人としての義務を全うされたことに心底尊敬致します
    と同時に歴史にifがないのは重々承知してるけど、このお方には過去の偉人の誰よりも期待してしまう

    今まで読んだ本では、戦術家としての“英雄”的な側面しか分からなかったが、本書は政治家、人間性(情の熱さ、賭け事好き)、失敗や欠点などの“非英雄”的側面も積極的に取り入れている。
    そのおかげで、ようやく山本五十六さんという人物を理解出来た気がする


    加えて阿川さんの執筆にあたっての話には凄い感動した


    太平洋戦争を知りたい

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    2011年05月03日
  • 山本五十六(上)

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    今まで連合艦隊司令官としての山本五十六さんしか知らなかったけど、軍縮会議や三国同盟の際に政治家として(政治家表現は本人の軍人としての誇りに反してしまうが)手腕を発揮されていた姿を知り、真の日本人を見た
    また賭け事好きな一面に、この偉人に人間味を感じた


    人物について細部まで書いてるせいで、上巻の最後でようやく開戦の気配が出てくるから、進みは非常に遅い
    ただあの戦争を語る上で山本五十六さんの関係性が不可欠である以上、色んな角度から見れるこの本の書き方は個人的に好き。

    下巻が楽しみ

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    2011年05月03日
  • 山本五十六(上)

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    海軍は、その生い立ちからイギリスの影響を受け、開明的なところもあった。山本の開戦への葛藤が読み取ることが出来る。
    彼のマネジメントは”人”を見ること。ビジネス書としても読む価値ある。
    また、彼が長岡藩(河井継之助)の流れを汲み、薩摩閥である海軍のドンになった経緯も興味深いところ。

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    2011年01月30日
  • 井上成美

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    このところ第二次世界大戦についてしっかり知らなければと結構その手の本を読んでる。海軍側の視点としてはよくわかる本。

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    2010年12月26日
  • 山本五十六(下)

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    戦後、英BBCが第二次大戦の各国のキーパーソンを取り上げた番組を作成した際に「真珠湾攻撃のアキテクトたる大提督」と称したとのことだが、本書は昭和16年春に真珠湾攻撃の概略案を固めて実行するまでの言動・行動を詳細に記録。最終的には、昭和18年にラバウルで戦死し、日比谷公園で国葬が開かれるまでが収録されている。巻末の参考資料の量の多さと、インタビューした相手のリストが圧巻。山本は家庭に寄り付かず、様々な女性と過ごした時間が多かったため、旧版には遺族からの大きな抗議があった模様。本書は改訂版であり、旧版から一部削減された内容があるとのこと。

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    2010年10月27日
  • 山本五十六(上)

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    山本五十六を直接知る人へのインタビューを中心として書かれた記録。昭和9年のロンドン軍縮会議以降、海軍次官を経て連合艦隊長官となるまでが上巻の範囲。

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    2010年01月16日
  • 山本五十六(上)

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    物語形式でなく、エッセイ風に書かれているため内容を客観的に理解出来るのが良し。
    面白いエピソード等は大抵網羅してるのでは?この情報量は重宝しそうです。

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    2009年12月15日
  • 春の城

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    Kodama's review
    阿川弘之という方の小説は初めて読ませてもらいました。この作品は昭和27年7月に刊行されたものです。内容は第2次世界大戦に遭遇した青年を描いたものです。様々な思いや葛藤が当時の人たちにはあったということが、とてもよく表現されていると思います。
    (06.12.20)
    お勧め度
    ★★★★☆

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    2009年11月19日
  • 大人の見識

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    軽躁さというのが日本人の特徴というのは気づかなかったけど言われると納得。
    常に第3者的視点で、ユーモアを交えられるくらい冷静に物事を捉えるようにしたい。
    紳士になるのはなかなか難しそうだ。

    メモ
    自分の生活の基準となる思想 家族と友人 意義のある仕事 閑の時間
    チャールズラム i love a fool
    和魂 ジェントルマンシップ 静かにすごすこと
    ポリュビオス
    物事がどちらとも決まらないのが一番魂をまいらせるが、この気持ち悪さに延々と耐えなければならない。
    温 じわじわと

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    2009年10月04日
  • 山本五十六(上)

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    読んで感じたこと。

    ・近藤泰一郎は一介の在外武官であったため、現地で見て、実感してきたことに基づいて鳴らした日本政府への警鐘が、頭の凝り固まった偉い人たちに受け入れられなかった。
    しかし伊藤は自身で外遊したため、麾下の西郷や副島たちの征韓論を退けられた。
    上にいる人は、状況が許せば自身で識見を高めたり現場を視察することが望ましいが、無理なようであれば麾下を送り(信頼できる)、その人の言うことを信頼できるということが必要だと思った。

    ・五十六は自分の地位に執着していない。むしろ壮年期には「そろそろ海軍を辞して故郷に帰り‥」などということを考えていた。
    嶋田なんかは地位を守るために動いて、結局

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    2009年10月04日
  • 雲の墓標

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    戦争終了後から15年程度でこういう作品が書かれるのかと思いきや、よく考えれば大岡昇平とかもそうでしたね。
    それを考えると本作、ちょっと重厚感がない感がある。
    ただ、時間が経って書かれた特攻の小説より暗さが目立っていて、やっぱり体験の断絶が起きている感がする。

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    2024年06月07日
  • こどものころにみた夢

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    評価が低いのは、帯の文言がまったくの羊頭狗肉だったからです。「5分で読めて、暖かい気持ちに」って。全然暖かい気持ちになんかなりませんよ。作家陣も抗議していいんじゃないか。まあそこを期待して購入した訳じゃないんだけど。

    内容はよかったです。不条理さ、うっすらと漂う気持ち悪さ(あるいは気持ちよさ)、尻切れとんぼの読後感、などなどいかにも夢の話だという気がして、一編読んだあとよく眠れる気がしました。お話と自分の夢の境目が曖昧になるようで。

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    2024年02月27日
  • 鮨 そのほか

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    阿川弘之の作品集『鮨 そのほか』を読みました。
    阿川弘之の作品は昨年10月に読んだ『七十の手習ひ』以来ですね。

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    志賀直哉への思慕、旧友への追憶、自身の文学観……。
    文筆生活を締め括る最後の一冊。

    見渡す限り桜満開の美しい情景が続く霊園――。
    志賀直哉の末娘の死を描いた「花がたみ」。
    旅の帰路に会った見知らぬ男性との、一瞬の邂逅を描く「鮨」。
    夏目漱石・内田百閒の衣鉢を継ぐ「贋々作『猫』」……。
    詩情と諧謔に満ちた短篇小説の名品や、馥郁たる日本語の粋を尽した随筆類と共に、吉行淳之介・遠藤周作を偲ぶ座談会などを収録。
    70年近い著者の文筆生活を締め括る、最後の一冊。
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    2024年02月25日
  • 大人の見識

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    中西さんと違うところは、弊原喜重郎外相の外交を擁護しているように見えるところ。中国人による在中日本人の迫害に対し、軍を出兵させず「見殺しにした」「軟弱外交」と言われた裏には、イギリスから学んだ「小さい事件で騒ぐよりも大局を見ろ」という意識があった。
    阿川さんは「日本ではこんなことは言えない」と書いてたけど。何事も色んな側面から見て判断しなければね。

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    2023年08月06日
  • こどものころにみた夢

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    12人の作家による夢や思い出のアンソロジー。
    堀江敏幸氏の「ハントヘン」、長野まゆみの「衣がえ」が良かったです。

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    2023年08月02日
  • こどものころにみた夢

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    【収録作品】「男」 角田光代 絵/網中いづる/「ガラスの便器」 石田衣良 絵/松尾たいこ/「さよなら、猫」 島本理生 絵/鯰江光二/「水の恵み」 阿川弘之 絵/木内達朗/「タイムリミット」 辻村深月 絵/吉田尚令/「ヘビ」 西加奈子 絵/西加奈子/「ふたり流れる」 市川拓司 絵/いとう瞳/「ハントヘン」 堀江敏幸 絵/中村純司/「雲の下の街」 柴崎友香 絵/田雜芳一/「衣がえ」 長野まゆみ 絵/望月道陽/「おしっこを夢から出すな」 穂村弘 絵/ささめやゆき/「さらば、ゴヂラ」 高橋源一郎 絵/しりあがり寿

    夢だけにシュールな感じを引きずる。続き…はないのかな。

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    2023年07月20日
  • こどものころにみた夢

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    「こどものころにみた夢」をテーマにしたショートショート・アンソロジー。色々な作家さんの作品を楽しめます。夢の不思議さや、ならではの不条理を受け入れてる感じが好き。現実なのか、まだ夢の中なのか、分からないような書き味のものも。
    個人的には西加奈子さん、長野まゆみさんの作品が好きでした。

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    2023年05月31日
  • 雲の墓標

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    戦争と少し離れたところに位置していた学生たちが、飛行科の予備学生として海軍に入り、終戦間際には特攻隊員に選出され散っていく。 自分の運命をどう受け入れるかと苦しみ、何としても運命を変えようと考える者、海軍教育のままに運命を受け入れる努力をする者・・・。 いづれにしても、彼らの運命の行き着く先を考えると胸が痛む。 こういう若者たちを二度と出さない世界になりますように・・・。

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    2023年04月29日