阿川弘之のレビュー一覧
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太平洋戦争で海軍の予備学生となった京大生仲間の運命を、主人公・中野の日記を中心に語っていく。最初は戦争や軍隊の規律(という名の体罰・リンチ)に反発するものの、日々の軍隊生活の忙しさや不毛な作業の連続から、少しずつ諦めの気持ちになる様子が日記を通してよく伝わる。しかし、戦争への疑問、学問への未練、好きな人への思いとともに、戦争で華々しく散らんとする勇ましい言葉も出され、不安定に揺れ動く。ずっと戦争や軍の在り方に反発していた友人が、一番最初に、飛行訓練中に亡くなる。救助に行った中野がみた友人の様子がとてもリアルに描かれていて、おぞましさすら感じさせる。中野はもっと辛い気持ちで見ただろう。昨夜まで一
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瀬戸内寂聴さんの無常ーどん底は続かないの中で、私たちはどんな不幸の中でも決して絶望してはならない。暗闇の空に希望の星を見出す力を人間は与えたれてこれまで生きてきた。被災者の皆様の御苦労と悲痛な体験を思うたび、いたたまれない。一年数ヶ月経ち、復興への思いやる気持ち、支援が薄くなっている状況に思われます。思いをこれからも被災地にもち続ける事が大切な一人一人の人生に繋がることだと思います。養老孟司さんの精神の復興需要の中では、生きていれば、さまざまな悪いことが起こる。悪いことがあると人は無理やりに色々なことを学べる。いいことというのは、その時点がピークで、そこから学ぶということはないと言っている。
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東日本大震災から1年4ヶ月が経った。震災直後は、関東に住む人間も、東北の痛みを分かち合い、譲り合って生きているように見えた。しかし、いまその風潮はなくなり、震災前と同じような風潮になっているのではないか。そんな疑問からこの本を読んだ。
この本は震災から3ヶ月後に出版された。茂木健一郎、養老孟司など9人が、当時の気持ちと復興に必要な精神性を述べている。
共通しているのは、私たち日本人が今までの概念を変えなければならないと主張している点だ。今まで、私たちは利便性を求め、経済を最優先し、進んできた。その結果が福島原発の事故につながっている。
未曾有の大震災を粛々と受け止め、譲り合い、分かち合う日本人 -
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ネタバレヨーロッパでのフランスの弱い立場に乗じて,日本は仏印北部へは既に進駐していたが,昭和16年7月29日に日仏共同防衛議定書が正式に調印され,その日のうちに,日本の陸海軍部隊は仏領インドシナ南部(今の南ベトナム)の地に進駐を開始した。日本の南方進出に神経質になっていたアメリカは,手早い反応を見せ,しっぺがえしのように日本の在米資産の凍結を行い,8月1日には広範囲な対日輸出禁止措置をとった。それは,綿と食料品だけを除外し,石油を含む一切の物資を,今後日本向けに積みださせないというものであった。アメリカから石油が来なくなったら,日本は4ヶ月以内に南方の資源を求めて立ち上がるか,屈服するしかあるまいとい
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ネタバレ山本五十六。背丈は160cm,60kg弱,骨組みも女性的で華奢な方で,指などはピアニストのような指をしていた。また,太平洋戦争では,山本の指は8本しかなかった。2本は日本海海戦の時,少尉候補生として乗り組んでいた軍艦『日進』にロシアの砲弾が命中してそのとき失ったのだ。
山本が海軍部内で頭角を現して来たのは,ロンドンの海軍軍縮会議予備交渉の海軍側首席代表に任命された頃からだった。日本国内ではもとより,アメリカや英国やドイツの政府,海軍上層部でその名を知られるようになったのだ。ワシントン会議では主力艦に関する英米日比が5対5対3に決定した。しかし,日本が対米英6割という比率に,海軍部内が満足した -
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大分前に購入し、そのままにしていた本です。ようやく読み終わりました。
なんだか時代を感じさせる本だなあとしみじみ思いました。阿川氏も宮脇氏も百閒先生が生きている時に電車に乗って先生の本を読んでいたんだなあと思うと不思議な感じがします。そんな百閒先生も私が生まれる前に亡くなられ、宮脇氏ももう彼岸の方となりました。
鉄道今昔ではないですが東京・大阪間を6時間で走るのが悲願だった時代かあ。今なら大体3時間かからないですよねえ。そして今後リニアが導入されると2時間だとか?いやはや時代は変わりました。後何年もしないうちにまた時代は変わって鉄道の常識も変化していくのでしょう。でも旅はやっぱり鉄道が良い -
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再読。
日本海軍の左派軍人、最後の大将井上成美のはなし。
信念的なごりごりの合理主義者で、理性による合理的判断をないがしろにして空気を読むくらいなら、むしろ孤立するのが信条らしい。まわりの「堅いこと言わないで、空気よんでよー」みたいな、なし崩しでモノゴトを進めようとする雰囲気をことごとく拒否し、ゴリ押しでもしようものなら井上さんはすぐ「だったら海軍やめます」と言い出します。すると、まわりが「まあまあ」と引き留める。ダチョウ倶楽部みたいなお決まり芸の様相を呈しています。
これが職務上の倫理だけだったらまだわかるのですが、私生活まで教条主義的な清貧さで、なんだか、凄まじいです。
「負けると -
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ネタバレ著名な作家などがそれぞれの3・11をふりかえり、これからどうすればよいかそれぞれの視点から提言を述べる作品。
この本で一番驚いたのは、病を患っていたため、この震災で不安や無力感を感じなかったといった著者がいたことだ。このことから、他人や未来への不安や自分の無力感はある程度自分に余裕がないと生じない感覚なのだと感じた。
しかし、震災直後に起こった買いだめの現象から、今回日本人が感じた不安のベクトルは自分に向いていなかっただろうかと感じた。
また、どん底はつづかないと励ましている著者がいるが、何もなくても、毎日が先の見えないどん底だと感じている人々である現代人に伝わる言葉なのだろうかと感じた。