阿川弘之のレビュー一覧
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再読。
日本海軍の左派軍人、最後の大将井上成美のはなし。
信念的なごりごりの合理主義者で、理性による合理的判断をないがしろにして空気を読むくらいなら、むしろ孤立するのが信条らしい。まわりの「堅いこと言わないで、空気よんでよー」みたいな、なし崩しでモノゴトを進めようとする雰囲気をことごとく拒否し、ゴリ押しでもしようものなら井上さんはすぐ「だったら海軍やめます」と言い出します。すると、まわりが「まあまあ」と引き留める。ダチョウ倶楽部みたいなお決まり芸の様相を呈しています。
これが職務上の倫理だけだったらまだわかるのですが、私生活まで教条主義的な清貧さで、なんだか、凄まじいです。
「負けると -
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ネタバレ著名な作家などがそれぞれの3・11をふりかえり、これからどうすればよいかそれぞれの視点から提言を述べる作品。
この本で一番驚いたのは、病を患っていたため、この震災で不安や無力感を感じなかったといった著者がいたことだ。このことから、他人や未来への不安や自分の無力感はある程度自分に余裕がないと生じない感覚なのだと感じた。
しかし、震災直後に起こった買いだめの現象から、今回日本人が感じた不安のベクトルは自分に向いていなかっただろうかと感じた。
また、どん底はつづかないと励ましている著者がいるが、何もなくても、毎日が先の見えないどん底だと感じている人々である現代人に伝わる言葉なのだろうかと感じた。 -
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もともと雑誌化状況にあった新書界の、311後の加速たるや…。本書は発行2011年6月。
しかし絶対に全てが緩んでくるはずの半年過ぎにこそ、読んで兜の緒を締めようと、満を持しての(?)トライです。
筆者9人がそれぞれに挙げた声であれば、その言葉をこそ復興の精神として留めたい!と胸に響いた一節もあれば、この人がこんなに底の浅いことでなんとする?と首をかしげる部分もありましたが。。。そんな感想をもてるのも、今だから、なのだということです。
「復興の精神」というガッツなタイトルの中で、ひとつ橋本治氏による“病人の視点”は目からウロコでありました。 -
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ネタバレ「急ぎの用はゆっくりと」、「静かに時を過ごすことを習え」といった「大人の見識」を身につけることを勧めた本。
著者は日本人が軽率な者を勇敢と見なしたり、些細なことに対して大げさに騒いだりする傾向を持っていることを「軽躁」であると指摘し、それに対して「静謐」を重んじよ、と主張する。そして、この「静謐」という語は『今昔物語』に出てくる「和魂(やまとだましい)」に通ずる。
これは戦時中に武士の心意気として盛んに喧伝された「大和魂」とは異なり、「日本人なら本来持っているべき思慮分別」と定義される。
その他は日本海軍やイギリス海軍に関する記述が多い。両者ともユーモアのセンスを重んじたとか -
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[ 内容 ]
軽躁なるものを勇豪とみるなかれ、かつて戦国の名将はそう戒めた。
国を誤る指導者の愚があり、滅亡の淵から救い出した見識もあった。
英国流の智恵とユーモア、フレキシビリティを何より重んじた海軍の想い出…、歴史の中へ喪われゆく日本人の美徳と倫理をあらためて問うとともに、作家生活六十年の見聞を温め、いかなる時代にも持すべき人間の叡智を語る。
[ 目次 ]
第1章 日本人の見識
第2章 英国人の見識
第3章 東洋の叡智、西洋の叡智
第4章 海軍の伝統
第5章 天皇の見識
第6章 ノブレス・オブリージュ
第7章 三つのインターナショナリズム
第8章 孔子の見識
[ POP ]
[ お -
Posted by ブクログ
古き良き日本人の精神と、それが失われた現代への批判。戦争・海軍・英国から見られる「大人の精神性」について。差別的な言動にも逆にユーモアで返し、それを当事者も含め皆が笑ってしまえる英国のユーモア精神は羨ましいところ。重箱の隅をつついて責めるような日本では見られません。こういう器の大きいところは見習ってほしいものです。著者の英国好きがかなり窺えます。
論語についても少し書かれていて興味を持ちました。筆者が子供に伝えようとした様に、一日一つ読んでみようかなという気になりました。少々内容に偏りはありますが、自分の姿を振り返るのに時々読み返したい。