無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
上下巻とも、非常に客観的な内容で山本元帥を描き上げた良い著書である。
戦死の原因、アメリカは暗号を解読してたのか、戦死後の各人の動きにかなりの紙面を割いているが、恐らく当時は関心が高かったのだろう。
勝てる見込みのない中、真珠湾攻撃という奇策を用い戦果を上げ、東南アジア側でも連戦連勝、山本元帥は神の如き人間となる。
しかし、ミッドウェイで大敗北を喫したのち、アメリカの圧倒的な国力、戦力の前に敗北を積み重ね、とうとう最前線で指揮をとっていた山本元帥は戦死する。
国葬の後、姉が遺骨を引き取り、山本が信頼した、米内、井上の神格化はするな、という言葉で幕を閉じる。
そして、山本元帥無しでは戦争を終結させられないと考えていた軍人、知識人は激しく落胆したという。
ミッドウェイの時点で、連戦連勝の驕りもあり、アメリカが一部暗号を解読して情報戦で圧倒的有利だったこともあり、山本元帥をしても大きな流れを変えられなかったのだろう。
しかし、もし山本元帥が戦死してなかったら、戦争の終結地点は変わったかもしれない。
戦争には勝てないと分かっており、圧倒的な国民支持を持っているからこそ、和睦の道筋が立てられる人材だった。
優秀な指揮官ではなかったかもしれないが、日本の中で最も大局観を持った人間であり、アメリカにも畏怖される存在であったのは間違いない。
最後に私が座右の銘にしている山本元帥の言葉を引用して終わりとする。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」
Posted by ブクログ
下巻では、真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦、次々と歴史のターニングポイントがあらわれる。日本の暗号はアメリカにほぼ100%解読されていた事を知り愕然とした。それに類した話は小耳にはさんだ事はあったが、ここまで詳しく本で読んだのは初めてだ。
そこで当然出てくる疑問は、「アメリカは日本の暗号を解読していたのなら、真珠湾攻撃を知っていたのでは?」というものだ。知った上であえて攻撃させ、国民の戦争気分を盛り上げた、という論法だ。
これについては答えは出ていない。
真珠湾に続くミッドウェー海戦で日本は赤城などの空母を失い、ここから敗北へと突き進むわけだが、ミッドウェーはそもそも有利な条件ばかりが揃っていたというのは知らなかった。『永遠のゼロ』では、飛行機の離陸準備に手間取ったのが痛かったという意味の事が書いてあったのを思い出す。
そしてこの史伝の主人公・山本五十六の死。
そこでこの本は終わる。
戦争突入前のロンドン軍縮会議から真珠湾、ミッドウェーまでの歴史が山本五十六という人物の眼を通してよく見える、大変な力作であった。
Posted by ブクログ
歴史上、山本五十六が何を成し遂げた人か?といえば…真珠湾攻撃を成し遂げた連合艦隊司令官
下巻は、そのハイライトにあたる真珠湾攻撃からブーゲンビル島で死ぬまでが描かれている。
1〜2年は暴れてみせましょうが、結局4年…
非戦論者なのに開戦となり
人事も自分の思うようにいったのか?
いち早く航空戦に目をつけてたのに艦隊決戦のしがらみから抜けられない南雲…
部活は自決も含めてどんどん死んでいくT^T
引退したいのにさせて貰えず
挙句死後も望まぬ神格化Σ(-᷅_-᷄๑)
出来るようでならない『自分の意志』
末端とはいえ管理職の自分と重ねてしまう。
阿川さんはこの本を書いた後、訴訟まで起こされてるんだね…。
Posted by ブクログ
なかなかの読後感。山本五十六を神格化するでもなく、腐すわけでもなく。子供っぽくて短気で他所に女を作っていたが、博打は強くて頭も切れる山本五十六という人間が実によく書けている。死地を求めるように最期にブーゲンビル島に赴いた描写も素晴らしい。
山本や井上らの東郷平八郎評が低いのにびっくりしたが、彼らにとって日露戦争は冴えない先輩の最高の武勲であり、劣等感の根源なのだろう。必敗だがやらねば東郷の鼻を明かせないし、東郷ごときがロシアに勝ったのだから、ひょっとして我々もアメリカに勝てるんじゃないか…?そういう深層心理が太平洋戦争開戦に働いたようにも見える。
Posted by ブクログ
真珠湾奇襲前の宣戦布告が外務省の手落ちで事後となってしまった点は、戦争の大義を巡る世論戦争上、如何にも勿体無い。
山本五十六の、好戦的な幹部へ自重を求める文章(敵国の首都を制圧する計画が立てれないような戦争はすべきではない、それだけの覚悟もなく軽々と威勢の良いことを言うな、との主旨)の一部が切り取られて公表され、『山本はワシントン制圧を目指す超好戦的な軍人だ』という誤った人物像がアメリカ側で持たれてしまったことも、広報部の思慮が足りず、結果論かもしれないが、これまた如何にも勿体無い。
戦後処理を山本五十六に期待する声もあったようだが(石橋湛山)、軍政面は、米内光政がいたからまだよかったのかなと思う。軍令面では、後を継げるひとはいなかってようだし、仮に山本五十六本人がブーゲンビルで撃墜されずに生き残っていたとしても、日本の敗戦は開戦時に確定していたのだと思う。
Posted by ブクログ
日米開戦時の海軍連合艦隊総司令官だった山本五十六の伝記。対象と程よい距離感で淡々と描かれており、かなり良質な伝記文学となっている。山本五十六の人間くささがよく伝わってきた。ただ、山本五十六自身にはそれほど惹きこまれることはなかった。どちらかというと、はっきり物を言い、考えが一貫している井上成美に好感を持った。海軍の上層部には山本や米内や井上のような戦争に消極的な人たちが少なくなかったのに、結局、日米開戦にまで至った経緯をたどると、個人の力ではなかなか抗うことのできない時代の空気ともいうべきものの恐ろしさを感じた。本筋からは外れるが、人相見の水野義人のエピソードが興味深かった。
Posted by ブクログ
下巻は山本五十六の真珠湾攻撃から敵機の襲撃を受けて戦死するまでを詳しく語っている。
戦争に反対していた男を、無理やり真珠湾攻撃のための指揮官に当てたり、戦死する可能性が高いにもかかわらず戦地へ赴かせたり・・・。アメリカの現状を克明に伝えた人の話を聞かないで山本五十六を戦死させた日本は、本当に人の話を聞かない無知な国だったと感じました。専門家が、外交をしてきた人が話すことにどうして耳を傾けなかったのか、戦後、日本が一番最初に思ったことでしょう。
戦死したことで「神的」のようになった山本五十六である。しかし「神的」というよりは「人間の暖かさを持った人物」という非常に身近に感じることができる人だと感じます。故郷を愛し、家族を愛し、友人を愛し、博打を好み、心許せる大切な人がいて・・・
特に涙した部分は、戦死した部下や友人の葬式の際、周囲を気にせず思いっきり泣いたという話があると語られている部分です。
山本五十六の話を聞いて、アメリカと敵対しなければ、今、日本はどんな国になっていたのでしょうか。
生きるとは、戦争とは、組織とは・・・。この作品を通し、考えずにはいられない気持ちでいっぱいになりました。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。