阿川弘之のレビュー一覧

  • 春の城

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    「戦争小説を読むんだ!」との強い覚悟でページを進めていたけれど、後方部隊配属の学徒出身兵が主人公で、全編を通して激しい戦闘描写はなく、大学で青春を謳歌していた学生が戦争に駆り出された体験談が淡々と描写されていた。 それでも、原爆の段になると、過激な描写はないものの、その無慈悲な兵器の恐ろしさに身が震えた。 避けえない戦いもあるだろうけど、殺戮で決着をつける戦争は極限まで避けなければならない。 それを戦って、又は耐え抜いてこられた先人に感謝したい。

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    2023年04月29日
  • 山本五十六(下)

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    一つまた歴史の勉強になった。山本五十六の人柄には親近感が湧き、身近に感じた。この時代は恐怖だが、この時代、この歴史があって今があることを改めて思った。

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    2023年04月26日
  • こどものころにみた夢

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    作品紹介・あらすじ

    【誰かの夢はときに美しく、ときに恐ろしく、どこか優しさに満ちている――】
    5分で読めて心が癒やされる!
    文:角田光代、石田衣良、島本理生、阿川弘之、辻村深月、西 加奈子、市川拓司、堀江敏幸、柴崎友香、長野まゆみ、穂村弘、高橋源一郎
    絵:網中いづる、松尾たいこ、鯰江光二、木内達朗、吉田尚令、いとう 瞳、中村純司、田雜芳一、望月通陽、ささめやゆき、しりあがり寿
    豪華作家陣が文章と絵で綴るショート・ショートアンソロジー!

    *****

    本の帯には「5分で読めて、暖かな気持ちに」とあるように、1作品は5分前後で読めてしまう。また「寝る前のひと時にぴったりなショートショートアンソ

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    2023年01月13日
  • こどものころにみた夢

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    豪華作家陣による夢にまつわる短篇集。
    石田さん目当てで購入。
    夢がテーマだけにどの作家さんも空想の世界全開の物語ばかりで現実逃避できた。

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    2023年01月11日
  • こどものころにみた夢

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    各小説家の夢を覗いているような本。

    夢では、めちゃくちゃな展開や風景が不自然じゃないのよね。

    あの現実と夢の境目が分からないような浮遊感が色々なお話に盛り込まれて、共感しつつ読める部分もあった。

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    2022年12月24日
  • こどものころにみた夢

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    感想
    夢を物語ることの楽しさ。子供の頃は誰でも行っていたのに今はしなくなってしまった。楽しさと朗らかさを覚えながらもどこか郷愁を感じてしまう。

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    2022年12月07日
  • 国を思うて何が悪い~一自由主義者の憤慨録 新装版~

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    ひと月前に「阿川弘之」の訃報を知り、追悼を兼ねて「阿川弘之」作品を選択、、、

    書棚に飾ったまま未読だったエッセイ『国を思うて何が悪い ~一自由主義者の憤慨録~』を読みました。

    「阿川弘之」作品は、昨年2月にに読んだ『春の城』以来ですね。

    -----story-------------
    「大新聞の正義面」「作られた世論に乗せられる人」「陸軍式の独善的思考」「国の権威をドブに捨てる政治家」そして「卑下と自虐の果ての反動」―。
    左がかりも、右寄りも、それが極端に走れば、きっと大きな揺り返しが来る。
    透徹した「自由主義者」の視点から、日本の「未来」を見通した、いまこそ新しい名著、復刊!
    日本人よ

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    2022年08月27日
  • 乗りもの紳士録

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    ネタバレ

     阿川弘之「乗りもの紳士録」、2017.4発行(文庫)、1973.6刊行。飛行機、船、車、列車に関し、友人とのエピソードなどが語られています。①飛行機大好きは斎藤茂太、大嫌いは横山隆一、無関心は柴田錬三郎 ②海軍は「スマート」。「五分前」と「出船の精神」。私も「出船の精神」は身についていますw。また、約束の時間に遅れることはまずないですw。③遠藤周作夫人の順子さんは、免許取った次の日、慣れるため町田~銀座~町田と。一度も信号を見なかったそうですw。傑女と表現されてますが、こわい話でした。④駅弁は多分に「なつかしのメロディ」的なところがある。

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    2022年03月12日
  • 米内光政

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    義実家が岩手県で、伯父さんから岩手出身の総理大臣が多いことを聞かされ、興味を覚えて読んでみた。原敬、斎藤実、米内光政、鈴木善幸。海軍畑が多いのは海が近いからでしょうかと伺うと、当時は貧しく食べるために軍隊に入るしかなかったと聞いて腑に落ちたのを覚えている。
    かつての朝敵で反骨心があり、寡黙だが芯が強くぶれないのは何か県民性なのかなと感じた。

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    2022年02月17日
  • 井上成美

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    当時戦争に反対していた人はかなりいたと思うがここまで徹底して反対していた人は少なかったのではないか。
    第二次大戦前のヨーロッパにおいて侵略の犠牲になった国と中立を全うした国の条件を整理しての「侵略国が攻撃のために支払う損害が、その獲得し得る利益よりも大きいと思わせるに足る抵抗力を一国が保持する時は中立の維持が可能でである」という箇所は、まとめてみると当たり前だがなるほどと思って考えさせられた。

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    2020年10月01日
  • 雲の墓標

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    永遠の0を読んで
    戦争を扱った本を読みたくなって選んだのがこれ。
    同じ特攻隊の目線で、
    でも立場は違ってて予備学生の視点。
    やっぱり大きな声では言えない本音が相当あったんだと改めて思った。戦争って本当に恐ろしい。
    2011/9/26

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    2020年05月07日
  • 米内光政

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    小説としては少し退屈ですが、米内光政自体、鈴木寛太郎と戦争を終わらせた人。もっと世の中に知ってほしい人。
    米内、山本、井上の海軍三羽烏は日本史できちんと教えておくべきと思う。

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    2019年04月21日
  • 乗りもの紳士録

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    時代。
    マスメディアの主力が紙媒体(特に週刊誌)だった時代、それを表現できるのは文筆業だった。現在では放送媒体が主流になったため、喋れる人、特に芸人がその役割を担ったいる

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    2019年02月03日
  • 山本五十六(下)

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    下巻では、真珠湾攻撃からミッドウェイ海戦を経て、ブーゲンビル島での死までを描いています。

    上巻同様、たいへんおもしろく読むことができました。ただ、本書を読み進めながら、文学が戦争というテーマをあつかうということはどういうことなのだろうか、という疑問が沸きあがってくるのを押さえられませんでした。

    さまざまな人びとの思惑が入り混じりながら、あらかじめレールが敷かれていたかのように戦争へと向かって日本が進んでいった時代に、指導者と呼ばれる立場にあった人物の心に迫るという本書の叙述は、思想的にはまったく反対の立場に立つはずの、広田弘毅をあつかった城山三郎の『落日燃ゆ』(新潮文庫)と重なりあってしま

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    2018年03月27日
  • カレーライスの唄

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    面白く読めました。カレーライフと似たような感じかと思いましたが、開店後はあっさりとうまくいってちょっと物足りない気もしました。戦犯についての話は雰囲気と合わず重苦しい内容でしたが、戦争文学としても、青春文学としても興味深く読めました。

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    2017年11月03日
  • カレーライスの唄

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    ちくま文庫のコーナーで最近平積みになっている。1960年代からの日本の感じが描写よく書かれている。ストーリー展開もシンプルで、こういう感じで進むんだろうなぁという期待を裏切らない。それゆえ、物足りないと思う読者もいるかもしれないが、たまにはこんなわかりやすいものもいいと思った。

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    2016年08月14日
  • 雲の墓標

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    少々堅苦しい文章なので、読むのに疲れて何度も何度も挫折しましたが、今回やっと読み終えることが出来ました。

    ただの大学生だった吉野くんが、段々と考えが変わってきて、「潔く死んでもいい」みたいになるのが怖かった。
    海軍生活をずっと続けていると、そんな考え方になっちゃうの?

    今の時代としては、吉野くんの友達の藤倉くんの考え方の方がよっぽど共感できます。

    考え方が徐々に変わってはくるんだけど、時々すごく心に響くことをいう吉野くん。
    残念です。

    そして、私が、この本へ何度目かの挑戦をしているとき、作者の阿川さんがお亡くなりに。
    ご冥福をお祈りします。

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    2016年06月14日
  • 雲の墓標

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    文学青年が軍隊で仲間と、時にはイキイキ過ごしているようにさえ読める日記だが、自分がいなくなった後の日本の将来を考えたり、友人のむごい死に様を目の当たりにしたり、明日特攻に飛び立てと言われた後、落ち込んだり、笑顔に戻ってまた冗談を言ったり、こんなのが現実だった彼らの青春。

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    2015年10月15日
  • 大人の見識

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    先日、お亡くなりになりました。ご冥福をお祈りいたします。
     リベラル派の知識人の意見・文章を読んでみたかった。それだけ、他意はありません。
    「私の方も、陸軍の事は士官食の食い方すらしらないから、陸軍軍人の伝記を書く気にはなれず、戦後現存者に取材を申し込んで直接人柄に接するとか、資料を読んで複雑な裏事情を知るとか、それはしてません」
     結局のところ、陸軍の一部に存在した「叡智」と「見識」とは他の昭和史研究科の研究にゆだねて、自分は「我が道」だけ行くかたちになってしまったのです・

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    2015年09月24日
  • 雲の墓標

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    太平洋戦争で海軍の予備学生となった京大生仲間の運命を、主人公・中野の日記を中心に語っていく。最初は戦争や軍隊の規律(という名の体罰・リンチ)に反発するものの、日々の軍隊生活の忙しさや不毛な作業の連続から、少しずつ諦めの気持ちになる様子が日記を通してよく伝わる。しかし、戦争への疑問、学問への未練、好きな人への思いとともに、戦争で華々しく散らんとする勇ましい言葉も出され、不安定に揺れ動く。ずっと戦争や軍の在り方に反発していた友人が、一番最初に、飛行訓練中に亡くなる。救助に行った中野がみた友人の様子がとてもリアルに描かれていて、おぞましさすら感じさせる。中野はもっと辛い気持ちで見ただろう。昨夜まで一

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    2015年09月08日