阿川弘之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『永遠の0』を読み終え、日本海軍物を読むことに。
阿川弘之の海軍提督三部作。
日本海軍が太平洋戦争開戦に否定的だったことは知られていることであるが、米内光政は海軍大臣、首相まで務め、その中心人物でもあった。
若い時の海外経験も豊かで世の中の潮流を冷静に且つ客観的に観ていた。そして根っからの平和主義者であったのだろう。
口数が少なく派手さはないが、東北人(盛岡)にある芯の強さを持ち合わせる。様々なエピソード等を交えて、米内光政の人物像を描き出し、一味違ったリーダーシップ、カリスマの形を感じる。
海軍の組織に対する考え方、仕組みは、現在の官僚社会、企業社会に引き継がれているところもあり、それも意識しつつ読み進めることも興味深い。
以下引用~
・ちょっと奇妙な事実だが、盧溝橋事件の処理にあたった陸軍大臣(杉山)は、中央の要職ばかり歩いてきて、中華民国在勤の経験がなかった。それに反して海軍大臣(米内)は、第一遣外艦隊司令官第三艦隊司令長官として、揚子江方面に通算三年近く勤務し、辛亥革命後の中国を良く知っていた。
『君、揚子江の水は一本の棒ぐいでは食いとめられやせんよ』
・米内のメモには、「独伊は何故日本に好意を寄せんとするか、好意というよりは寧ろ日本を乗じ易き国としてこれを接近し、己が味方に引き入れんとするにあらざるか、最も冷静に考慮せざるべからず」
という記述もある。彼はヒットラーの「わが闘争」を読んでいた。
・『To live in hearts we leave behind, Is not to die,』
(あとに残る者の心の中に生きることが出来れば死はない)
・米内はこの風潮(前海軍大臣が天皇に真実を伝えない)を是正し、井上次官と組んで、燃料問題も海戦の結果も、ありのままを天皇のお耳に入れるように心掛けた。
・武見太郎『しかし、科学技術を振興していけば、日本は立ち直って新しい国に生まれ変わることが出来ると思いますがね』
物理屋でもある武見が反論すると、
『国民思想は科学技術よりも大事だよ』(米内) -
Posted by ブクログ
最後まで戦争に反対し、終戦処理を行った海軍大将。井上さんが認める数少ない一等大将の一人。
正直読んでて、米内さんの寡黙な性格に惹かれなかった。艦隊派の面々のようなカリスマ性があればなと思う。
だけど、当時の「バスに乗り遅れるな」に象徴される状況のなか、自らの命の危険を省みず、はっきりと反対し続けたことには尊敬せずにはいられない。
原爆が落とされたときの天祐発言は軍人として如何なものかと思うが、対米英戦の反対、独伊同盟反対の根幹にある、目の前にある様々な物事を積極的に収集し、冷静な立場で判断を下すところは見習いたい。
米内さんを愚将だったと評する人もいるから引き続き調べていきたい。