中島らものレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私の中にも成仏してない言葉があるんだろう。きっと。
これ、男の人は大好きなんだろうな。
波多野善二、相川真、宇井美咲の三人による一人称多視点による小説。
いきなりよく分からない用語の羅列に始まる。
ひたすら無意味な文字の羅列にひとつのセンテンスが数ページにも及ぶことがあるかと思えばひらがなの多用など、読ませるテクニックもすごい。
視覚、嗅覚、痛覚に訴えてくる表現。
スピード感、疾走感。痛快でいて切なくロマンチック。総じてめちゃくちゃ、ドタバタ、酩酊、ドラッグ、なのに美しい。
エンタメ要素を見事に文学的表現に落とし込んでいる、めちゃくちゃ面白いのに、まるで額装して飾りたいような -
Posted by ブクログ
映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』で引用されていた「君の体にも成仏してない言葉が詰まってるよ きっと」というセリフで興味を持った。
今まで写植を打ち続けることで抑え込まれていた波多野の中の言葉たちが、ナルムレストを飲んだことがトリガーとなって溢れて出てくる。馬鹿みたいなチラシの文言を無私で打ち込んでいたのに、知らないうちに、突っ込むようになっていて、気付いたらビート文学みたいな支離滅裂な文章を打っていたあのシーンの怒涛さは読んでて興奮した。トリガーが薬物なのは少し不満、ナチュラルハイが良かった。
私は「押し殺して押し殺してそれでも出てくるのが個性」って主義だから、主義に合う小説。今 -
Posted by ブクログ
ネタバレ中島らもさんの本が好きで、たまたま本屋さんで見つけて読み始めた。
ドラック関係の本や映画といったものは、ドラックをやめたくてもやめられない負のループみたいなところに目が向けられがちだと思うが、らもさんのエッセイは、色々な薬物を実験的にやっているようなところや、客観的に色々分析しているところが面白いなと思った。
なぜ人はドラックをやるのかという問いに対して、自失を求めているからだという答えは、確かにそうだなと思う反面、(私にはわからないが、苦しむことが色々あるのだろうということは、十分承知しているが、)こんなに才能のある人がどうして自失を求めているのだろうかという気持ちにもなった。 -
Posted by ブクログ
実は私、中島らもって人、良く知らんかったんです。
なんかいろんな事をやっていて、テレビにも出るし、へんなコメントしてるし(かと言って芸人ではないし)、ミュージシャンでもあるみたいだし。
まあ、私の中ではタモリのような奇人変人ぐらいしか思ってなかったわけですが、1冊ぐらいはエッセイでも読んでみようかと。
あぁ、なるほど、やっぱり奇人変人ですかね。
でも、その変人っぷりがとっても魅力がある人で、子供の頃から歳をとってもそれが変わらないというか。
文章自体は、それほどでもないような気がしますが、その行間に隠されたモノは、まだまだ私にはわからんかもしれん。
ただ、こういう人生には憧れますな。 -
Posted by ブクログ
薦められて借りた、中島らものエッセイ集。
これまでの人生で中島らもを読まずに過ごしてきた自分にとって、1冊目。
最初の章「愛について」の第1編「チビの女神さまへ」。
"いきなりだけれど、君はチビだ"という一行目の惹きつけには、読む気が湧く。
ギャグセンスには時代を感じるが、全体を通してとても読みやすい。
なかでも好きなのは、恋愛小説「恋するΩ病」。
酒と女に溺れてどうしようもない生活をしていながらも、その場しのぎの快楽を追究するビョーキのような生き方が、とにかく楽しそう。
それでいて色々と成し遂げているのが羨ましくなる。
だらっと1人で酒を飲みながら気軽に読む本だと思う。 -
Posted by ブクログ
らもさんのドラッグの話。
ドラッグの種類をらもさんの実体験を元にわかりやすく理解できます。
随分と道を踏み外してこられた人生で驚きました。
それでもなんとか生きているし、作品も残しているし、いろんな意味で常識を飛び出した人だなぁと思いました。
そういえば、昔一緒に仕事をした某俳優さんはジキニン中毒とおっしゃってました。
私はジキニンを飲んでも何も感じなかったので意味がわからなかったのですが、そういうことだったんですね。なるほど。
私は基本的にはガチガチの真面目人間で、10代から飲酒や喫煙はしていたものの、自分を失うほどの逃避はしませんでした。
らもさんほど道を踏み外さなくても、私ももうす