中島らものレビュー一覧

  • 永遠も半ばを過ぎて

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    私の中にも成仏してない言葉があるんだろう。きっと。

    これ、男の人は大好きなんだろうな。


    波多野善二、相川真、宇井美咲の三人による一人称多視点による小説。

    いきなりよく分からない用語の羅列に始まる。
    ひたすら無意味な文字の羅列にひとつのセンテンスが数ページにも及ぶことがあるかと思えばひらがなの多用など、読ませるテクニックもすごい。

    視覚、嗅覚、痛覚に訴えてくる表現。
    スピード感、疾走感。痛快でいて切なくロマンチック。総じてめちゃくちゃ、ドタバタ、酩酊、ドラッグ、なのに美しい。

    エンタメ要素を見事に文学的表現に落とし込んでいる、めちゃくちゃ面白いのに、まるで額装して飾りたいような

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    2022年07月28日
  • 中島らもの特選明るい悩み相談室 その1

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    ただのお悩み相談じゃなくて、明るい悩み相談ってのがいいなと思って3巻まとめて購入。ただちょっと明るすぎて悩みに真摯に向き合ってない感じはある。っていうかそもそも相談内容が悩みというほどのものでもないものが多くて、まあそのくらいの軽く読めるのがいいのかも。

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    2022年05月26日
  • 永遠も半ばを過ぎて

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    後半からがテンポ良く面白くなってくる。
    どうしようもない詐欺師が話をかき乱す。
    「君の中にも成仏できてない言葉が詰まってるよ、きっと」
    成仏できてない言葉を表に出せればみんなストレスなく生きれるんだろうな。

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    2022年05月07日
  • ガダラの豚 2

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    ネタバレ

    アフリカ編。Ⅰよりも淡々としている。
    深夜特急みたいに、旅行記として読めるからそれは楽しい
    序盤から色々とフラグが立ち、そのフラグが後半に差し掛かって回収されていく…
    このシリーズを読んでから、夢で呪いみたいなものが出てくることがある
    まさか志織ちゃんに再会できるとは思わなかったけど、よかった…

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    2022年04月30日
  • 永遠も半ばを過ぎて

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    映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』で引用されていた「君の体にも成仏してない言葉が詰まってるよ きっと」というセリフで興味を持った。

    今まで写植を打ち続けることで抑え込まれていた波多野の中の言葉たちが、ナルムレストを飲んだことがトリガーとなって溢れて出てくる。馬鹿みたいなチラシの文言を無私で打ち込んでいたのに、知らないうちに、突っ込むようになっていて、気付いたらビート文学みたいな支離滅裂な文章を打っていたあのシーンの怒涛さは読んでて興奮した。トリガーが薬物なのは少し不満、ナチュラルハイが良かった。

    私は「押し殺して押し殺してそれでも出てくるのが個性」って主義だから、主義に合う小説。今

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    2022年04月07日
  • アマニタ・パンセリナ

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    ネタバレ

    中島らもさんの本が好きで、たまたま本屋さんで見つけて読み始めた。

    ドラック関係の本や映画といったものは、ドラックをやめたくてもやめられない負のループみたいなところに目が向けられがちだと思うが、らもさんのエッセイは、色々な薬物を実験的にやっているようなところや、客観的に色々分析しているところが面白いなと思った。

    なぜ人はドラックをやるのかという問いに対して、自失を求めているからだという答えは、確かにそうだなと思う反面、(私にはわからないが、苦しむことが色々あるのだろうということは、十分承知しているが、)こんなに才能のある人がどうして自失を求めているのだろうかという気持ちにもなった。

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    2022年03月16日
  • 作家と猫

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    さまざまな作家たちによる猫づくしのアンソロジー。
    猫とともに生きることの喜びをあらためて感じて、ほっこりする作品ばかり。

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    2021年09月11日
  • 頭の中がカユいんだ

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    ノスタルジックでジャンキー。枕元の酒と煙草の煙の充満した部屋で迎える無理矢理現実に引き戻される朝の匂い。
    酒と咳止めシロップのどろりとした心地のいい無敵感に抱かれる夜の感触。
    交互に訪れる夜と朝。

    60年代の香りが好きな、めちゃくちゃだけど陽気な小説を読みたい人におすすめ。らもさんが一番好きな本だそうです。

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    2021年09月02日
  • ガダラの豚 3

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    おいおいなんだそれ~~~~~~!!!

    最後の最後で無理やり収めたというか、
    打ち切り感満載だし、好きなキャラがどんどん死んでいくので落ち込む。
    アル中の見る夢みたいな物語だったわ。

    めっちゃ毒の強い野原一家みたい(笑)

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    2021年05月11日
  • 白いメリーさん

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    とびきりな話も無かったが、楽しく読めた。
    どこか不気味で、少しコミカルで全体に明るい感じ。
    長さがまちまちでめくった瞬間にもう終わり?もうちょっと続けて、って話も有ったが。

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    2021年04月24日
  • せんべろ探偵が行く

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    不出世の天才飲んだくれである中島らもさんの、「せんべろ」という今では一般的な言葉となって久しい正しい酔っぱらいの所業を、毎度たのしい仲間たちとドキュメンタリーというかルポタージュするという一冊。

    やはりらもさんはいいなぁ。特に「かど屋のこと」と題したエッセイが秀逸。名文中の名文で、声に出して読みたい日本語、という感じがする。
    「酒、煙草、メシ、コーヒー、ジャズ、セックス、そして何よりも会話。」

    立ち呑み、角打ち、下町の大衆居酒屋や食堂での昼呑みを愛する向きにはまさにバイブル。

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    2020年08月27日
  • 酒気帯び車椅子

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    大切にしていたものが脆くも崩れ去る様が痛ましいが、どこかその悲しい運命が男の業であるように感じさせる。商売というのは搾取なのか。その上に成り立つ幸せは罪なのか。幸せはある日突然奪い去られるようにできているのか。そんなことを感じさせる顛末もユーモアを交えて描いてみせる。が、目を背けたくなるような陵辱はやはりつらい。

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    2020年04月24日
  • 僕に踏まれた町と僕が踏まれた町

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    実は私、中島らもって人、良く知らんかったんです。
    なんかいろんな事をやっていて、テレビにも出るし、へんなコメントしてるし(かと言って芸人ではないし)、ミュージシャンでもあるみたいだし。

    まあ、私の中ではタモリのような奇人変人ぐらいしか思ってなかったわけですが、1冊ぐらいはエッセイでも読んでみようかと。

    あぁ、なるほど、やっぱり奇人変人ですかね。
    でも、その変人っぷりがとっても魅力がある人で、子供の頃から歳をとってもそれが変わらないというか。

    文章自体は、それほどでもないような気がしますが、その行間に隠されたモノは、まだまだ私にはわからんかもしれん。
    ただ、こういう人生には憧れますな。

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    2020年04月16日
  • こどもの一生

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    子供の頃に劇をテレビで観たことがあった。ほとんど内容は忘れていたが、小説があると知り読んでみた。

    歌のところ等は劇の方が臨場感があって良かったと思う。しかし物語への没入感や、読後の「旅から帰ってきた」感じは小説でも体感することができた。


    トラウマのように頭の片隅に残っていたワードの出所が分かり、個人的にはスッキリした。

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    2020年04月06日
  • 恋は底ぢから

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    薦められて借りた、中島らものエッセイ集。
    これまでの人生で中島らもを読まずに過ごしてきた自分にとって、1冊目。

    最初の章「愛について」の第1編「チビの女神さまへ」。
    "いきなりだけれど、君はチビだ"という一行目の惹きつけには、読む気が湧く。

    ギャグセンスには時代を感じるが、全体を通してとても読みやすい。
    なかでも好きなのは、恋愛小説「恋するΩ病」。

    酒と女に溺れてどうしようもない生活をしていながらも、その場しのぎの快楽を追究するビョーキのような生き方が、とにかく楽しそう。
    それでいて色々と成し遂げているのが羨ましくなる。

    だらっと1人で酒を飲みながら気軽に読む本だと思う。

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    2020年02月15日
  • 永遠も半ばを過ぎて

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    初、らも。
    ユーモアに富んだ展開で、スイスイ読み進めることができました。表題が印象的な割に、ちょっとインパクトに欠けたかな。。。

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    2019年12月07日
  • ガダラの豚 2

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    Ⅰはエセ超能力&洗脳の新興宗教。Ⅱはアフリカの呪術もの。ⅠよりはⅡの方が面白かったかな。自分には、んんん?とモヤる展開が多く、惰性で読んでいる節がある…

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    2019年09月09日
  • 君はフィクション

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    ネタバレ

    不可解だけど何故か受け入れてしまう『DECO-CHIN』も、『バッド・チューニング』の狂った正しさも、なんとなく気持ちが軽くなる。
    不思議と胸がすく本だった。

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    2019年07月31日
  • バンド・オブ・ザ・ナイト

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    ドラッグによって作り出される不思議な世界を描いた本。なかなか面白い・・・のですが、ラリッてるところを読むのはちょっとたいへん。よくこの本を最後まで読んだなーと思います。
    ラリッたことはないので本当にこんな感じなのかはわかりません。そのへんは識者(?)におまかせします。

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    2019年01月01日
  • アマニタ・パンセリナ

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    らもさんのドラッグの話。
    ドラッグの種類をらもさんの実体験を元にわかりやすく理解できます。
    随分と道を踏み外してこられた人生で驚きました。
    それでもなんとか生きているし、作品も残しているし、いろんな意味で常識を飛び出した人だなぁと思いました。

    そういえば、昔一緒に仕事をした某俳優さんはジキニン中毒とおっしゃってました。
    私はジキニンを飲んでも何も感じなかったので意味がわからなかったのですが、そういうことだったんですね。なるほど。

    私は基本的にはガチガチの真面目人間で、10代から飲酒や喫煙はしていたものの、自分を失うほどの逃避はしませんでした。

    らもさんほど道を踏み外さなくても、私ももうす

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    2018年10月19日