中島らものレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大生部教授一家とTVマンらは、アフリカの地へ
前半は、アフリカの当時の現状なのか、風土や呪術を含めた文化をコミカルに読ませてくれる
あまりにも旅行記部分がリアルなので らもさんアフリカ行ったのかなと思うほど
実際は、かなりの文献からの創作のようですけど
大呪術師パキリの「バナナのキジーツ」が、この作品のミステリー、1巻で亡くなったと思われていた教授の娘となり なるほど!
日本からの一行は彼女を救い、逃げる逃げる
アフリカ旅行に「道祖神」というツアー会社を使うのだけど こちらは実在する会社らしい
HPによると 今もアフリカのオーダーメイドタイプの旅にも対応しているみたい
らもさんの洒落れなの -
Posted by ブクログ
電子書籍版を購入。
電子版は前書きも後書きも無いので、読み始めてから、相談者の悩みの内容も解答もかなり昔の感じだなって思った。思春期らしい相談者の親が戦時中の人らしいのをみて、これは数年ではなく数十年前の気配がすると思って調べたら1980年代に最初の本が出てた模様。
どの時代になっても家族や友人の奇行に驚き悩むのは変わらないんだなって思ったし、解答が思いもよらない方向の視点で面白い。短いナイトスクープみたいな感じがある。
自分が悩みすぎてどうにもならない時、同調よりもこういう思いもよらぬ方向からのアドバイスもしくは視点をもらえると本当に救われた気がするので嬉しいんじゃないかなと思った。
読むの -
Posted by ブクログ
正統派な幽霊ものやサスペンス系のホラーもありつつ、オカルトや超常現象の趣味があふれた話にシュールな作品など、中島らもさんの表も裏も楽しめる短編集でした。らもさんの場合は正統派系も、ぶっ飛んだ系も、どっちも表なのかもしれないけれど。
正統派系だと嗅覚の鋭敏な女性が、新しく越してきたマンションの浴室の音と臭いに悩まされる「はなびえ」と、
盗聴が趣味の男が、隣室の女性が一人で誰かと会話している様子を聞いてしまう「耳飢え」が好きでした。
「はなびえ」は現象としては正統派なんだけど、そこに女性心理であったり、ラストの一言の皮肉が効いていて、単なる都会の怪談話でなく、都市に生きる女性の一面を照らしたよ -
Posted by ブクログ
ドタバタものかと思いきや、どこか詩的な言葉や表現が現れ、物語の方向性がいきなり変わり、怒涛のように言葉が紡がれる。
まさに中島らもさんらしい作品でした。
一番印象的だったのは、写植を営む波多野が知り合いである詐欺師の相川からもらった薬を口にして、ハイになった状態で仕事にかかる場面。
写植というのはPCによるデザインが普及する前の時代、フィルムや専用の機械などを利用して紙に印字する技術のこと。
波多野の思考と、仕事で打ち込んでいく文字が混ざり合い、意味の通らない言葉の連なりが延々と続いていく。
どういう思考回路をしていたら、こういう文章を書き続けることができるのだろう、とこうして本の感 -
Posted by ブクログ
「僕が踏んだ街と 僕に踏まれた街」に続き中島らも二作目。
前作とは違い明るい雰囲気。後半は呪術などに関しての興味も語られる。
「生きている」の反対語は「死」ではなく、「生きていない」であり、究極には無である。
死という状態は、人間の想像力によってのみ規定される架空の概念である。
自分という存在は、人間という種の連続の中の一つの結節点であり、種が繋がる限り僕という存在も永続的に生き続ける。
凝り固まっていた死という一大イベントを、よりライトに捉え直すことができました。
所々に核や戦争についても言及されていた。人類史における最大の悪は核である。。??