中島らものレビュー一覧
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ネタバレ1, 2 までが面白かったが、期待はずれというか、期待した展開とは少し違った。
2 までで、超能力や呪いの非科学的な力を否定しているっぽいことを言いつつも、呪いが村社会で担ってきた役割の話があったり、呪いの神秘的な力が実は存在するっぽい部分も匂わせつつだったので、最終的にどういう方向に話を持っていくつもりなのかというのを過剰に期待してしまったのだけど、あまりにオカルト的な力の戦闘だけになりすぎ&殺しまくりすぎでなんか興ざめ。
結局なんだったんだこの話は。
そもそもバキリの呪力で指パッチンして人を動かせるならサブリミナル映像とかいらんやん。 -
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ネタバレどうしても酒を飲まずにはいられない人生について。
「この調子で飲み続けたら、死にますよ、あなた」
それでも酒を断てず、緊急入院するはめになる小島容。
ユニークな患者たちとの会話や担当医師との対話、
ときおり訪れる、シラフで現実と対峙する憂鬱、
親友の妹が繰り出す激励の往復パンチ――
「飲む人間は、どっちかが欠けてるんですよ。
自分か、自分が向かい合ってる世界か」
劇作家、ミュージシャン、放送作家、ラジオパーソナリティ、小説家……
尼崎に生まれ、独創的なユーモアで幅広く活躍した中島らも。
実体験をベースに、生と死のはざまで揺らぐ人々を描き、
吉川英治文学新人賞に輝いた著者の代表作が新装版に -
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すべての酒飲みに捧げるアル中小説のロングセラーで、アルコールが人生にどう作用するのか。そんな問いに、真っ直ぐに、残酷なリアルに向き合った小説。
主人公、小島容の描写を通じてアルコール依存症の怖さ、特に「連続飲酒」や「離脱症状」といった症状の現実が生々しく胸に迫る。飲酒という行為が習慣から執着に、そして生命を脅かすものへと変わる過程が淡々とした筆致で描かれる作品。
また、GOTやγ-GTP(安全域: GOT: 50↓/γ-GTP: 100↓, 依存症初期: 60-120/100-200, 依存症: 120↑/200↑)といった肝機能の数値について言及される場面も印象的。普段は健康診断の結果でなん -
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ネタバレ酒が原因で入院した男が病院で色んな人に出会ったり、昔のことを思い出したり、親友の妹でありかつ職場の部下と話をする内容。
この親友の妹であるさやかが非常にキャラクターとして良かった。中盤の死に急ぐ人間に対する少しきつくも感じる物言いが素晴らしい。死に急ぐ人間は生きている人間の思い出の中で生きようとする卑怯者である、なんて考え方は初めて聞いたが彼女の芯の強さを感じた。しかもその彼女の考え方の根拠を終盤で確認することができたのも良かった。
反面、主人公の小島はあまり好きにはなれなかった。主人公というか作者に対して思うことなのだが、ところどころでフーゴバルやギュスターヴモローなどの名前を出して知識をひ -
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ネタバレ現代の出来事を描き、過去を振り返る構成がメイン。
時々、アル中、シャブ中、そしてそれを改善するプログラムなど、
学術研究的な記載があるので知的資料にもなる
(ただし、医学科学は進歩するので情報が古い可能性はあるので鵜呑みは注意)
出来事自体はそれほど展開しない。
起承転結はあるが、想像だにしない方向にはいかないので
大筋のプロットで言えば誰でも考えれそうなもの。
なのだけど、(著者経験による)アル中の解像度はもちろん、人物の解像度が高い。
文体の巧さがあって、何も起きてないのに、それでも引き込まれる強みがある。
少しだけ劇的なシーンはあるけど、ジントニックのライムにも満たない。
人間の生々 -
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作中にあるアル中テストやると、13.7点
2点でダメ。1問目の点数が3.7な時点で詰み。
俺は酒の場は好きだけど飲むのは嫌いで、1週間に一度も飲まない週もザラにあるし、遊ぶ時も「酒はいらなくね」という価値観を親しい友達と共有できていたりする。
でも「酒を道具とする人はアル中になりやすい」とあり、納得してしまった。確かに俺は酒を自分の恐怖心とか、恐れとか迷いを消す道具として飲んでた。それが行き着くと、酒を飲んでも途中まで一切酔わない状態になり、その後は本当に人に実害を及ぼす大暴れをすることになる。社会人になってからそういうことは幸いでていないが、最近危なかったタイミングがあった。会話の途中か -
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ネタバレアル中患者として入院した主人公・小島容の視点で、酒におぼれる人生の哀しみや滑稽さ、病と向き合う人々の姿をユーモラスかつ繊細に描く作品。
医療用エタノールを隠れて飲むアル中だったり、平気で患者と殴り合う医者だったり、「本当にいそうだけど、絶対にいなさそうなやつ」の描き方が天才的に面白かった。主人公の「アル中本を肴に酒を飲む」という設定もバカすぎる、、
アル中によって引き起こされる病気や弊害、使用される薬、海外での症例、家庭環境とアル中の因果関係など、アル中にまつわる幅広い学識が生々しく紹介される。
自分自身もお酒が大好きなので、日常生活を見直さないといけないと痛感させられた。
でも、そんな全世 -
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アルコールはほろ酔い程度にとどめておくのがいい。
酒は、心に空いた穴を塞ぐことなど出来ない。
分かっていても、装って作った人格を見せること、そうでない素の人格をさらすこと、そのどちらも出来ないから酒に逃避したくなる人間の性。
人は弱い。どんなに強くても、何かの拍子に階段を踏み外し、転落する危うさを持つ。そこから引っ張り上げてくれるのは、やっぱり自分の人生に関わって来た人間で、それは目の前にいてもいなくても、心の中に在り続ける、時に傷付けられ時に胸の奥に火を灯してくれる、そんな存在の力によるものが大きい。
主人公含む、登場人物達のキャラがうまく立っており、アル中をテーマにした作品の中でも随所に