中島らものレビュー一覧
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Posted by ブクログ
文庫で購入しました。
裏面にあるあらすじがネタばれしすぎて困った(笑)。
ホラー小説ということを知らなかったらもっと楽しめたと思います。
そういう怖さなので。
とは言いつつ相変わらずのらもワールド。大好きです。
以下ユングのシンクロニシティについての会話より
“「私はね、ときどき星空を見上げていて思うことがあるのよ。この広い宇宙の片すみの銀河系の中の何千億っていう恒星の中の太陽系っていう中の三つ目の惑星が地球よ。そこに生命が生まれて、進化して、人間ができて、その長い歴史のほんの一瞬のまばたきみたいな、今という時間に私がいる。そしてスープを作ったりお洗濯をしたり、たまにそうして星空を見上げ -
Posted by ブクログ
”この本はたとえば歴史書みたいなものと比べて見た場合、九牛の一毛にも足りない「アリの一生」みたいな本かもしれない。もしこの本に何か意味があるとすれば、ここには今ではもう嗅ぐ事のできない「時代のフレイバー」があるかもしれない、ということだろう。”
著者のあとがきより。
60年代後半から70年代の時代の空気ってそのあとの時代に生まれた身からすればこういうエッセイや小説、映画から感じるしかないんだよね。
それにしてもこの人の本、初めて読んだがものすごい面白い。
伊丹十三のエッセイも全体に倦怠感溢れてる感じだけど、それをもっと濃くした感じがする。
倦怠感というかたぶん絶望感とかの方が近いんだろ -
Posted by ブクログ
好き嫌いの別れる作品だとは思うけれど、
時折、心をつかまれて切なくて苦しくなる・・・。
そこには、らもさんの、照れて隠している知性や優しさ、
そして、生きる苦しさを経験してきたエキスが見事な筆力で
描かれているからだろうな・・・。
「その日の天使」というエッセイには、
一人の人間の一日には、必ず「その日の天使」がついている。
・・・中略・・・
心・技・体ともに絶好調のときには、これらの天使は、人には見えないもののようだ。
こんなことがないだろうか。
暗い気持ちになって、冗談にでも“今、自殺したら”なんて考えているときに、
とんでもない知人から電話がかかってくる
・・・中略・・・
それは、