中島らものレビュー一覧
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序盤でへらず口における寝技、投げ技、関節技などを解説して、その後へらず口界における猛者たちとの対談ならぬ対戦をするという構成なのだが、序盤の解説が意外とよく書けている。
ほんの40ページくらいの小品なのだが、レトリックの解説として機能しているだけではなく、文章としてもおもしろいという、なかなかの出来。
それ故、後半に期待してしまうと残念なことに。後半は、まあ、普通の対談。ファン向け。どうでもいい話だけど、高橋源一郎に触れていることにちょっと驚く。二人とも灘高ってのは知ってたけど2年しか離れてなくて、しかも、顔を覚えてるとは思わなかった。
しかし、「面白かったね。さようならギャングたち」って言葉 -
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久しぶりにらもさんの本を読みました。早いもので、らもさんがこの世を去られて、7年もの歳月が流れ過ぎたんですねぇ。本書はらもさんと小堀純さん、そしてその怪しげな仲間たちが、千円でべろべろに酔っ払える店を訪ねて、全国行脚するレポート&エッセイです。ボクはお酒が飲めないので、ずいぶん人生損してるなぁと常々思っているわけですが、これを読んで益々その感が強まりましたぁ。
らもさんの書かれたものをもう目にすることは出来ないということはもとより、なんとも物哀しいのは、ここに登場するお店のうち何件かは、すでに閉店してしまっているということです。諸行無常、栄枯盛衰、色即是空ということでしょうか。世知辛い時代にな -
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千円でベロベロに酔う、略してせんべろ。
おじさん3人がひたすら安く飲める店を渡り歩き、ぐだぐだしゃべってる本です。
体質的にお酒が飲めない自分としては、こんな風に飲んで酔える人たちに憧れてしまいます。
安い店で肴をつまみ、タバコをぷかぷかふかしながら、気の置けない友人と他愛もない話をして、ちまちま飲み続ける。
そして体を壊す。それでも飲む。
いいなぁ。
まぁ、所詮他人事だから憧れるわけですが。
中島らもさんの人生を考えると、こんなしょうもない会話や態度の中にも、人生訓や悲哀を感じ取ってしまいます。
お酒好きの方にはいいガイド書でもあるのではないでしょうか。 -
Posted by ブクログ
この作品を書店で見かけてからもう何年も読もう読もうと思いながらも、ついつい先延ばしにしてきてしまった作品である。
ということで非常に楽しみにしていた。出だしは好調で、先が楽しみな予感であったが、気持ち良く読み進めていたところへ、主人公大島のクスリによる酩酊シーンがやって来た。これが支離滅裂で詩的でパンクで面白いのであるが、個人的にはこの件が長過ぎる・・・やはり中島らもは面白い。だからこの酩酊の羅列の産物はよくわかったから、物語を先に展開してくれい、という気分になる。いつ終わるのかもわからない読み手を不安にさせるほどに長い酩酊シーン・・・ひょっとしたらこれもらもの狙いかもしれんが・・・