あらすじ
早く、一秒でもいいから早く大人になりたい。少年たちは理不尽な叱られ方をする度に怒りを一種のホルモンに変えて成長していく――。空を飛ぶ夢ばかり見た少年時代、よこしまな初恋、金縛りから始まる恐怖体験、さまざまな別れと出会い、とことん睦み合った酒の正体、煙草呑みの言いわけ。薄闇の路地裏に見え隠れする、喜びと悲しみと羞じらいに満ちた遠い日の記憶。
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Posted by ブクログ
この本に収録されている何作品かに、本当に感銘を受けた。初めて読んだとき、何度も何度も、繰り返し、繰り返し読んだのを覚えている。
もうこのタイトルからして彼にやられてしまった。「無限分の一秒」で完全に心を掴まれた。
中島らもはすごく賢い。学問上の勉強ができる賢さではなく、生きる上で、心のありようとして賢いと思う。すごい。
Posted by ブクログ
終わりに近づくにつれて「千利休がレフェリーのリング内」での比較的作法を突き破らないような勝負にかかってる気がして、それで最後またも綺麗に収められちゃった気がして、悔しありがたい気持ちになった。すごく良かったです。
Posted by ブクログ
「サヨナラにサヨナラ」より 人間の実相は刻々と変わっていく。無限分の一秒後には、無限分の一だけ愛情が冷めているかもしれない。だから肝心なのは、想う相手をいつでも腕の中に抱きしめていることだ。ぴたりと寄りそって、完全に同じ瞬間を一緒に生きていくことだ。二本の腕はそのためにあるのであって、決して遠くからサヨナラの手をふるためにあるのではない。 中島らもさんワールドにぐんぐん引き込まれて行く。この人の頭の中は面白いなぁ
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ああ、らもさんだ。
2ページから長いものでも数ページ。
場末路地裏コップ酒から、業界話、花鳥風月、科学に芸術。
そのどこにもらもさんがいて、「へえ~」とか「ええー!そうなん?」とか「まあねえ…」とか、そんなボタンがあったら押したくなる話ばかり。
話好きな人たちならこのどれか一編を肴に「自分なら」とまた盛り上がるんじゃないだろうか。
らもさんの面白さ、忘れてた。
ほかのらもさんも探そう!
シャバシャバの液でしばらくするとヘナヘナにしぼんでしまうたこ焼き。
今もどこかで売ってそう。
Posted by ブクログ
中島らもといえば、アル中&ヤク中(といっても風邪薬のブロン液)で、冴えない晩年とのイメージ強ですが、味のある文章を書かれるお方。本著は茶道誌に連載されていたエッセイで、内容的にはとりとめもない話が多いですが、タイトルからして味がありますね。タイトル買いです。
Posted by ブクログ
読み損ねていたものを古本で購入。
文章が綺麗で、時に、いや常にロマンチストである、ホワイトらもの良書。
不思議なことに内容のほとんどを知っていた。
エッセイの内容が他の作品とかぶっているのか?
Posted by ブクログ
中島らもの短編エッセイ集。
これぞ、中島らもエッセイの真髄。
中島らもを知るには、この本を読むべき。
酒の話、人の心情の話、プロレスの話、そして、
それら全ては愛に満ちた話。
Posted by ブクログ
【出会い】
古本市でらも作品をまとめ買いしていたうちのひとつ。
【概要】
非常に短いエッセイ集
【感想】
サラッと楽しめた。
あとがきにタイトルの由来があり、なるほどのオチだった。
Posted by ブクログ
ちょっぴりセンチメンタルなエッセイ。
らもさんのキュンキュンポイントが分かります。
ちなみに、私が大いにキュンとしたのは、
らもさんが小さい頃空を飛ぶ練習をしていたこと。
そしてキューピーを10歳くらいまで抱いて寝ていたこと。
カワイイ笑
Posted by ブクログ
日常的な普通の出来事や季節の思い出を作者の感じたまま書かれているエッセイ。タバコとアルコール、恋、性欲などその時に感じたものを綺麗に文章に綴るのではなく、大っぴらに書かれていて自分の感じたことを素直に出す方が良いよと教えてもらえる気がする。酒の正体という項の社長と飲む高い酒と料理より、一人で飲むトリスやノーブランドの酒が美味しかったという話は興味深かった。どの物事においても、価値というのは自分が決めるのであって、価格やブランドは参考にしかならないように感じた。マインドがいかに大事だし、それがわかるように作者のようにいろんなもの、体験をしないといけないと思った。
Posted by ブクログ
読み応えは特に感じなかった”世界で1番美しい病気“の中で話がいくつかかぶってたからなー、
それでも新しい話の中でらも節は全開だったのでよし!!!!!
Posted by ブクログ
CFが自己完結してしまっていると、一度見たときは面白くても2回、3回と見ることができない。だからコントとして成立しているものはCFとしては失格なのである(P20)は、目から鱗。
20年から30年のサイクルで何故不良どもが現れるのか。それは、連中が自分たちがかつて叩き壊した権威そのものになり、力と金がそこに集中するにしたがって豚にような悪臭を漂わせ始め、自分たちが養い育てた息子たちの世代によって引導を渡されるからである(P35)は示唆に富んだ指摘だと思う。
Posted by ブクログ
らもさん36歳のエッセイ。ちょっぴりセンチメント、そしてキュートでシニカル。好きな人の子供時代の話を聞くような甘酸っぱさ。
愛をひっかけるための釘、愛をひっかけるための釘。呪文を唱えるのだ。
Posted by ブクログ
最初のエッセイが特にオチもない真面目系だったのでガッカリしかけるもその後は、全体的に真面目を基調としながらも、昔話にアルコール話、くだらん話やらプロレス話、オカルト話などいつものノリで、結果としてはなかなかバランスの良いエッセイ集だった。反省。
Posted by ブクログ
今は亡き中島 らも氏が、
ご自身の若い頃の出来事や考えなどを交えつつ
世の中のあれこれについて考察する。
一つ一つの文は短編で、文体も「らも節」で
気軽に読めるが、洞察は常に深く、鋭い。
氏特有のシャイで、世の中を斜めに見るようでいて
その実心の中は誰よりもピュアで、傷つきやすく...
それが自分でもイヤで、開き直って大けがして、
それでまた落ち込んで...
という性格? 生活? がよく出ていると思う。
年上の「おっさん」に対して不適切かも知れないが、
とても「チャーミング」である(^ ^;
かなりアクが強いので、好き嫌いは分かれるかも。
が、私のように、らも氏と同じ「万年青春病」を
敬称ながら患っている者にとっては、
「そうそう、よくぞ言ってくれた」と
思わず膝を打つような文が何度も出てくる。
いや、実際に打ちはしないが(^ ^;
かえすがえすも、惜しい人を亡くしたものである。
Posted by ブクログ
人間の実相は刻々と変わっていく.無限分の一秒前よりも無限分の一秒後には無限分の一だけ愛情が冷めているかもしれない.だから肝心なのは,思う相手をいつでも腕の中に抱きしめていることだ.ぴたりと寄り添って,完全に同じ瞬間を一緒に生きていくことだ.日本の腕はそのためにあるのであって,決して遠くからサヨナラの手を振るためにあるのではない.