あらすじ
下田くんのお父さんは有名な悪役プロレスラーの牛之助。頭は金髪、顔は赤白の隈取り、リングでみどり色の霧を吹く。そんな父親が下田くんはイヤでたまらない。今度は黒人の空手家「クマ殺しのカーマン」と対戦することになったのだ。父を思う小学生の胸の内をユーモラスに描く表題作。ロックンローラー、落語家、究極のペットを探す動物園園長と魚河岸の大将。子供より子供っぽいヘンテコお父さんたちの物語。
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小学校6年生の朝の会だか空き時間に担任の先生が皆に音読してくれて気に入り、真似して本屋に買いに行った思い出の本。今読んでも面白かった。こんなお父さん(お母さんでもOK)いたら楽しいと思う。
親や大人は常識的であれ、模範的であれ、母親は父親より子の面倒を見れ、という圧をともすると自分の子どもが1番(無意識に)かけてきたりする。大人も自由でしょーもなくていいんだ、と思える良書。
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大人になりきれてない大人?
お父さんになりきれてないお父さん?
4人のお父さんは大人の男としてお父さんとして、一生懸命子どもと向き合おうとしてる。子ども側からはちょっとズレてはいるんだけど。
こんなちょっとズレた親の感じって、お父さんだと笑えるのに、お母さんだとなんか笑えない。
それは私が女だからかなぁ?
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オモシロいお父さん達の短編集で、どの話も子供向けらしく単純明快。だけれどホロリとさせられて、何だかとても雰囲気が良い。やはり頭一つ抜けて良い話は表題作『バックドロップ』。プロレスがわからなくても面白い。次いで『ペット戦争』も好き。鳥のキーウイが出てくるところがたまらなくツボ。この本から、親父が頼りないと子供がしっかりするのだな~と学ぶ。普段のらもさんの本はエキセントリックで??となることが多いが、この本はらもさんの優しさが滲んでいて、お気に入りの本だ。
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悪役プロレスラーを仕事とするお父さんが主役の表題作。お父さんはプロ中のプロのレスラーたが、息子の下田くんは反抗期真っ盛り。お父さんの仕事への矜持を打ち砕く残酷で本質をつく一言を言ってしまう。それに対するお父さんの行動は・・・。
プロレス好きでもそうでなくても感動できる秀作。総合格闘技ブームやプロレス暴露本ブームの遥か前に書かれている事がかえって素晴らしい。
作者はプロレス村の住人たちを全て敵に回してでも貫きたい、プロレスに命をかけるものへの愛、そして懸命に生きる人々への愛がある。
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『中島らもに二度出会う』
表題作は読む価値ある。電車のなかでも思わず泣いた。それ以外も読める。中島らも苦手意識があったが、読み深めていく事になりそうだ。
単純な話に心理は宿る。
ご一読を。
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はじめて読んだ中島らもの本。きっとここかららもさんとのお使いがはじまったんだろうなって思う。
ひらがなが多いので子供でも読みやすい本です。子供をらもに染めたい人はどうぞ。
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こんな父親になれたらええなぁ…
と、みごとに惹き込まれてしまった。
子どもより子どもっぽくて、遊び心と思いやりにあふれたお父さんたち4人のエピソード。
プロレスのリングで、おわらい新人大賞の舞台で、
息子が通う小学校の校庭で、はたまた家庭訪問の近づいた家庭で…
お父さんは子ども以上にエネルギー全開で、から回りながらも突っ走る。
「あとがき」で、今は亡きらも氏が作品に込めた思いが鮮明になる。
とてもあたたかみがあって、グッとくるあとがきだ。
おとなは大変だけれども。
家族ってメンドウなものだけれども。
側にいる人とのあたたかなつながりがあるのなら
けっして悪いもんじゃないね。
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お父さんの愛を感じる短編集
どのお父さんも純粋(ちょっとバカ)で可愛くて、でもかっこいい。
テンポよく面白くじんわり心温まるストーリーでした。
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子ども向け童話が四編収録されており、大人なら1時間で読み終わる分量。ひさうちみちおの挿絵がかわいらしく、なんとなく心温まる一冊。やはり表題作の出来がとても良く、優れたところもあるが尊敬しきれない父を持つ息子の葛藤をその友人目線でユーモラスに描いているのが、童話なので少々作為的すぎる点に目をつぶるとしても、胸を打つ。
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アントニオ猪木さん追悼
久しぶりにこんないい本読んだ
早く大人になりたかった
損な子どもの役割から
抜け出したかった
でも大人になってみると
そんないいものじゃない
子どもより子どもっぽい
プロレスラー、落語家、魚河岸、テレビ番組制作者のお父さん4人のお話
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夢枕漠の解説が成程と思わせてくれました
4作品少し変わったお父さんたちがでてくる短編小説
子供がなにかをまとったのが大人なだけであって
中身は子供のまんまなんだ
そういう見方をすると少しお父さんが好きになるかもしれません
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面白くてちょっと切ない笑える児童書。
そう思うと、物凄く優秀な一冊だよなあと
しみじみ思います。ホントに。
ひさうちみちお氏のイラストも凄く良いです。
シンプルなのに味が有る。またしてもしみじみ。
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ここに登場する4人のお父さん達に近い年齢になって読んでみると、
以前読んだ時とはまた違った気持ちになった。
作者の中島らもさんが、あとがきで、
「大人」とは、子供が大きくなり、
まったく違う性質の「大人」ってものになっちゃうのではなく、
「大人」には子供の部分がまるごと残っている。
子供に色々な大人の要素がくっついたのが大人なんだ。
ってことを書いてあって、納得。
どのおとうさんも、子供っぽさのあるおとうさんだけど、
よく考えてみれば、自分や周りの人達にだって、
そんな子供の部分があるよなぁなんて気づかせてくれたりする。
4人とも愛すべき大人達。
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「子供よりも子供っぽい」4人のお父さんが奮闘する短編集。『お父さんのペット戦争』が一番面白かった。ペット自慢の応酬も可笑しいが、元同級生の一郎と太郎がプールサイドに腰掛けて罵り合う場面に、父親になってもまるごと内包されている子供の部分というのが象徴されているようだった。ひさうちみちおのイラストも良い感じ。
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友人に薦められて。表題作『お父さんのバックドロップ』が一番好き。父親も一人の男で、子どもと同じ一人の人間なんだよって、全体からすごく伝わってくる。エンターテイメント性が高い小説だけど、とても深い。お世辞抜きに、子どもから大人まで楽しめる本。
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牛之助が、クマも殺す「クマ殺しのカーマン」に勝ったのが、すごすぎると思いました。
すごく強いプロレスラーの牛之助の話。(牛之助は悪役プロレスラー)
空手が好きな人におすすめします。(空手とプロレスの話だから)
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プロレスラーに落語家といった四人のお世辞にもカッコいいとは言えない情けないお父さんたち。ただ不器用なだけで人一倍愛情に満ちているお父さん。そんなお父さんとこどもの絆の物語。昭和感満載の笑いあり、ちょっとしんみりの素敵なお話でした。
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小学生にも読める本、というテーマで選書してみました。
小学生と、その父親をめぐる4編の短編が収められています。
活字も大きめで行間も広く取られているので、(もともと薄手の文庫本なのですが)想像以上にスルスルと読み進めることができます。
一見するとどうしようもないダメオヤジにしか見えない父親も、実は家族のため、そして自分自身のために一生懸命に生きており、その姿勢から子どもたちも父親の背中を誇れるようになっていくものなのでしょう。
特に表題作の「お父さんのバックドロップ」はその”王道”のストーリーで読後感も良かったです。
子どもから大人まで、抵抗なく読める作品だとは思います。
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「ちょっと子供っぽい」お父さんをネタにした小咄4本。タイトルの1本目の無茶をするお父さん、2本目あたりで「あ、小咄だ」と気づくという1冊。
ストーリーはそれぞれよく練られているが、子供向けに書かれているので、あっという間に読み終えてしまう。中島らもらしい軽い話といえばそうかな。
しかしやはり1本め2本めで山を迎えてしまって、後半2作は単に無茶なオッサンの話になってしまっているのは少し残念。
「軽いので電子書籍の入門に」というのは常套と言えば常套なんだけど、それにしてもちょっと軽すぎたかな。中学生くらいの読書感想文にいかがでしょうか?
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らも氏は、子供目線で見た大人の描写が絶妙ですよね。何故、悪役レスラーが必要なのかを説いたお父さんに対する、子供の切り替えしが見事。児童書としても成立している、価値の高い一冊だと思います。
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多分再読。子供向けなのに文庫になるってすごいなぁ。4つの短編集、と言っていいのか。子供より子供っぽいお父さん、とあるけど、こういうお父さんいるよなーって感じ。お父さんは総じて子供っぽいのだ。うちの父親なんか特に。やっぱ表題作が一番いい。ちょっと泣きそうになった。
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子ども向けということもあって、非常に読みやすい文章とわかりやすい展開。
だけどシンプルなだけに面白い!
読んだあと、心がほっこりします。大人にも子どもに読んでほしい作品だなあ。
Posted by ブクログ
わかりやい文章とストーリーなので、結末も見えすいたものになって面白くないんじゃないかなんて邪推する方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはなくて、ちゃんと大人でも最後まで読ませてくれる佳作でした。中島らもさんの暖かい部分がにじみ出ています。
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子どもよりも子どもっぽいお父さんを描いた4つの短編。表題の「バックドロップ」が一番面白いかなー。「な?人間じゃねえんだ。怪物だよ、怪物。そんなのが本気出しあって戦ったらどうなる?殺しあいだよ。それをやらないのを八百長だっていうんなら、八百長だわさ、たしかに。」の一言は深い・・・。