あらすじ
「恋は世界でいちばん美しい病気である。治療法はない」女子高生が一番いやらしいと断言できる訳について。結婚について。ご老人のセックス。いやらしいパパになる条件。清潔と身だしなみについて。親の心について。などなど。恋愛の至高の一瞬を封印して退屈な日常を生きる「恋愛至上主義者」中島らもの怒濤のエッセイ集。
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「恋は病気の一種だ。治療法はない。ただしそれは世界中で一番美しい病気だ。」らもさんのエッセイの中でも、特に好みの一冊。天使の話については何度でも読み返したい。
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一番はじめの「チビの女神さまへ」が好きです。(中島らもは、小柄な女の子が好きでした。)痛々しいともいえる恋愛感情が伝わってきます。あとは、恋愛などをテーマにしたエッセイ、小説などなどです。
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らもさん曰く、
「とにかく、僕はこういう本を書く男は嫌いだ」
そうだが、私は好きですよ笑。
今まで読んできたらもさんの中では一番好きです。
たぶん、いわゆる切ないきもちになるとこが多かった。
キュンとするってやつです。
こういう読者は嫌われますかね、らもさんに笑
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中学生だった私の恋愛観を決定付けた一冊
恋は人生に対して垂直に立っている
編集し最近出版された「その日の天使」はこの本に掲載されたものを読みました
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美容院でパーマかけながら一気に読んだ。
面白かった!!!!!!!!
中島らもの文章すごい好き。独特の世界だなーと思う。いっぱい共感した。
ちょっと極端だけど。
ほんっとに面白い本だと心から思った1冊でした。
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エッセイと、少しの恋愛小説。
この中に『その日の天使』というエッセイがあるが、絶望的な気持ちの時に、ふとしたことで救われるということがあるという。
中島らものエッセイには、そんな救いがちりばめられ、思わずくくくっと笑ってしまう。
そして、『恋するΩ病』という恋愛小説が好きだ。
そこに描かれている男女のやりとりが好きだ。
恋は病気の一種、世界で一番美しい病気と書かれているが、それでも恋愛はしたい。
そう思わせる恋愛小説だった。
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初めて「中島らも」と出会った本。予備知識ゼロでなんとなく手にしたのだけれど、この出会いから15年、ずっとらもさんがだいすきです。エロ?セックス?それはひととしてとてもあたりまえのこと!
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中島らもハマってます笑
「その日の天使」
…暗い気持ちになって、冗談にでも、"今、自殺したら"などと考えているときに、とんでもない知人から電話がかかってくる、あるいは、ふと開いた画集か何かの一葉の絵によって救われるようなことが。それは、その日の天使なのである。
恋づかれ
結婚してからいくつも恋をした。…「不倫」という実にいやな言葉があるが、指をさされて「不倫!!」といわれればたしかに不倫以外の何物でもないのだから、一言もない。
一言もないけれど、一言だけ言わせてもらえれば、そういうことを言う人は、結婚というシステムや、モラルという、種族にとっての安全バルブの味方であって、決して斬れば血の出る人間の味方ではないような気がする。
一言もないけれど、もう一言だけ言わせてもらえれば、恋におちてしまうのは僕の責任ではないのだ。
そいつはいつも、まったく何の予兆もなくいきなりやってくる。
チャイムでも鳴らしてくれれば逃げる手もあるのだが、散歩に行こうとドアをあけると、いきなりそこにヌッと立っているのだ。アッと思ったときはもう遅い。
自分勝手だと思う一方で、わかる気持ちもあるからどうしようもない。
稲垣足穂は、かつて恋愛と結婚のことについて、
「結婚するということは、恋愛という『詩』から日常という『散文』へと下っていくことです」と述べている。…
極端に言えば、恋愛というのは一瞬のものでしかないのかもしれない。
唇と唇が初めて触れあう至高の一瞬、そこですべてが完結してしまい、それ以外は日常という散文への地獄下りなのだ。
ただし、その一瞬は永遠を孕んでいる。
その一瞬は、通常の時間軸に対して垂直に屹立していて、その無限の拡がりの中に、この世とは別の宇宙がまた一つ存在しているのだ。
「昨日テキサスで始まった恋が、四千年前のクレタ島で終わる」
というのはトマス・ウルフの言葉だけれど、今夜、街のどこかで向かい合っている唇と唇の間の何センチかの中に、永遠の時間と、無限の距離と、そして無数の激痛をともなう夜々がうずくまっているだろう。
…
闇の中で、「想い」だけが僕の姿を照らしてくれているような気がする。それ以外のときは僕は一個の闇であり、一個の不在でしかない。
その辺、恋は灯台にも似ているようだ。
恋するΩ病
「好きだったら、どうしてわたしを大事にしないの?わたしと、わたしの生活と、わたしのしたいことを踏みつぶしてまわるの?どうして好かれるようにしないの?」
…
僕らはただの水の袋に過ぎない。美しい水と濁った水の。小さな針がひとつあれば僕らは混ざりあうことができる。僕はとても小さな針をひとつ持っている。
Q&Aセッションの
お互いの無知で傷つけあって、それでもお互いを許しあって、いやし合いながら苛酷な時の流れにいっしょにたちむかっていくのが愛というもので、無傷なツルンとした愛などは「愛」の名に値しないと思います。
は痺れました。
あとがき
…だからこそたまさかに耳にする一種神話的な恋愛談に我々は心をひかれるのだ。それは自分の中のどこか遠いところにある天上性への淡いデジャビューのようなものかもしれない。
夜々に鳴く犬の遠いほえ声に似ている。
あれは、
「時よ止まれ」
と鳴いているのだ。
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「結婚するということは、恋愛という『詩』から日常という『散文』へと下っていくことです」(稲垣足穂)
「唇と唇が初めて触れあう至高の一瞬、そこですべてが完結してしまい、それ以外は日常という散文への地獄下りなのだ。」
なるほどねーと思った
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全体的に綺麗が過ぎてびっくりしたけどこういうのを書かれると別切り口も追加されて、らものこと余計にもっと好きになっちゃうじゃん。と思った。
恋するΩ病、傑作だよ…
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中島らもという人が書く文章は、本当か嘘かわからない。
よくラリってる人だったので、常人にはウソだろ!?と思うことでも、もしかしたら本当なのかもしれない。
この本のなかでは「恋するΩ病」という短編小説がとってもよかった。
強引で、だけどユーモアがある男が(たぶん)美人を口説きまくる話なのだが、私、たぶんこういう人好きになっちゃうよなーと思った。
地頭がよくてユーモアがあるタチの悪い酔っ払いの戯言にずっと付き合ってるような本だった。
お気軽に読めるので、何かの待ち時間にオススメ。
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くすくす笑い、大爆笑もありました。大爆笑は久しぶりです。自分にまだ大爆笑するパワーが残っていることに感激です。「その日の天使」、なんだか勇気が出ます。
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エッセイとはまた違う作品ですが
ご自分の実体験を織り交ぜて書かれているところやおもわず笑ってしまうような文章にいいなと思いました。
ですが下品な表現があったりするので好き嫌いは別れそうだなと感じました。
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中島らもの文体は、特別に畏まったものではない。著者の目から察知する世界を、感性のままに描くのだ。シュールでふざけていたり、涙腺を刺激するようなウェットな話まで網羅できるのは、著者ならではの率直な感性によるものだろう。そして、風変わりとも言える独特の語彙が面白いのだ。
Posted by ブクログ
薦められて借りた、中島らものエッセイ集。
これまでの人生で中島らもを読まずに過ごしてきた自分にとって、1冊目。
最初の章「愛について」の第1編「チビの女神さまへ」。
"いきなりだけれど、君はチビだ"という一行目の惹きつけには、読む気が湧く。
ギャグセンスには時代を感じるが、全体を通してとても読みやすい。
なかでも好きなのは、恋愛小説「恋するΩ病」。
酒と女に溺れてどうしようもない生活をしていながらも、その場しのぎの快楽を追究するビョーキのような生き方が、とにかく楽しそう。
それでいて色々と成し遂げているのが羨ましくなる。
だらっと1人で酒を飲みながら気軽に読む本だと思う。
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切り口が多岐に渡るので捉え所が難しいですが、楽しく読めるエッセイです。
その日の天使(P53~55)が一番好きなかな。
「キライだから商売になるのだ。きらってきらってきらい抜くから相手の性格や相貌が見えてくる。」(P115)は示唆に富んだ指摘だと思う。
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らもさんの恋愛観がところどころ
心に響く...
恋愛が一つの「点」というくだり(詳細は引用を参照)は
思わず唸った
個人的にツボだったのは
Q&Aの
Q.男の人が感じる!というのは具体的にどんな感じなのですか?
A.ビアホールを出たあと尿意をガマンしていて、やっと探し当てたトイレで用を足せたときの、あのビリビリっとくる感じが一番近いでしょう
Posted by ブクログ
p.110 アクセサリーで身を飾るというのは、少しだけ自分を「失ってみせる」ということである。
そうなんですよね、自分の失ってみせることがなんだか恥ずかしいと思う私は自分を飾ることが苦手なんです。
p.69 恋愛を「関係」という見方でとらえてしまうと、そこには至高の瞬間から退屈な日常への地獄下りが待っているだけの話である。
なるほど、至極納得です。
p.26 「ツキ」とは偶然性の対極にあるものだと思う。
なるほど、
ツキと偶然って一緒じゃ
全然なくて対極だってのはなるほどと思う。
なるほどと思わない人は読んだらいい。
Posted by ブクログ
好き嫌いの別れる作品だとは思うけれど、
時折、心をつかまれて切なくて苦しくなる・・・。
そこには、らもさんの、照れて隠している知性や優しさ、
そして、生きる苦しさを経験してきたエキスが見事な筆力で
描かれているからだろうな・・・。
「その日の天使」というエッセイには、
一人の人間の一日には、必ず「その日の天使」がついている。
・・・中略・・・
心・技・体ともに絶好調のときには、これらの天使は、人には見えないもののようだ。
こんなことがないだろうか。
暗い気持ちになって、冗談にでも“今、自殺したら”なんて考えているときに、
とんでもない知人から電話がかかってくる
・・・中略・・・
それは、その日の天使なのである。
あぁ・・・こういう出会いあるなぁ。
あれが、あの日の天使だったのか。
と、天使たちに感謝したくなる。
偶然に見えて、実は必然で現れた天使たち・・・。
この本には、もうひとつ、大好きなエッセイがあります。
「恋づかれ」という一編。
大人の恋のせつなさが、読みながら苦しくなるほど美しく描かれています。
もし誰をも愛していないとしたら、結局僕は「いない」のだ。
闇の中で、「想い」だけが僕の照らしてくれるような気がする。
それ以外のときは僕は一個の闇であり、一個の不在でしかない。
こんなふうに、恋をして苦しむ、らもさんこそ、天使だなぁと思うのでした。
Posted by ブクログ
「その点、恋というのは山イモに似ている。」
文中に出てきたこの言葉が頭に沁みついて離れない。
ちゃらんぽらんでテキトーで、時々ロジカル?で、滅茶苦茶やね。
「女子高生のみなさん、あなたがたは土手で十分だそうですよ!」
Posted by ブクログ
なんと言うのか時々ハッとするような綺麗な表現や文章に出会います。すぐにおちゃらかした表現に戻りますが根がロマンチストだったんだろうなあ、なんて思いました。
中島らもさんの本って実は亡くなられてから読みだしたなあ、なんてふと思いました。
女性の悩み相談ずばっと解決、みたいな章がとても面白かった!
わかりやすいし確かにずばっと解決、だなあ、と。