中島らものレビュー一覧

  • 僕に踏まれた町と僕が踏まれた町

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    筆者の灘高・浪人時代を描いたエッセイ。

    高校生ならではの時代感に加え、神戸という港町がなんとも言えない雰囲気を醸し出し、時代こそ違うものの、自身もそうだったという思いを抱かせる。恐らく、みな感じるんだろう。

    オーケン「のほほん雑記」より
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    2019年05月05日
  • お父さんのバックドロップ

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    小学生にも読める本、というテーマで選書してみました。
    小学生と、その父親をめぐる4編の短編が収められています。
    活字も大きめで行間も広く取られているので、(もともと薄手の文庫本なのですが)想像以上にスルスルと読み進めることができます。

    一見するとどうしようもないダメオヤジにしか見えない父親も、実は家族のため、そして自分自身のために一生懸命に生きており、その姿勢から子どもたちも父親の背中を誇れるようになっていくものなのでしょう。
    特に表題作の「お父さんのバックドロップ」はその”王道”のストーリーで読後感も良かったです。

    子どもから大人まで、抵抗なく読める作品だとは思います。

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    2018年05月11日
  • 永遠も半ばを過ぎて

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    矛盾するタイトルが美しい。
    まさに「永遠も半ばを過ぎて」という論理を飲み込んでしまいそうになるほどの巧みな詐欺師が出てきて面白かった。

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    2017年10月22日
  • 僕に踏まれた町と僕が踏まれた町

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    著者の秀才→遊びすぎ→落ちこぼれな青春記。若い勢い、著者の生命力の強さを感じた。


    「生きていてよかったと思う夜がある〜一度でもそういうことがあれば〜あとはゴミくずみたいな日々であっても生きていける」

    「誰でも夢がつかめる。才能よりむしろ持続する能力があれば」

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    2017年06月20日
  • お父さんのバックドロップ

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    「ちょっと子供っぽい」お父さんをネタにした小咄4本。タイトルの1本目の無茶をするお父さん、2本目あたりで「あ、小咄だ」と気づくという1冊。

    ストーリーはそれぞれよく練られているが、子供向けに書かれているので、あっという間に読み終えてしまう。中島らもらしい軽い話といえばそうかな。

    しかしやはり1本め2本めで山を迎えてしまって、後半2作は単に無茶なオッサンの話になってしまっているのは少し残念。

    「軽いので電子書籍の入門に」というのは常套と言えば常套なんだけど、それにしてもちょっと軽すぎたかな。中学生くらいの読書感想文にいかがでしょうか?

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    2016年11月20日
  • 頭の中がカユいんだ

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    何かワケありの僕は、ある日、突然、妻子を残し家出する。
    勤める小さな広告代理店に、寝泊りするようになった僕。
    TV局員をはじめ、いろんなギョーカイ人たちと、夜に、昼に、昭和最後のヒートアップする大阪を徘徊する日々。
    次々とトンデモナイ事件が起こる中、現実と妄想の狭間で僕は……
    中島らも自身が「ノン・ノンフィクション」と銘うった記念碑的処女作品集。

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    2016年11月04日
  • 中島らもの特選明るい悩み相談室 その1

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    世の中いろいろな笑える悩みを持っているんだなぁ、ということが分かります。著者であるらも氏の、ユニークで真面目なアドバイス(回答)も笑えます。
    本上まなみさんの巻末エッセイも、本質を突いていて秀逸な作品ですね。

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    2016年01月12日
  • 恋は底ぢから

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    切り口が多岐に渡るので捉え所が難しいですが、楽しく読めるエッセイです。
    その日の天使(P53~55)が一番好きなかな。
    「キライだから商売になるのだ。きらってきらってきらい抜くから相手の性格や相貌が見えてくる。」(P115)は示唆に富んだ指摘だと思う。

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    2015年12月03日
  • 水に似た感情

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    躁病の著者と躁病が去って塩たれた状態の著者の2人の人間が書いた、リアルに迫りくる幻想体験ノン・フィクション。
    86頁からの“地獄のミーティング”の章は痛快ですね。
    174頁からの“ディレクター業に関するコツについてのレクチャ”も参考になりますね。
    「普通の人間は、かちっと固まってしまっているから、大賢にも大愚にもなれないんだ」(P150)、「たいていの物事は、慣れてきた頃に終わる」(P164)は、示唆に富んだ指摘だと思う。

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    2015年11月13日
  • アマニタ・パンセリナ

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    ドラッグエッセイ。著者の体験も踏まえたドラッグの分析は特筆もの。人はなぜドラッグを活用するのかなど、文化面や人心面からの切り口で面白く痛快に読ませてくれる。

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    2015年10月19日
  • 砂をつかんで立ち上がれ

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    >「中年智恵」の本質……「智恵」が「力」をコントロールする、力とともにその使い方の技術も向上していくということ
    >「力を封じ込める能力」どうすれば刀を抜かなくてすむか、それが「中年智恵」の本質なのではないだろうか。わめきちらし暴れまくっている人間よりも、いつでも抜刀できる姿勢を保ちつつニコニコしている人間のほうがはるかにこわい。力と智の均衡が結ぶ静かな微笑の奥に巨大な爆発力が封じ込められている、これこそ「理想の中年」像というものではないだろうか。
    >力をみだりに使わないことがもたらすやさしさというのは、若い人の優柔不断を誤解して言われるところの「やさしさ」とは対極に位置する、ほんものの「やさし

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    2015年09月20日
  • 寝ずの番

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    上野から新青森までの新幹線のお供に。

    お下品なネタの応酬に苦笑いしつつも、登場人物の間抜けなエピソードの数々がバカバカしすぎて愛らしく思えました。

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    2015年08月12日
  • 獏の食べのこし

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    夢中毒者である著者の愛と世界をめぐるエッセイ集。
    あまりにうま過ぎてまったりとした酒では嫌味を感じてしまう。それは「立派な人」と付き合うと疲れる感じによく似ている気もする(P162)。←なるほど。

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    2015年07月17日
  • せんべろ探偵が行く

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    こよなく酒を愛する中島らも&小堀純の名コンビが、全国津々浦々、安い酒と酒のあてを求めて旅をする。こういう人達とご一緒できると楽しいだろうなと思わせる一冊。

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    2015年06月19日
  • 君はフィクション

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    作家の中で一番私の人生に影響を与えた人物。なのに亡くなる数年前から読まなくなっていた。今頃になって読んでみるとあらためて「ああ、相変わらずだなあ」と思う。良くも悪くも。
    この本の中では好きなのは『DECO-CHIN』だけか。らもさんが「やるならここまでやらんとただのファッションやで」とでも言ってるようでなぜか微笑ましく思えた。

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    2015年05月22日
  • 砂をつかんで立ち上がれ

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    著者の人生を彩ってきた書物との出会いを、愛をこめてつづっているエッセイ集。
    下記が印象に残りました。
    ・CFというのは、起承転結でいえば「転」だけを見せるものだ。残りの「起承結」は、受け手の想像力にゆだねるのである。そうすれば何十回見ても飽きのこないコマーシャルがつくれる(P92)。
    ・いまの自分の「中年具合い」というのはけっこう気に入っている。年々、ものがよく見え、よくわかるようになっていく気がする。自分が刃物だとすると、年々切れ味の鋭さは鈍っていくけれど、自分の使い方の技術は少しずつわかってきたような(P204)。
    ・自分自身の笑いを一時期「デペイズマン」という一言で片づけていた。デペイズ

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    2015年05月11日
  • お父さんのバックドロップ

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    らも氏は、子供目線で見た大人の描写が絶妙ですよね。何故、悪役レスラーが必要なのかを説いたお父さんに対する、子供の切り替えしが見事。児童書としても成立している、価値の高い一冊だと思います。

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    2015年04月06日
  • 僕に踏まれた町と僕が踏まれた町

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    もうずっと本を買うのはネットでポチッとしてるけど、久しぶりにふらっと立ち寄った本屋さんでBIRTHDAY BUNKOと書かれたコーナーが目にとまる。全て同じカバーをかけられており、背表紙に誕生日と作家名。表紙にはそれプラス小さく小さくタイトルが印刷されている。
    「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」
    それが私と同じ誕生日の作家さんが書かれた本。エッセイだった。
    名前を知っている程度で本を読んだ事は無かったのが逆に嬉しくて購入。ちょうどもうすぐ誕生日なので早速読んでみる。
    同じ誕生日という事で何かしら通じるものがあるのかと期待して読んでみる。
    そうは上手くいかない。通じるところなし。たぶん。
    破天荒

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    2015年05月26日
  • とらちゃん的日常

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    愛猫エッセイ、写真80点収録でカワイイ。ネコを飼っているつもりが、実はネコに飼われている著者であります。

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    2015年03月25日
  • こどもの一生

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    前段は笑いで、後段は恐怖という構成の超B級ホラー小説。「ストレスというものは精神的肉体的な危機に直面したときに、それに対するディフェンスとして立ち現われてくるものなんだ。だからノー・ストレスの状態というのは人間が生きているかぎり有り得ないことなんだよ・・・ストレスを解消するためにはね“野蛮なこと”をするのが一番なんだよ」(P143)、なるほどですねー。

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    2015年03月03日