中島らものレビュー一覧
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小学生にも読める本、というテーマで選書してみました。
小学生と、その父親をめぐる4編の短編が収められています。
活字も大きめで行間も広く取られているので、(もともと薄手の文庫本なのですが)想像以上にスルスルと読み進めることができます。
一見するとどうしようもないダメオヤジにしか見えない父親も、実は家族のため、そして自分自身のために一生懸命に生きており、その姿勢から子どもたちも父親の背中を誇れるようになっていくものなのでしょう。
特に表題作の「お父さんのバックドロップ」はその”王道”のストーリーで読後感も良かったです。
子どもから大人まで、抵抗なく読める作品だとは思います。 -
Posted by ブクログ
>「中年智恵」の本質……「智恵」が「力」をコントロールする、力とともにその使い方の技術も向上していくということ
>「力を封じ込める能力」どうすれば刀を抜かなくてすむか、それが「中年智恵」の本質なのではないだろうか。わめきちらし暴れまくっている人間よりも、いつでも抜刀できる姿勢を保ちつつニコニコしている人間のほうがはるかにこわい。力と智の均衡が結ぶ静かな微笑の奥に巨大な爆発力が封じ込められている、これこそ「理想の中年」像というものではないだろうか。
>力をみだりに使わないことがもたらすやさしさというのは、若い人の優柔不断を誤解して言われるところの「やさしさ」とは対極に位置する、ほんものの「やさし -
Posted by ブクログ
著者の人生を彩ってきた書物との出会いを、愛をこめてつづっているエッセイ集。
下記が印象に残りました。
・CFというのは、起承転結でいえば「転」だけを見せるものだ。残りの「起承結」は、受け手の想像力にゆだねるのである。そうすれば何十回見ても飽きのこないコマーシャルがつくれる(P92)。
・いまの自分の「中年具合い」というのはけっこう気に入っている。年々、ものがよく見え、よくわかるようになっていく気がする。自分が刃物だとすると、年々切れ味の鋭さは鈍っていくけれど、自分の使い方の技術は少しずつわかってきたような(P204)。
・自分自身の笑いを一時期「デペイズマン」という一言で片づけていた。デペイズ -
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もうずっと本を買うのはネットでポチッとしてるけど、久しぶりにふらっと立ち寄った本屋さんでBIRTHDAY BUNKOと書かれたコーナーが目にとまる。全て同じカバーをかけられており、背表紙に誕生日と作家名。表紙にはそれプラス小さく小さくタイトルが印刷されている。
「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」
それが私と同じ誕生日の作家さんが書かれた本。エッセイだった。
名前を知っている程度で本を読んだ事は無かったのが逆に嬉しくて購入。ちょうどもうすぐ誕生日なので早速読んでみる。
同じ誕生日という事で何かしら通じるものがあるのかと期待して読んでみる。
そうは上手くいかない。通じるところなし。たぶん。
破天荒