中島らものレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初めての中島らもさん。
博学とユーモアを足して2で割らず、そのまま文字に起こしたような、知的好奇心をくすぐるエッセイでした。
よくある、博識過ぎるゆえのエゴの出た押し付けがましい文章などでなく、柔らかく、けれど唸る程いいとこ突いてきます。
「リーダーにされてしまった人、が、リーダーとして優秀である」
「習ってからものを創ろうとする人が、その考えだけでもうすでに駄目だ」
といった考えが展開されていて、これだけ見るとただの啓発本かと勘違いされてしまいそうですが、
9割はオカルト要素の濃いエッセイですので、気取らないそのバランスもとても好印象です。
中島作品は、装丁やタイトル含め物的欲求を満たす高い -
Posted by ブクログ
中島らもの青春時代のエッセイです。友人の自殺を通じてなど、生と死に関しての、らも氏の捉えかたがわかる一冊です。「転がり込んできた命を、また同じことをして捨てにかかるのでは、死んだ人に対して申し訳がたたない。だから僕は生きることにした。」(P95)、「こうして生きてみるとわかるのだが、めったにない、何十年に一回くらいしかないかもしれないが、生きていてよかったと思う夜がある。一度でもそういうことがあれば、その思いだけがあれば、あとはゴミクズみたいな日々であっても生きていける。だからあいつも生きてりゃよかったのにと思う。生きていて、バカをやって、アル中になって、醜く老いていって、それでもまんざらでも
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Posted by ブクログ
らもさんがいろんなことに「コラっ!」していく本(笑)
共感:
『変態いびりを叱る』
『いまどきの若者を叱る人を叱る』
印象的な言葉:
「自由は冷たくて寒いものだし、束縛はあたたかいが腐臭がする」
「お互いが人間として向き合うためには『放っておく』ということが一番の前提になるのである(中略)お互いがお互いの領域を侵さない。その上で、お互いの存在を認め合い、助けを求められた場合は力を貸す。そういうことだ」
「高校生大学生が『最近の若い子は』と嘆くのは成長願望、背伸びの心理がそうした表現力を生むというので笑ってすませばいいが、27や28の主婦やサラリーマンがため息をついてそう言う姿には放っておけ