中島らものレビュー一覧
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宗教にのめりこんでしまった妻を救うため、テレビタレントとなった呪術研究者が、手品師と手を組み謎の宗教団体へと挑む――。
本作は、オカルトと科学、信仰と虚構といった“相反する世界”を真正面から描き出す。“奇跡”と“ペテン”のエンタメ宗教サスペンスです。
呪術研究者×手品師というクセの強いコンビが宗教団体に挑むという構図がまず強烈で、この組み合わせの妙が、後のドラマ『TRICK』などにも通じるエンタメの原点を感じさせます。「理屈では説明できないものを、どうにか理屈で納得させたい」――そんな人間の根源的な衝動を物語に昇華している点に惹かれました。
作中では、呪術研究者・大生部の視点を通して、テレ -
Posted by ブクログ
アルコール依存症(アル中)についてちょっと知りたかったし、タイトルもかっこよかったので読んでみました。思いの外面白かった、加えてすごく良い小説だったかも。、作者を調べたらもう亡くなっていた。作者自身もアル中の過去を持ち入院していたときにこの作品ができたと書いてあったので実体験でもあるのですね。名言というか「ハッ」とさせられる言葉も本当に多くて特に好きなのは天童寺さやかがアル中の主人公である小島に対して「生きようとしてても運悪く死んでしまう人たちの中で生きたいの。生きる意志を杖にして歩いていく人たちの流れの中にいて、そんな人たちのためだけに泣いたり笑ったりしたいの(以下略)。」って場面が好き。
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Posted by ブクログ
氏の著書を読むのは2度目だが、彼の私小説・エッセイからは、世間の敷くレールや不文律から外れてしまったものを包摂する暖かさを感じる。
ポジティブというわけでもなく、かといって諦観に支配されたのでもなく。
黙っていようが酔っていようが寝ていようがセックスをしていようが、明日は来る。
自分の意思とは無関係に進む時間の中で、まあなんとか、顔を上や前に向けるわけではなくともやっていくことができる、そんな……
心に弱さを抱える人のお守りだと思う
超コミュニケーション社会に生きる現代の若者の中には、中島らもが刺さる人もまあ多いとまでは言わずとも、少なくないように思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ中島らもハマってます笑
「その日の天使」
…暗い気持ちになって、冗談にでも、"今、自殺したら"などと考えているときに、とんでもない知人から電話がかかってくる、あるいは、ふと開いた画集か何かの一葉の絵によって救われるようなことが。それは、その日の天使なのである。
恋づかれ
結婚してからいくつも恋をした。…「不倫」という実にいやな言葉があるが、指をさされて「不倫!!」といわれればたしかに不倫以外の何物でもないのだから、一言もない。
一言もないけれど、一言だけ言わせてもらえれば、そういうことを言う人は、結婚というシステムや、モラルという、種族にとっての安全バルブの味方であ