中島らものレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレケニアから逃げ帰った大生部たちを追い、バキリが日本へとやってくる。
全ての因縁に決着がつく、シリーズ最終巻です。
舞台が日本に戻ったことで、秋山やミラクルをはじめ、1巻から登場してきた主要キャラクターたちが総出演する構成となっており、シリーズの集大成としての手応えをしっかり感じさせてくれます。
本物の超能力が登場したことで、宗教物としてのジャンルがやや変質した印象は否めません。
しかし、未知の力に対して心理学やトリック、専門知識で対抗していくという「アカデミックとエンタメを結びつけたサスペンス」の魅力は健在です。
何より、癖の強いキャラクターたちによる人間ドラマが最後まで濃密に描かれており、 -
Posted by ブクログ
ものすごく久しぶりに中島らもを読んだ。おもしろいな。200ページちょっとで、語りのような感じなので、すぐに読める。
全体を通して笑いに溢れ、またどこなくセンチメンタルな趣のある本だった。
タイトルの「アマニタ・パンセリナ」は、テングタケのこと。毒キノコだ。
本書は、著者の体験した各種ドラッグの記録エッセイである。睡眠薬、シャブ、阿片、幻覚サボテン、ガマの油、大麻、抗うつ剤、アルコール……。凄まじい。ここまでの遍歴を持ち、かつ毒物に関する古今の本を読んできた著者だからこそ、「シャブは愚劣なドラッグ」と断言する言葉には納得感がある。
本書は、雑誌の連載をもとにしたもののようだ。最終回は「アルコー -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ第2作となる本作では、舞台を日本からアフリカ・ケニアへと移し、呪術師取材の旅が描かれます。前半はほとんど観光紀行のような趣で、食事、治安、宗教観、経済格差など、日本とはまったく異なる価値観や生活様式が、コミカルな登場人物たちを通して丁寧に語られていきます。その情報量は圧倒的で、読みながら自然と「異文化を理解していく楽しさ」に引き込まれていきました。
後半から物語は本格的に動き出し、呪術師への取材が核心に迫っていきます。特に印象的なのは、呪術が人々の生活に深く根付いている点です。
日本的な感覚では呪術は禍々しいものに映りますが、ケニアでは攻撃だけでなく、魔除けや治療、さらには犯罪への抑 -
Posted by ブクログ
宗教にのめりこんでしまった妻を救うため、テレビタレントとなった呪術研究者が、手品師と手を組み謎の宗教団体へと挑む――。
本作は、オカルトと科学、信仰と虚構といった“相反する世界”を真正面から描き出す。“奇跡”と“ペテン”のエンタメ宗教サスペンスです。
呪術研究者×手品師というクセの強いコンビが宗教団体に挑むという構図がまず強烈で、この組み合わせの妙が、後のドラマ『TRICK』などにも通じるエンタメの原点を感じさせます。「理屈では説明できないものを、どうにか理屈で納得させたい」――そんな人間の根源的な衝動を物語に昇華している点に惹かれました。
作中では、呪術研究者・大生部の視点を通して、テレ -
Posted by ブクログ
アルコール依存症(アル中)についてちょっと知りたかったし、タイトルもかっこよかったので読んでみました。思いの外面白かった、加えてすごく良い小説だったかも。、作者を調べたらもう亡くなっていた。作者自身もアル中の過去を持ち入院していたときにこの作品ができたと書いてあったので実体験でもあるのですね。名言というか「ハッ」とさせられる言葉も本当に多くて特に好きなのは天童寺さやかがアル中の主人公である小島に対して「生きようとしてても運悪く死んでしまう人たちの中で生きたいの。生きる意志を杖にして歩いていく人たちの流れの中にいて、そんな人たちのためだけに泣いたり笑ったりしたいの(以下略)。」って場面が好き。