中島らものレビュー一覧
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Posted by ブクログ
超絶に面白かった。ラストは手に汗握る展開で文字を追うのがもどかしいぐらいだった。
呪術なんていうものは非科学的な迷信で、未開の地の無知によるものだと、これまで当たり前に考えていたことが揺らいでくる。それは、呪術を非科学的だと言いながらも、キリスト教の神様のみを信じて死んでいく神父の様を読んで気付かされた。
この世に超能力はあるのか、人の心理がそう見えさせているのだとしてもそれも含めてあるのかも思わされた。とすると、それは最初に出てくる新興宗教の教祖と何が違うのか。境目のない曖昧な領域なのかもしれない。
魅力的な登場人物たちがいなくなる終盤は悲しく、反面ここで一巻の教祖でも出てくるのかと期 -
Posted by ブクログ
15章に及ぶ著者のドラッグ体験記…というかもはや冒険譚です。
ガマ毒と睡眠薬系統から始まりガマ毒とアルコールに落ち着くのですが、その過程にペヨーテや咳止めシロップやシンナーや大麻や抗うつ剤などの恐ろしくも素晴らしき体験談が続きます。
飄々とした筆致で凄まじい内容が語られますが、なかなか聞くことのできないジャンキーの生の声が本書には封入されています。
現在ではトー横界隈で横行している咳止めシロップのブロンですが、著者はトー横キッズも閉口するレベルの筋金入りブロン中毒者です。
ですのでブロンに関する部分が妙な現実味を帯びており、大変勉強(?)になりました。
書名のアマニタ・パンセリナとはベニテング