中島らものレビュー一覧

  • ガダラの豚 3

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    ガダラの豚 中島らも

    壮絶。スリリング。
    読み始めたとき、こんなに夢中になると思ってなかった。2022年は宗教絡みの事件やウクライナ戦争もあったり、昔の本だけど通じるものが多々あった。
    呪術はアニメがあったりするほどポップになっているが、そんな甘いものじゃない。呪術だけでは微力だが、物理や心理学など他分野と掛け合わせることで強力で何千年と宗教や呪術がこれ程長い期間生きている証拠なのかもしれない。
    文章は簡潔、短文で読むスピードを落とさない。
    1巻は難しく、展開もゆっくりだったが2巻3巻と重加速的にどんどん読み進めたくなるような構成。
    巧い。会話のやり取りが多いのも特徴か。
    一方、ふるみが亡く

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    2023年02月15日
  • ガダラの豚 2

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    ガダラの豚 中島らも

    壮絶。スリリング。
    読み始めたとき、こんなに夢中になると思ってなかった。2022年は宗教絡みの事件やウクライナ戦争もあったり、昔の本だけど通じるものが多々あった。
    呪術はアニメがあったりするほどポップになっているが、そんな甘いものじゃない。呪術だけでは微力だが、物理や心理学など他分野と掛け合わせることで強力で何千年と宗教や呪術がこれ程長い期間生きている証拠なのかもしれない。
    文章は簡潔、短文で読むスピードを落とさない。
    1巻は難しく、展開もゆっくりだったが2巻3巻と重加速的にどんどん読み進めたくなるような構成。
    巧い。会話のやり取りが多いのも特徴か。
    一方、ふるみが亡く

    0
    2023年02月15日
  • 人体模型の夜

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    2023年はこの本から!
    ふと気がつけば、スナック菓子を1袋夢中で食べ終えてしまっていた…という時と同じくらい、軽妙洒脱な恐怖に無心でばりばりとページをめくり続けていた。怖い。
    舞台や趣向の異なる怪しく魅力たっぷりな12の短編が、忘れ去られた地下室を介して立ち昇ってくる。それぞれの作品ももちろんだがプロローグ・エピローグが秀逸で、ちょうど少年と同様もっともっと、となっていた私は茫然自失で全裸になる寸前だった。ああ怖い。

    去年読んでとても気に入った「家が呼ぶ」というアンソロジーに今作収録の「はなびえ」が入っていて、すごく面白かったので他の短編も読みたかった。
    どれも面白かったけど、やっぱり「は

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    2023年01月31日
  • バンド・オブ・ザ・ナイト

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    ラリってるときの文章がしんどければ、読み飛ばしても問題ない。それだけでも小説として面白い。

    もちろん、しっかり読んでも、一見めちゃくちゃな言葉の羅列が実は主人公の心情とリンクしていることが見えてきて面白い。

    物好きな人は該当箇所だけをガクガクに酩酊して読んでもいい。らもの思考を疑似体験できて面白い。VR中島らも。

    らもエッセイの最高傑作がアマニタ・パンセリナなら、小説ではこれ。
    何度読んでも楽しめる、一人一冊バンド・オブ・ザ・ナイト!

    前半の広告代理店時代の話も、破天荒なお仕事モノとしてめちゃくちゃ面白いんだよな〜。

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    2023年01月23日
  • 白いメリーさん

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    怖くて残酷な事をサラッと面白く…中島らもさんの本はどれも好きだ。
    9編の短編集で、どれも短く完結していて、どのストーリーもオリジナリティがあって楽しめた。

    残酷な事をサラッと面白く書かれると、あれ?読み間違えた?で思わず読み返してしまう。そこがまたいいのだ〜

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    2022年11月26日
  • アマニタ・パンセリナ

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    著者自らが試したドラッグエッセイ。信頼の置ける体験談や参考文献の数々…状況が極めて深刻なのを面白く描写してしまう中島らも。彼の聡明で素直な優しい文章と人柄は唯一無二である。

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    2022年09月27日
  • 永遠も半ばを過ぎて

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    会話のやりとりにキレがある。タイトルも素敵。面白さの中に哀愁が漂い、中島らもにしか描けない世界観が溢れていた。

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    2022年09月14日
  • バンド・オブ・ザ・ナイト

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    バロウズやアレンギンズバーグを彷彿させるようなビートニク。しかし、そんな厭世的な世界観とも異なるタダのドラッグ私小説。ラリる事で、社会との関係性や認知バイアスをリセットする。常識なんてものは誰かのでっち上げだというアナーキズムがここにある。何度目だろう。読む度に、気持ちが楽になる。何にもしがみ付かずに生きて良いのだ。死にたい人、断捨離したい人、社会に疲れた人は、この世界に入り込むと良い。きっと全てが馬鹿馬鹿しくなる。

    スーツの下にブーツ、飼い猫と兎をラリらせて気付くと生首一つ、妻を含めたスワッピング、そうしたエピソードを包むヘルハウス。やがて、精神病送り、逮捕者、死亡、失踪と居候達は消えてい

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    2022年08月20日
  • ガダラの豚 2

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    アフリカ呪術編。予測不能のすごい展開。傑作。
    旅行ドキュメンタリーを見ているような生々しさ、科学と非科学、宗教、大多数の日本人の持つアフリカ観の表層さ、沢山の要素が混ざりあってスピーディーに駆け抜ける。さらに後半であっと驚く展開に。

    ガダラの地で悪霊にとり憑かれた男が言った。なぜここに来て私どもを苦しめるのか。私どもを追い出すなら、あの豚の群れの中につかわしてください。豚の群れは崖から海に飛び込み死んでしまった。

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    2022年08月11日
  • お父さんのバックドロップ

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    小学校6年生の朝の会だか空き時間に担任の先生が皆に音読してくれて気に入り、真似して本屋に買いに行った思い出の本。今読んでも面白かった。こんなお父さん(お母さんでもOK)いたら楽しいと思う。

    親や大人は常識的であれ、模範的であれ、母親は父親より子の面倒を見れ、という圧をともすると自分の子どもが1番(無意識に)かけてきたりする。大人も自由でしょーもなくていいんだ、と思える良書。

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    2022年08月05日
  • 人体模型の夜

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    中島らも『人体模型の夜』集英社文庫。

    大昔に読んでいるのだが、目出度く復刊したので再読してみることにした。

    体の様々なパーツをテーマにした連作ホラー短編集の名作である。読んでみると内容を所々忘れていた。小気味良く、解りやすいので面白い。

    中島らもというと、究極のアル中小説『今夜、すべてのバーで』、ホラー冒険小説の『ガダラの豚』などの傑作があるが、本作もまた傑作の1つに数えてもよいかも知れない。

    『プロローグ 首屋敷』。不気味なプロローグ。エピローグで首屋敷の不気味な謎をどう回収するのか。頭のおかしい学者が造らせたという首屋敷と呼ばれる空家の地下室にたたずむ不気味にデフォルメされた人体模

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    2022年07月06日
  • アマニタ・パンセリナ

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    大好き…。狂ってるのはそうなんだけど、そこはかとなく理性的だったり愛しい翳りがあるのがめちゃくちゃ良い。

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    2022年04月26日
  • 僕に踏まれた町と僕が踏まれた町

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    全然わかんない固有名詞とかが出てきたりしたけどそれでもぜんぶ良くって、なのでもっと私にそういう教養が備わってればさらに大興奮で読めたんだろうな〜と思いつつ、今まで読んできたらも作品たちの要素が感じられてめちゃくちゃ良かったです。
    丸坊主軍団のとこと、(本人は大変だろうけど)やっぱりアル中の話すき…。というか、らものことが…だいすき…

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    2022年04月12日
  • こどもの一生

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    「君達の人生は光と影によって描かれている。君達の人生の五十%はストレスだ。さぁもう一度十歳のこどもに戻ってやり直そう。君達にはストレスがなくなる。なぜならここには"掟"というものがないからだ」

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    2021年10月06日
  • アマニタ・パンセリナ

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    おもしろかった。アメリカンゴッズで、テクニカルボーイがガマガエルの入った筒を吸うシーンがあって、何故にカエル……?と疑問に思っていたシーンの謎が解けた。ラリっていたのだ!!たのしい

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    2021年09月07日
  • 僕に踏まれた町と僕が踏まれた町

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    中嶋らもさんの落ちこぼれ時代が描かれていた。
    「滅多にないが生きていてよかったと思う夜がある それがあれば、あとはゴミクズみたいな日々でも生きていける」
    エッセイは作者の人生を追体験して、そこから見える世界や考え方に触れることができて面白い。

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    2021年08月06日
  • しりとりえっせい

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    中島らもの著作ははじめて読みましたが、あまりのおもしろさに一気に読んでしまいました。
    まず、タイトルをしりとりでつなぐという企画がおもしろい。さらにそれに輪をかけて、著者の広範な知識と、独創的な妄想力、絶妙な語り口がたたみかけてきます。
    1つの記事が3ページ程度で、イラストも入っているので、読みやすさも抜群です。
    下ネタも多いので、そういうのが苦手な人は注意してください。
    (個人的には下ネタの話もものすごくおもしろかったけど。特に「ワッシャー!」のやつ、吹き出しました^^;)

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    2021年07月25日
  • アマニタ・パンセリナ

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    ネタバレ

    ドラッグについてのエッセイ。私は気分が悪くなるとこの本を開く。ドラッグを賛美するわけでなく、突き放して冷徹に描写している文章を読むと落ち着くのだ。らもさんはドラッグとは幼児のくるくる遊びだと書いている。やった人間にしか分からない醒めた視点が心地よい。

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    2021年06月30日
  • ガダラの豚 2

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    いや~~~~面白い!!!
    アフリカには絶対に行きたくないという気持ちを強く抱いた。
    呪術が当たり前のように存在していることがおもしろい。
    呪いの根本的なものは「妬み」だと知って納得。
    怒涛の展開でまたもや一気読み。面白い!

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    2021年05月11日
  • ガダラの豚 2

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    ネタバレ

     以下引用
    ‘’
    「村の呪術の欠点は無知にあります。そしてあなた方の医学の欠点は不信にある」
    「不信?」
    「人間の生きる力、そして死ぬ力に対する不信ですよ、神父」
    ‘’
    いいね!

     アフリカ編。前巻と違い、大生部が活き活きしててとてもいい。息子にバンギ勧めるし。今ふと思ったんだけど、大生部の名前(姓)、大なる生、ってのもいい。

     初めはバキリの名を口にするのも憚ってたのに、全然普通に「バキリ」「バキリ」言うのは何故。娯楽作品として、煩雑になりうる描写は避けたのか。著者の深い洞察を感じさせる描写、表現も多くあるだけに、強く違和感を持った。ま、いっか。

     "PRIMARY HEAL

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    2021年02月12日