中島らものレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ葬式が好きだ。とか言うと語弊があるかもしれないが、私個人の率直な感想として、盛大な結婚式よりも盛大な葬式の方が5000倍くらい心を動かされる、ということ。結婚式挙げて離婚する人はいるけど、葬式挙げて生き返る人はいないから。
通夜葬式が終わるまで仏前の線香とろうそくを絶やさないように番をする「寝ずの番」。
私も親戚に不幸があると必ず自ら志願して(貫徹に耐える体力があるから)遺体と祭壇の前に陣取ったものだが、本書のような馬鹿馬鹿しくも温かい夜は当然ながら未だ体験したことがない。
「故人を偲ぶ」という思いが根底にちゃんとあるなら、酒盛りでもカンカン踊りでも春歌合戦でも何でもありなんじゃないか、と思ってしまった。むしろそんな風に泣いたり笑ったり思い出したりしてくれるなら、こっちも死んだ甲斐があるってもんだ。
いやいや、とりあえず今は、そんな通夜の夜にしてもらえるように生きることだ。
マキノ雅彦監督の映画製作秘話(?)が冗長。
らも兄を偲ぶ、編集者・小堀純氏の解説が泣けた。 -
Posted by ブクログ
千円でベロベロに酔える店を求め、中島らも率いる中年探偵団が全国を駆け巡るという、グルメとは対極にあるオヤジな一冊である。
安酒を飲みながらの中年探偵団のゆる〜い対談と中島らものコラムという構成になっている。
一人あたり千円が上限(上限を超えてしまう回も多々あり)であるため400円のつまみを頼んだだけで、揶揄されるという、トホホ感が素晴らしい。中島らもの真骨頂だ。
どの店も安い。例えば大阪・京橋の「岡室酒店直売所」は、おでんの五品盛り合わせが250円、天ぷらの五品盛り合わせも250円、サイコロステーキが350円、豚キムチが400円。値段もびっくりだが、大阪の店のコピー「安さにビックリ! 味見てコックリ!」、週末割引サービスの名が「あ金・土のサービスデー」と笑うに笑えない感じが輪にかけてチープだ。けど、いいなぁ、俺も混じりたい。
安さはもちろんだが、味も「昔お呼ばれに行った料理自慢のおばさんの味」と美味しい店や「うちは晩酌に毎日通ってもらうような奥様公認の酒場。お客さまに喜ばれるお茶の間のような店でありたい」という良心的な大衆酒場も紹介している。
紹介されている店の中で一番行ってみたくなったのは、金沢の川魚料理の店「かわべ」。酒は客が持ち込まなければならないが、出てくる料理が凄い。前菜にニジマスの唐揚げと佃煮、アナゴの燻製。で、ヤマメの塩焼きを酒、酢、醤油のタレに漬け込んだもの、蘭の酢の物、ニジマスのヅケなどなど。これら地の利を活かした料理で、4人で五千円。たまらん。読んでるだけで、腹が減ってくる。酒が飲みたくなってくる。
で、紹介されている店の中に俺が大学時代よく飲んだ福岡・天神の角屋という立ち飲み屋が紹介されていたのが、嬉しかった。
最近物騒でダークな本ばかり読んでいたが、これはサクサクと楽しく読めた。中島らも、やっぱりいいなぁ。