中島らものレビュー一覧

  • 寝ずの番

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    ネタバレ

    「おれの人生は破れている。その破れ目の中にアルコールがすいすいと入っていく。もしできることなら、その破れ目におれ自身を放り込んでみたい。どんな気持がするだろう。」

    「たいせつなあずかりもののよそさまの子だ。だから余計にぐちゃぐちゃにいじめて、多少なりとも変形させて返してさしあげるのが礼儀というものだろう。」

    らも節バリバリです。
    なかなかお下品、お下劣なエロネタ盛りだくさんなのですが、それがまた上質、一級品の上手さなのがずるいです。
    たとえば「ブンガチャッチャ節」……これは、人間椅子(バンド)に新調きゅらきゅきゅ節という曲があり反応したのですが。
    「♪いれていれてよ ぬれて待ってんの
     キュッキュキュー、キュッキュキュー
     黒い大きなその傘に
     あ、ブンガチャッチャブンガチャッチャ♪」
    気になったので調べましたら、元々口承されてきた作曲者不詳の採譜で猥歌とのことでした。ひとつ、お利口さんになれました。(笑)
    お下品でいえば、ここでは書きませんが、軍艦マーチの替え歌が最高でした。爆笑です。

    広告制作をされていたらもさんならではの視点がないと書けないようなお話もあり……、本を読んで面白いのは、執筆者その人の職業柄、生き方、人柄が出てる視点でのものの見方が新鮮だからなのかな、と思いました。

    落語に関してはさっぱりなのですが、読んで少し興味が湧きました。

    ポッカァーンとか、仔羊ドリーとか、もう、すごいですよ。

    おすすめです。

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    2014年09月27日
  • ロバに耳打ち

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    イカの一夜干しがお酒がほしいよう!
    マギメマナブさんの「とっぴんぱらりの風太郎」を読んでいます。とてもぶあつくて重たい本で、出張で出かけるときなんかはちょっといやになります。そんなとき、中島らもさんや阿刀田さんの短編やエッセーはもってこいです。
    お酒大好きなワタシにとって中島さんのエッセーはそれはもうワカルワカルがいっぱいで電車のなかでニヤニヤしながら楽しませてもらいました。イカの一夜干しがお酒がほしいようとねだるくだりには我慢ができず吹き出してしまいました。

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    2015年03月18日
  • ロカ

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    読むと何処かで読んだ内容が多い作品ばかりの中島らもの遺作。
    個人的には明るいアンダーグラウンドで好きなので出ると読んでしまい、反面教師に生きるのです。
    うんちくも濃いし、登場人物も自分の悪いところを自覚してるけどそれでいいと思って生きていて、今時珍しい気負いがない話です。
    中盤から長編に繋がりそうな伏線が出てきてた感じがしたけど、亡くなってしまって絶筆になったのは本当に悔やまれます。

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    2014年08月30日
  • 頭の中がカユいんだ

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    ネタバレ

    らもさんの初書籍本にしてノンフィクション・飾りっ気なしのぶっつけ酩酊ラリリ本。
    僕に踏まれた町~→アマニタパンセリナと読んできてこちらの本を読みましたが、最高です。
    らもさんの酩酊ラリリっぷりの素行を既にこれらの本で触れていたから……というのもあるかもしれません。構えず「そういうもんだ」という風に読めました。一緒にラリパッパ。

    ラリパッパの他に、仕事に責任に人生に追いやられ、フラストレーションは溜まりに溜まり、だいぶ疲れちゃってイカレちゃって、「頭の中がカユく」なる、「ワラが詰まって」いる感じ、現実逃避の余り思考があっちこっち支離滅裂……な感じが、今の自分の状態と重なる部分があり、読んでてよりのめり込んでしまいました。

    甘やかでくすぐったく、そして優しいセックスの描写というのも……ちょっと、たまらないものがありましたね。
    理性的で、獣にあらずでありながらも、はっきりとした下心。いいですね。

    いつの間にか夢か現実かわからなくなってしまう、そんな感覚がとてつもなく気持ち良い本です。「夢」とわかりやすい場面ではエモいイマジネーションにフワフワと酩酊し、「夢か現か幻か」という場面では、そのサイケデリックさに酔い、微かなしかしはっきりと香ってくる現実の薄汚い香り、動物的な臭気とコンクリートジャングル的な無機物の臭気……がとても良い味出してるんです。

    "「人間が一人」と羊が樹の下で呟いた。"
    "珈琲は黒い腐った血"
    言葉のセンスがたまらなく美味です。

    子羊を抱き海岸線を走る電車に乗り、どこか知らないとんでもないところへ到着し、大事に抱えていた子羊は石英に変化しており……。
    この辺りから、ラストの海底と水平線のくだりにかけて、本当にいい塩梅にラリリでしてね、最高です。

    悪夢のような「東住吉のぶっこわし屋」、どろどろに濁った卑屈の青春の体液を泳ぐ「私が一番モテた日」、一夜の夢と"バチ"とS・O・S・トゥ・ザ・ワールドの「クェ・ジュ島の夜」……これら短編もかなり"キ"てますね

    いや、面白かったです本当に。
    理屈とかそんなものはどうでもいいんです、感じたままを舐めとる本。

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    2014年08月19日
  • 獏の食べのこし

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    らもさんのおかげでアポリネールと出会えた。
    Les jours s'en vont je demeure.

    らもさんのエッセイはさくさく読めて、ゆるさの中に鋭さがある。言葉に出来ない気持ちを痛いほどに示してくれる。

    「夜が化粧をほどこしてくれた川というものはいいもので、それは一種、おおきな鏡だと思えばいい。街の灯も星もその表では無垢の輝きを放ってくれる。」

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    2014年08月15日
  • 恋は底ぢから

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    「恋は病気の一種だ。治療法はない。ただしそれは世界中で一番美しい病気だ。」らもさんのエッセイの中でも、特に好みの一冊。天使の話については何度でも読み返したい。

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    2014年08月15日
  • こらっ

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    「こらっ」と怒れない著者が、社会風勢などを叱るエッセイ。自由は旗から見れば美しい言葉だが、それは冷たくて寒い。一方、束縛はあたたかい腐臭がする。この言葉には心底共感させられた。

    二年間探していた言葉の欠片は、この一冊の中にあった。私の餓えは、いつか満たされるだろうか。何度も読み返したい一冊。

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    2014年08月05日
  • お父さんのバックドロップ

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    「子供よりも子供っぽい」お父さんたちの話。短篇集。本当にいい話は児童向けであろうが大人が読んでもいいものだなぁという実感があるな。

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    2014年07月13日
  • お父さんのバックドロップ

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    『中島らもに二度出会う』

    表題作は読む価値ある。電車のなかでも思わず泣いた。それ以外も読める。中島らも苦手意識があったが、読み深めていく事になりそうだ。

    単純な話に心理は宿る。
    ご一読を。

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    2014年05月27日
  • 中島らもの特選明るい悩み相談室 その1

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    東海林さだおさんや、
    原田宗典さんや、
    群ようこさんのような、
    笑いのツボが好きであれば
    お勧めします。

    中学生の時に初めて読んでから、
    今でもたまに本棚から出して
    わらわらします。

    友人に勧める際は
    電車の中が恰好の読み場所だと伝えています。

    笑いをこらえるのも読書の味かな、と。

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    2014年03月08日
  • 変!!

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    らもさんの空気感があの人に似ていてはまっている。
    らもさんのまわりの変な人について書き連ねたエッセイ。面白い。変な人たちである。
    変だ変だと言われ、それがいやでいやでしょうがなかった。でもこれ読んだら、いやいやいやわたし普通じゃんて。安心。
    時折光るらもさんの教養の深さ。
    文庫版あとがきに誰よりも普通だからこんなに変な人が冷静に観察できてる、みたいなことがあり。らもさんもじゅうぶん変だとはおもう。けどちゃんとした大人だよなー。変な人が好きで、自分から関わろうとして行くところも似ている。好きな空気感の本だった。

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    2014年01月12日
  • 水に似た感情

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    小説の形態をとっているけれど
    内容は複雑怪奇なバリ島的人間探求のドキュメントである

    二元論とか無限とかこの世の始まりとか意識などに
    好奇の目を光らせている人達には捨てがたい本である

    一般にはバリ・ヒンドゥーと呼ばれているが
    その真髄には大乗仏教とアミニズムが流れている
    中でもアグン残のベサキ寺院は大乗仏教に傾倒しているという
    過去生から現在などの占いや個人に向けたお守りも創るらしい
    ベサキ寺院のテジャ師は三という数を完璧として大事にする

    祈りとともに涙が出だして怒りの涙から始まり
    哀しみの色に変わり最後は無色透明になる

    一般にバリの音楽をガムランと言う
    鉄琴やドラによる強いリズムとメロディーで陶酔へと導く
    この鉄琴は新しいもので
    その昔はジェゴグという音楽で竹琴を使ったのだそうだ
    大きいものだと四メートルもあるという
    それを復興したのがサンカンアグン村のスウェントラさんだという
    スウェントラさんの連れ合いはニホン人だそうで
    普段はデンパサールに住んでいる

    聖なる右手で湖水をすくい汚れた左手にふりかける
    人生の汚物を拭くために余土してしまった左手
    すべてのガラクタじみた奴らのために何度でも重なる汚辱で
    棍棒のように固くなってしまった左手
    その左手のために涙を流していたのではないかと〜

    三+六で九・三✕三が九・三✕四が十二・一と二で三・三✕五で十五
    一と五で六・三✕六で十八・一と八で九・三✕七で二十一・二と一で三
    三✕八で二十四・二と四で六・三✕九で二十七・二と七で九・・・
    数字で位階(ヒエラルキー)があるように色でもあるだろう
    金色から白・水色・ブルー・赤・緑・土色・黄色・黒と並ぶと著者は言う
    無色というのはこの世にない

    人間は島だとテジャ師は言う
    水が引けば島は繋がる
    そこでは島と島が繋がって一つになっている
    人間も同じかもしれない
    一人ひとりも全体の底では繋がって一つになれる
    人間は時間軸と空間軸に沿って点在している
    皮膚によってお互いが外界と遮断し合っているけれど
    全体観を取り戻せばシェアによる共生感覚を得られるのではないだろうか

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    2013年11月28日
  • アマニタ・パンセリナ

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    中島らも作品の中でベスト3に入るくらい、おもしろい。いろんなドラッグについて書いている。
    タバコもやらない私だけど、この本のおかげで知識はだいぶ増えた。すいすい読ませてしまう文章のうまさは本当にすごい。
    この本以外で最近なにかの本の中にサボテンをかじってラリるか確かめる描写があり、アマニタ・パンセリナと同じだ!と感激した。ちなみに効かなかったみたいだ。

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    2013年09月18日
  • 頭の中がカユいんだ

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    特に冒頭のラリりながら書いた話にびっくりしました。汚いおじさんの与太話なのに、宝物のように感じました。

    悲しみの底が抜けたあとの、明るくて綺麗な部分だけを人にあげる。らもさんのそんな生き方はかっこいいと思いました。

    この本おかげで、毎日街に引きずり出されています。街で起こる強烈な出来事に殺されずにいられます。

    一番好きな本です。

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    2013年05月31日
  • 寝ずの番

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    お葬式にはある種日本独特の雰囲気がある。
    形式的になってしまう反面、親戚縁者が故人を通して新しくつながっていくような、実は前向きな儀式。
    それをコメディにするって言うのはある意味タブーなのだけど、
    うまく表現すればこれほど味わい深くできる日本的題材はないのかもしれない。

    お通夜の後、仏さんを目の前にして、残された人々が思い出話で盛り上がる。
    そのネタを提供するのが、酔っ払った落語家たちだから、これは面白い。
    自分も画面の前でお猪口で日本酒を呷りながら、座の一員となって耳を傾けている気分。
    いつしか宴会のように唄えや踊れやの、寝ずの番。
    ラストの唄あそびのシーンに湧き起こる泣けて笑える感情はいったいなんなのだろうか?
    こんなお通夜があるもんなら、親戚縁者でなくても、参加してみたいもんです。
    自分のお通夜の晩がこんな賑やかだったら、それはそれで嬉しいだろうな。

    小説では放送禁止な内容がバンバン書かれていたけど、
    映画では放送コードを考えた修正がされていてそこに注目するのも面白かった。
    でも映画もかなり原作に忠実で、良かった。

    下手したらアメリカンコメディのようにものすごく下品な作品になっているところが、人情やら粋でうまくオブラートに包みつつ、うまいこと表現されてます。

    死をも笑いに還元する日本の芸能、お見事。

    ♪おれの心は トタンの屋根よ
    かわらないのを 見てほしい♪

    この唄の意味を知りたければ、読むべし。

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    2013年05月23日
  • お父さんのバックドロップ

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    はじめて読んだ中島らもの本。きっとここかららもさんとのお使いがはじまったんだろうなって思う。
    ひらがなが多いので子供でも読みやすい本です。子供をらもに染めたい人はどうぞ。

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    2013年02月19日
  • お父さんのバックドロップ

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    ネタバレ

    愉快、痛快。人生の喜怒哀楽がしっかり織り込まれていてこれぞ短編
    久方ぶりの五つ星 「バックドロップ」は涙までこぼれた。

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    2014年03月24日
  • 寝ずの番

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    割と短い本なんですぐ読めるし、映画化されてるんでイメージもつかみやすいかと。死を題材にしたものの中では最高にポップで面白い!

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    2013年02月10日
  • 僕に踏まれた町と僕が踏まれた町

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    ネタバレ

    せつない傑作です。
    もう、名言抜き出しだけで良いと思いますので。
    ぜひ読んでください。

    「ただ、こうして生きてみると分かるのだが、めったにない、何十年に一回くらいしかないかもしれないが、「生きていてよかった」と思う夜がある。一度でもそういうことがあれば、その思いだけがあれば、あとはゴミクズみたいな日々であっても生きていける。」≪僕に踏まれた町と僕が踏まれた町‐中島らも≫

    「『人の命は地球より重い』とよく言うけれど、そんなものは嘘っぱちだ。地球の方がやはり重い。ただ、その人の。およびその人を愛する人にとってみれば、地球なんてオレンジ1個よりも軽いかもしれない。」≪僕に踏まれた町と僕が踏まれた町‐中島らも≫


    「僕は土地柄がどうだから楽園だなんて話は信じない。そこに好きな人がいるところ、守るべき人がいてくれるところ、戦う相手のいるところ。それが楽園なのだと思う。」≪僕に踏まれた町と僕が踏まれた町‐中島らも≫

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    2013年01月22日
  • 愛をひっかけるための釘

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    ぴたりと寄りそって、完全に同じ瞬間を一緒に生きていくこと。二本の腕はそのため。サヨナラにサヨナラ、いい。雑賀氏だんけ。

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    2012年10月22日