中島らものレビュー一覧

  • アマニタ・パンセリナ

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    この本を読んだのは大学一年生の(何年前だ?)の夏休みだった。父親の店(居酒屋)でバイトをしていた時だ。
    文庫版をエプロンのポケットに入れて読んでいたせいか紙がふやけてしまっている。その父の店でバイトをした夏休みの匂いも込みでこの本は愛おしい。

    つるりと話してしまうと、作者が「しばらく、クスリの事を書いてみよう」と言って書いたものなので、合法違法含めいろんな薬について書かれている。

    今でこそそういう作用のある薬や毒物に対する知識がある自分だが、これを読んだ時にはタバコと酒をたしなむくらいで「あ、自分悪いことしてる。」と気分が少しばかり高揚するくらいだった。若かった。

    ”はじめに”を読み進め

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    2016年03月22日
  • 僕に踏まれた町と僕が踏まれた町

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    まずタイトルがいい!
    内容は、9割くだらない笑える話なんだけど残りの1割に深く考えさせられたり、泣ける話がある。
    そこがいい。

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    2016年01月25日
  • 水に似た感情

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    「アポーツ」って、えっ、今まで意味を取り違えとったわ。
    てっきり、らもさんがプロレス好きやから、「アポーッ」って、ジャイアント馬場の声マネかと思てた。
    すんません。でも、こんな読み方でもかまへんですよね、らもさん。

    「そのカン違い、あんま、おもんないな。
    でもまあ、かまへんか。
    あんまりカチっとした読み方せんでもええで。」
    …って天国のらもさんなら許してくれそうな気がする。
    (2007/8/10)

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    2015年11月08日
  • 中島らもの特選明るい悩み相談室 その3

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    明るい悩み相談の厳選された第3弾。
    面白くないわけがない。

    なんでも著者である中島らも氏が、津々浦々からやってくるお悩みを、封書を鋏で開くところからはじめ、一つ一つに目を通し厳選し、そして真摯に回答したというだけあって、全くおふざけは感じられないのに、本当に爆笑物なのだ。

    この第3弾の中で、私が特に好きなのは(全部好きだけど)

    「光源氏にブルマー姿で会う私の妄想」
    「かりんとう、あんな形でかわいそう」
    「どうしてセコい?TVの”悪の組織”」
    「中1以来十数年解けない一筆書き」
    「俗悪雑誌30冊注文の紳士は何者?」
    「非常用ボタンの誘惑に負けそうな私」
    「オムライスの卵よけて食う謎の男」

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    2015年11月03日
  • 中島らもの特選明るい悩み相談室 その1

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    のっけからツボにはまること間違いなし。「私の料理に”おそまつさま”という義母の悩み」
    その他、私のお気に入りは
    「古いご飯新しいご飯の戦い」
    「食べ物の生死問う子にどう答えれば」
    「猫が盗んだ鰻はお父さんの分」
    「山に帰りたくない母狸の言い訳は」その他ほとんどです。
    ウィットに富み、時に辛口に相談者家族を奇人扱いし、けれども年長者を敬い、教育者であるかのように子供に対処する方法を説く。そして全て笑える。

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    2015年10月03日
  • 中島らもの特選明るい悩み相談室 その1

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    世の中には面白い人がたくさんいるのだと思いました。
    どこの家でもこういった面白い日常が各家庭にあるのだろうと感じました。
    一般の家庭・身近な日常からの投書ならではの面白さを感じます。

    個人的には「娘に脅迫状を送る おチャメな母」が好きです。

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    2015年07月03日
  • 寝ずの番

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    「おれの人生は破れている。その破れ目の中にアルコールがすいすいと入っていく。もしできることなら、その破れ目におれ自身を放り込んでみたい。どんな気持がするだろう。」

    「たいせつなあずかりもののよそさまの子だ。だから余計にぐちゃぐちゃにいじめて、多少なりとも変形させて返してさしあげるのが礼儀というものだろう。」

    らも節バリバリです。
    なかなかお下品、お下劣なエロネタ盛りだくさんなのですが、それがまた上質、一級品の上手さなのがずるいです。
    たとえば「ブンガチャッチャ節」……これは、人間椅子(バンド)に新調きゅらきゅきゅ節という曲があり反応したのですが。
    「♪いれていれてよ ぬれて待ってんの
     キ

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    2014年09月27日
  • ロバに耳打ち

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    イカの一夜干しがお酒がほしいよう!
    マギメマナブさんの「とっぴんぱらりの風太郎」を読んでいます。とてもぶあつくて重たい本で、出張で出かけるときなんかはちょっといやになります。そんなとき、中島らもさんや阿刀田さんの短編やエッセーはもってこいです。
    お酒大好きなワタシにとって中島さんのエッセーはそれはもうワカルワカルがいっぱいで電車のなかでニヤニヤしながら楽しませてもらいました。イカの一夜干しがお酒がほしいようとねだるくだりには我慢ができず吹き出してしまいました。

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    2015年03月18日
  • ロカ

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    読むと何処かで読んだ内容が多い作品ばかりの中島らもの遺作。
    個人的には明るいアンダーグラウンドで好きなので出ると読んでしまい、反面教師に生きるのです。
    うんちくも濃いし、登場人物も自分の悪いところを自覚してるけどそれでいいと思って生きていて、今時珍しい気負いがない話です。
    中盤から長編に繋がりそうな伏線が出てきてた感じがしたけど、亡くなってしまって絶筆になったのは本当に悔やまれます。

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    2014年08月30日
  • 頭の中がカユいんだ

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    らもさんの初書籍本にしてノンフィクション・飾りっ気なしのぶっつけ酩酊ラリリ本。
    僕に踏まれた町~→アマニタパンセリナと読んできてこちらの本を読みましたが、最高です。
    らもさんの酩酊ラリリっぷりの素行を既にこれらの本で触れていたから……というのもあるかもしれません。構えず「そういうもんだ」という風に読めました。一緒にラリパッパ。

    ラリパッパの他に、仕事に責任に人生に追いやられ、フラストレーションは溜まりに溜まり、だいぶ疲れちゃってイカレちゃって、「頭の中がカユく」なる、「ワラが詰まって」いる感じ、現実逃避の余り思考があっちこっち支離滅裂……な感じが、今の自分の状態と重なる部分があり、読んでてよ

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    2014年08月19日
  • 獏の食べのこし

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    らもさんのおかげでアポリネールと出会えた。
    Les jours s'en vont je demeure.

    らもさんのエッセイはさくさく読めて、ゆるさの中に鋭さがある。言葉に出来ない気持ちを痛いほどに示してくれる。

    「夜が化粧をほどこしてくれた川というものはいいもので、それは一種、おおきな鏡だと思えばいい。街の灯も星もその表では無垢の輝きを放ってくれる。」

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    2014年08月15日
  • 恋は底ぢから

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    「恋は病気の一種だ。治療法はない。ただしそれは世界中で一番美しい病気だ。」らもさんのエッセイの中でも、特に好みの一冊。天使の話については何度でも読み返したい。

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    2014年08月15日
  • こらっ

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    「こらっ」と怒れない著者が、社会風勢などを叱るエッセイ。自由は旗から見れば美しい言葉だが、それは冷たくて寒い。一方、束縛はあたたかい腐臭がする。この言葉には心底共感させられた。

    二年間探していた言葉の欠片は、この一冊の中にあった。私の餓えは、いつか満たされるだろうか。何度も読み返したい一冊。

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    2014年08月05日
  • お父さんのバックドロップ

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    「子供よりも子供っぽい」お父さんたちの話。短篇集。本当にいい話は児童向けであろうが大人が読んでもいいものだなぁという実感があるな。

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    2014年07月13日
  • お父さんのバックドロップ

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    『中島らもに二度出会う』

    表題作は読む価値ある。電車のなかでも思わず泣いた。それ以外も読める。中島らも苦手意識があったが、読み深めていく事になりそうだ。

    単純な話に心理は宿る。
    ご一読を。

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    2014年05月27日
  • 中島らもの特選明るい悩み相談室 その1

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    東海林さだおさんや、
    原田宗典さんや、
    群ようこさんのような、
    笑いのツボが好きであれば
    お勧めします。

    中学生の時に初めて読んでから、
    今でもたまに本棚から出して
    わらわらします。

    友人に勧める際は
    電車の中が恰好の読み場所だと伝えています。

    笑いをこらえるのも読書の味かな、と。

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    2014年03月08日
  • 変!!

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    らもさんの空気感があの人に似ていてはまっている。
    らもさんのまわりの変な人について書き連ねたエッセイ。面白い。変な人たちである。
    変だ変だと言われ、それがいやでいやでしょうがなかった。でもこれ読んだら、いやいやいやわたし普通じゃんて。安心。
    時折光るらもさんの教養の深さ。
    文庫版あとがきに誰よりも普通だからこんなに変な人が冷静に観察できてる、みたいなことがあり。らもさんもじゅうぶん変だとはおもう。けどちゃんとした大人だよなー。変な人が好きで、自分から関わろうとして行くところも似ている。好きな空気感の本だった。

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    2014年01月12日
  • 水に似た感情

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    小説の形態をとっているけれど
    内容は複雑怪奇なバリ島的人間探求のドキュメントである

    二元論とか無限とかこの世の始まりとか意識などに
    好奇の目を光らせている人達には捨てがたい本である

    一般にはバリ・ヒンドゥーと呼ばれているが
    その真髄には大乗仏教とアミニズムが流れている
    中でもアグン残のベサキ寺院は大乗仏教に傾倒しているという
    過去生から現在などの占いや個人に向けたお守りも創るらしい
    ベサキ寺院のテジャ師は三という数を完璧として大事にする

    祈りとともに涙が出だして怒りの涙から始まり
    哀しみの色に変わり最後は無色透明になる

    一般にバリの音楽をガムランと言う
    鉄琴やドラによる強いリズムとメロ

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    2013年11月28日
  • アマニタ・パンセリナ

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    中島らも作品の中でベスト3に入るくらい、おもしろい。いろんなドラッグについて書いている。
    タバコもやらない私だけど、この本のおかげで知識はだいぶ増えた。すいすい読ませてしまう文章のうまさは本当にすごい。
    この本以外で最近なにかの本の中にサボテンをかじってラリるか確かめる描写があり、アマニタ・パンセリナと同じだ!と感激した。ちなみに効かなかったみたいだ。

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    2013年09月18日
  • 頭の中がカユいんだ

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    特に冒頭のラリりながら書いた話にびっくりしました。汚いおじさんの与太話なのに、宝物のように感じました。

    悲しみの底が抜けたあとの、明るくて綺麗な部分だけを人にあげる。らもさんのそんな生き方はかっこいいと思いました。

    この本おかげで、毎日街に引きずり出されています。街で起こる強烈な出来事に殺されずにいられます。

    一番好きな本です。

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    2013年05月31日