【感想・ネタバレ】永遠も半ばを過ぎてのレビュー

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クスリボリボリしたりベロベロになったりは
お馴染みの、らもさん。
ねちっこくないロマンティックな暖かみも
笑いも忘れない。

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2023年11月27日

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まずこの本の雰囲気がなんか好き。昔読んだ村上龍をちょっと思い出した。結局何が言いたいのがよく分からない本なんだけど、なぜだかスッキリする本。

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2023年09月26日

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会話のやりとりにキレがある。タイトルも素敵。面白さの中に哀愁が漂い、中島らもにしか描けない世界観が溢れていた。

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2022年09月14日

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ほんと申し訳ないですけれども、中島らもさんの小説は竜頭蛇尾のことが時々ありますが…この本は最後まで美しくてまとまっていると思います。雰囲気に浸りたくて、キャラクターに会いたくて、文章を、言葉を味わいたくて、何年か経つと読みたくなってしまう。

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2019年04月09日

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中島らもの小説。ずばり、この本に出会えて良かった。これまで読んだ中で、最高に好きな本だ。エッセイを書いているらもとは一味も二味も違う作品になっている。題材も15年前に書かれた作品と思えないほど新鮮だし、登場人物3人もお洒落でカッコイイ!

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2012年07月25日

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中島らもさんの小説の中で、一番好きな作品。久しぶりに再読。
とにかく読んでいて胸がすくというか、物語が上手に収束されていく爽快感がある。同時に、らもさんらしい哲学が節々に感じられ、登場人物に愛着がわく。中でも美咲には、同性として深く共感する。
あと、キキにしろ美咲にしろ、お酒を飲んでいる描写がとても美味しそうで、思わず喉が鳴った。

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2011年09月08日

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娯楽性と文学性を見事に兼ね備えた傑作だ。
改めて、小説家としての中島らも氏の才能を痛感させられた次第。

物語終盤、テレビのトーク番組の中で繰り広げられるやりとりの中にこそ、エッセンスが凝縮されている。

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2011年07月29日

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以前に写植業に携わっていました。なかなか陽の目を見ない職種でこの作品を原作とした映画が公開されたときは変な嬉しさを感じたような思い出があります。

20QナールEツメ、本文ゴナUの記述には『大丈夫か?』と思いましたがあの頃の雑誌を含めた出版物のデザインは文字組をはじめ、全て今よりも洗練されたものだったと感じてしまいます。

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2023年05月16日

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スピーディな展開で一気に読める。
相変わらず参考資料の多さに舌を巻いてしまう。
何よりも「孤独」に関しての記述は心にぐっとくる。

ぜひ読んでいただきたい部分である。

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2022年09月13日

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これが半フィクションだという事がとても凄い
生者はそこまで誇らしくない事
生きてるのが異様
取り憑かれてこそ作家なのだと
らもさん思想が伝わってくる文でしたね...

中盤、僕にとっては少々難解で読むのが苦しかったのですが
終盤からするっと読む事ができました。

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2022年08月16日

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面白かった。ストーリーは少し散漫な印象だが登場人物に愛着が湧く。中島らもの登場人物はどうしてこれほど愛おしいのだろうか。弱みの部分が大きいからか。文章に関しても読みやすいが、少し人形劇のようになっているところは否めなかった。コミカルな見せ場が作為的だと読者は冷めてしまうのだと知った。他には、まず発想の出発点が良いと思った。人間の心の形だとか、想像出来る範囲と夢想的な描写をうまく折衷させている気がする。

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2022年06月02日

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数ある小説の中でもタイトルのハイセンスさはピカイチだと思う。

内容は本の出版詐欺を巡って繰り広げるドタバタもの。お酒や酩酊描写がやたら上手いのはさすが、中島らも。

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2021年07月08日

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らもの小説と言ったら私小説しか読んでなかった、というお話にならない不勉強がたたり、見事にあじましでおのたまう「大ファン」に落城した作品がこれ。

まず、どうやったらこんなタイトルのセンスが出るかって不審に思ってたんだけどらもってコピーライターだったのね。納得。

てな具合に確かはたちそこそこで読んだ記憶なんだけど、そして現在そこから倍生きて読み返したらなんと登場人物の軽さ、リアルさよ。はたちの私には、こんなどうしようもない40代なんて少なくとも身近にはいない「はず」だった。はたちの私よ胸をなでおろせ、そしてまだ安心するな。相川になっていたかもしれないのは私だ。

酒飲みの編集女が出てきてからはさすがのらも節。彼女を描きたかったんだろうな、だって男二人はなんなら全然飲めないし。生き生きと編集女が飲みだしてからは安心感と共感があった。「こんなものが聖域なら男なんてかわいそうなものだ」このフレーズを書ける酒飲みの男はらもしかいない。相川はどうしようもないけれど、らもが培ったであろう「紙媒体はいずれ近いうちになくなる」現実にそくしたプレゼンは今現在読んだときにゾクッとくるものがあったよ。やっぱりひとつの業界にしっかり根付いて仕事をしている人の書くものは説得力と予言力がある。ただし天才に限る。

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2016年10月05日

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記憶もないままに、謎の小説を書きあげた波多野は、まさに著者そのものなのでしょう。印刷のコンペや出版社への売り込みシーンは示唆に富んでます。らもワールド全開の一冊です。

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2015年03月12日

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この本はむちゃくちゃおもしろい。
らも氏がコピーライターになる前は、印刷会社の営業を6年やってたそうで(すごく意外)、印刷に関するうんちくが小説に時々出てくることがあります。
この小説は、その印刷のうんちくと、あらゆる詐欺が混ざった正にらもワールド全開の内容です。

“孤独というのは、「妄想」だ。孤独という言葉を知ってから人は孤独になったんだ。同じように、幸福という言葉を知って初めて人間は不幸になったのだ。
人は自分の心に名前がないことに耐えられないのだ。そして、孤独や不幸の看板にすがりつく。私はそんな簡単なのはご免だ。不定型のまま、混沌として、名をつけられずにいたい。この二十年、男と暮らしたこともあったし一人でいたこともあったけれど、私は自分を孤独だと思ったことはない。私の心に名前をつけないでほしい。どうしてもというのなら、私には一万語くらいの名前が必要だ。”

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2014年07月26日

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ネタバレ

少し古いが、出版業界の話が詳しく書かれており、興味深かった。
詐欺師ってのはやっぱりわくわくする題材だな。
しかし、裏表紙に書いてあるような「抱腹絶倒」というものではない。
そういうおもしろさではなかったように思う。

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2013年04月25日

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ネタバレ

本作と「ガダラの豚」「今夜すべてのバーで」は、らも氏の三大傑作だと思っている。
もう新作が読めないと思うと本当に残念。

作中作の美しい物語をフルバージョンで読んでみたい。
あとカニナマも。

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2011年08月12日

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詐欺と写植と出版社のお話。
登場人物すべてに、独特な味があって良い。

らもさんの本は久しぶりに読んだけど、やっぱり凄く面白い!
ちょっとした会話の、一つ一つに引き込まれてしまう。

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2011年07月02日

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新規購入ではなく、積読状態のもの。
2011/10/26~10/27

故・中島らも氏のトリップ小説。
旧友に突然訪ねて来られて詐欺の片棒を担がされる写植屋の波多野。睡眠薬を飲んで勝手に打ち込んだ文章が小説になり....

と、まあ懐かしい「らも節」が炸裂している。故人になってしまったため新作が読めないので、どうしても読むペースが落ちてしまい7年ぶりの作品であったが(しかも17年前の作品!)、楽しめたなぁ。もっともっと作品を残して欲しかった。

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2011年10月27日

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ドタバタものかと思いきや、どこか詩的な言葉や表現が現れ、物語の方向性がいきなり変わり、怒涛のように言葉が紡がれる。

まさに中島らもさんらしい作品でした。

一番印象的だったのは、写植を営む波多野が知り合いである詐欺師の相川からもらった薬を口にして、ハイになった状態で仕事にかかる場面。

写植というのはPCによるデザインが普及する前の時代、フィルムや専用の機械などを利用して紙に印字する技術のこと。

波多野の思考と、仕事で打ち込んでいく文字が混ざり合い、意味の通らない言葉の連なりが延々と続いていく。

どういう思考回路をしていたら、こういう文章を書き続けることができるのだろう、とこうして本の感想を文章として書いてる身からすると、不思議だしうらやましくも思いました。でも、そういう文章を書くには、著者である中島らもさんなみの波乱万丈な人生経験と、何かの中毒にならないといけないような気がしますが……

話としては写植を営む波多野のもとに、詐欺師の相川が転がり込んできて騒動に巻き込まれていくというストーリーになるのだけど、詐欺師の相川のキャラも面白かった。

いきなり波多野のもとに謎のタニシを持ち込んでくるという、めちゃくちゃで自分勝手な人間かと思ったら、詐欺自体は巧妙でリアリティがあり、独自の哲学を持っている。そうした不思議な二面性や、彼の回想から明らかになる、彼自身のどこか憎み切れない愛嬌や情けなさみたいなものが、良かったのだと思います。

あと作品の中盤以降に現れる女性編集者の宇井もいいキャラでした。一昔前のトレンディドラマに出てきそうな、古い男性的な表現をするなら「いい女」といった感じの女性です。

この手の女性キャラは今読むと時代を感じてしまい、冷めてしまうときもあるのですが、この作品に関してはそれがありませんでした。彼女と波多野・相川のやりとりが洒落ていて、単なる古くささを超えた、中島らもさんの女性に対する一種のロマンや理想が現れているように感じました。それが自分の感性にも刺さったのかもしれません。

独特の愛嬌があるキャラクターたちのドタバタ劇に、中島らもさんしかできない表現が合わさり、楽しく笑えながらも、どこかおしゃれで知的な雰囲気も感じます。やはり中島らもさんは唯一無二の作家だったのだと改めて感じました。

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2023年10月31日

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 永遠も半ばを過ぎて。まずこのタイトルがいい。永遠と言ってるのにその半分も過ぎたというのはどういうことだろうと、まず考えてしまった。これも一つの術なのだろうか。
 内容についていうと、前半部は読ませるが中盤からは読みやすいところと読みにくいところがある。筆者の知識が溢れているところでついていけなくなる。流れが途切れずに最後まで読み切れたなら、これはと思っている作品だと思う。

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2023年04月02日

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私の中にも成仏してない言葉があるんだろう。きっと。

これ、男の人は大好きなんだろうな。


波多野善二、相川真、宇井美咲の三人による一人称多視点による小説。

いきなりよく分からない用語の羅列に始まる。
ひたすら無意味な文字の羅列にひとつのセンテンスが数ページにも及ぶことがあるかと思えばひらがなの多用など、読ませるテクニックもすごい。

視覚、嗅覚、痛覚に訴えてくる表現。
スピード感、疾走感。痛快でいて切なくロマンチック。総じてめちゃくちゃ、ドタバタ、酩酊、ドラッグ、なのに美しい。

エンタメ要素を見事に文学的表現に落とし込んでいる、めちゃくちゃ面白いのに、まるで額装して飾りたいような心を鷲掴みにされる美しい言葉が並ぶ。そのバランス感覚もすごい。

なので「とんでもありません」という言葉をなぜ出版社勤めの美咲に言わせているのかが少し解せない。


装丁とタイトルがあまりにもかっこよくて、自分でハードルを上げていないか心配だったけど何も知らずに読んだため、とてもいい意味で杞憂に終わった。

エッセイのイメージが強い中島らもさんだったけれど、これから色々読んでみたいと思えた。

このいれかたで、インスタントコーヒーを飲んでみようか。

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2022年07月28日

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後半からがテンポ良く面白くなってくる。
どうしようもない詐欺師が話をかき乱す。
「君の中にも成仏できてない言葉が詰まってるよ、きっと」
成仏できてない言葉を表に出せればみんなストレスなく生きれるんだろうな。

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2022年05月07日

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映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』で引用されていた「君の体にも成仏してない言葉が詰まってるよ きっと」というセリフで興味を持った。

今まで写植を打ち続けることで抑え込まれていた波多野の中の言葉たちが、ナルムレストを飲んだことがトリガーとなって溢れて出てくる。馬鹿みたいなチラシの文言を無私で打ち込んでいたのに、知らないうちに、突っ込むようになっていて、気付いたらビート文学みたいな支離滅裂な文章を打っていたあのシーンの怒涛さは読んでて興奮した。トリガーが薬物なのは少し不満、ナチュラルハイが良かった。

私は「押し殺して押し殺してそれでも出てくるのが個性」って主義だから、主義に合う小説。今は、波多野が写植を打ってきた数十年の期間に私もいて、色んな知識や言葉の洪水で自分を洗い流す期間なんだろうな。洪水に自分自身が流されてると思いきや、自分の中の要らない部分だけが流されて洗練されていた。その残った個性の部分が自分の声を欲しがるようになって、「永遠も半ばを過ぎて」ができた。例えフィクションでも信じたい未来。

相川のプレゼンの部分は読んでていつも楽しい。宇井にニセモノって見破られたのは可哀想だったけど。台本を読むんじゃなくて、その役の人となりをとことん考えてから、そいつを降臨させる、ってのは処世術として役立てたい。

キキに影響を受けてガムラン音楽を聴き始めた。

好きだった文
・中国人で太った人を見たことがありますか?
・”ここにあるものでおまえのものはおまえだけさ”。そうかもしれないが、おれは自分のものであるおれと、ずいぶん折り合いが悪かった。
・「これは何ていう音楽なんだ」「ガムランよ。ジャワの」「この音楽はこんなに大きな音で聞くものなのかね」「質が変わるのよ。あるレベルを超えると。何だってそうよ。あんた......」
・「ひとつ手に入れると、ひとつ失うのよ。何でも手に入れる男は、鈍感なだけ。失ったことは忘れてしまう。哀しみの感情がないのよ、わかる?」
・「僕の直観だがね。人間の心っていうのは、こういう、イチジクというか、キンチャクというかそういう形をしてる(中略)このキンチャクの上部の、ひだになって締まってる部分をね、ゆるめてやるんだよ。そこから誰かが入ってきてくれる」
・「知らないふりをして若い人の話を聞くのは、老人の義務だよ」
・「あなたの中には、その文字の言霊が残ってるのよ。五千万字分」

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2022年04月07日

Posted by ブクログ

初、らも。
ユーモアに富んだ展開で、スイスイ読み進めることができました。表題が印象的な割に、ちょっとインパクトに欠けたかな。。。

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2019年12月07日

Posted by ブクログ

矛盾するタイトルが美しい。
まさに「永遠も半ばを過ぎて」という論理を飲み込んでしまいそうになるほどの巧みな詐欺師が出てきて面白かった。

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2017年10月22日

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永遠の半ば、この二律背反する時間概念が同居したタイトルを美しいと思う。プレゼン前、多少肩の力が抜けると思って時々開いて見るものの、そういう考えがある時はむしろ気負い込み過ぎている。

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2014年07月24日

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―――「えっ。ユーレイが小説を書いたの!?」
巨大タニシの母貝1個1億円の商談をしくじった三流詐欺師の俺にも、運がめぐってきたようだ。
謎の原稿を出版社に持ち込んだところ、文壇の大事件に発展し…。
待ってましたの痛快らもワールド。


タイトルを見て衝動買い

初めて読んだ中島らもやけど
舞城王太郎的な迸る文章が現れたと思ったら
突然ドキッとするような綺麗な日本語が見られる

そしてこの文庫の解説を読まないことは許されない

「マジで」ってなること請け合い

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2012年12月30日

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なんとなく古本屋で購入したもののそのまま読まないで積んである本、という物が結構多数自分の本棚には存在致します。このたび、これらを読みきるまでは本を買わない!もしくは控える(このあたりが弱気)、という目標を立てました。すでにこないだの土曜日に本を買いに行っているのでたぶん無理無理な気もしますが…

面白かったです。中島らも氏はとても綺麗な文章をスラスラと綴ったり、ドラッグや酒やあまり上品でない話題であまり美しくないモノを文章にしたりとても面白い方だなあ、と思うのです。実はフィクションを読んだのは2作目ですが薬の辺りでコレはフィクション…?とちょっと思いました。実生活かも、ですね。
最後が良いですね~ うん。読み終わって気持ちよかった!個人的によっちゃんがお気に入りです。

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2011年08月07日

Posted by ブクログ

詐欺師と写植屋と編集者の3人の物語。ここで語られるのは詐欺業界と出版業界の話。簡単に言うとこの冴えない中年の3人が詐欺的な動機で本を出版するのだが、意外に大ヒットしてしまうというハリウッドエンディング。
一人一人のキャラの作り込みが弱いと感じるが、各々が特徴的な性格をしているのでキャラは立っている。

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2011年01月01日

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